今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
万引き容疑者、約4割が「お金もったいない」 京都
"万引き(窃盗)の疑いで府警が取り調べた容疑者203人の40%に当たる80人が「お金を払うのがもったいなかった」と犯行動機を供述していることが、府警がまとめた容疑者の意識調査で分かった。
府警犯罪抑止対策室によると、調査は今年1~3月に万引きの疑いで府内14の警察署に検挙された全容疑者203人から事情聴取した内容を整理する形でまとめた。年代別では20歳未満の少年が64人(32%)▽20~64歳が89人(43%)▽65歳以上が50人(25%)だった。
全年代で「お金がもったいない」に次いで多かった犯行動機は「生活が苦しかった」43人(22%)▽「何となく」35人(18%)の順。犯行場所を選んだ理由は、115人(58%)が「特に理由なし」だった一方、16人(8%)が「店員や警備員が少ないから」▽10人(5%)が「死角が多いから」だった。
少年に限った調査では、万引きについて37人(61%)が「絶対やってはいけない」と答える一方、19人(32%)は「やってはいけないことだが、そんなに大きな問題じゃない」との認識を示していることが分かった。
府警は、このほど開催した「万引き防止官民合同会議」で調査結果を公表。会議に出席した小売事業者からは、防犯カメラの増設や、店員のこまめな巡回など、積極的に万引きを減らすための取り組みの報告もされた。
府警の担当者は「増加傾向にある万引きが、売り上げや経営に影響を与える事例もあり、店側にも万引きを減らそうという機運が高まっている。将来的には協議会を立ち上げ、犯罪の起こらない店舗設計にも取り組みたい」と話している。"
【毎日新聞 9月29日より】
京都府警が行った万引きに容疑者に対するアンケート結果が公表されました。
結果は上記の記事の通りですが、恐らく他の地域で同様のアンケートを実施しても同じような結果となるのではないでしょうか。
それにしても、万引きを軽い犯罪と考えている人は結構多いのでしょうか。
上の記事のアンケート結果を見てみても、「やってはいけないことだが、そんなに大きな問題じゃない」と回答した若者が3割もいたようです。
万引きは窃盗の一種であり、れっきとした犯罪行為にあたります。
また、万引き時の状況によってはさらに重い罪に問われるケースもあるようです。
例を挙げますと、店員や警備員が万引きを止めようとした際、彼らに対して暴力を振るえば強盗罪成立となり(事後強盗)、その際に店員や警備員にかすり傷でもつけてしまえば強盗致傷罪が成立する場合もあります。さらに、店員や警備員が倒れこみ、当たり所が悪く死亡してしまった場合には、強盗致死罪となります。
そのほかに気になる点として、上記の万引き容疑者が「店員や警備員が少ないから」「死角が多いから」と回答しているケースが見られますが、これは憂慮すべき事態です。
こういった「狙いやすい店」というのは万引き犯同士でも話題になるようで、そのままにしておくとターゲットになり続けてしまう恐れがあります。
死角を減らすために防犯カメラや防犯ミラーを設置するなどして、狙いにくい環境と整えていきましょう。
被害を減らすためには店舗側の努力だけなく、家庭や学校の協力も不可欠です。
「やってはいけない行為」として理解させるよう、目につく場所への掲示物などを貼るのも効果があるかもしれません。
◆万引き
投稿者: スタッフ (2011年9月30日 13:20)
「アリバイ会社」を初摘発 その内容とは
こんなビジネスがあったなんて、知りませんでした。
"仕事や居場所を知られたくない人に虚偽の勤務先などを提供する「アリバイ会社」。北海道警は9月初旬、東京都内のアリバイ会社の男2人を逮捕した。詐欺容疑者から依頼を受け、実際には勤務していないのに「うちで働いている」と役所からの在籍確認電話にうその説明をしたとされる地方税法違反容疑(虚偽答弁)だ。全国で初めて業務そのものについて摘発されたアリバイ会社とは。
7日に逮捕されたのは、インターネット「アリバイ.com」を運営する容疑者(32)ら2人。
道警によると、2人は2009年12月、札幌市西区の無職の女(27)から頼まれ、年収が800万円あるかのように装った虚偽の源泉徴収票を作成。女が、その源泉徴収票を区役所に提出した際、職員からの在籍確認の電話に「うちで働いている」と説明をした疑いがある。「仕事なので虚偽の説明をしたが、どちらが答えたかは覚えていない」と供述したという。"
【9月26日 朝日新聞より】
有線(USEN)音楽放送には「アリバイチャンネル」というのが昔からあり、室内にいてもこのチャンネルにしておけば行きかう車の音や町のざわめきなどが聞こえ、あたかも町にいるような状況で電話ができるというものです。
以前住んでいたマンションに有線放送が入っていて、このチャンネルを見つけた時には笑ってしまいました。
先ほど気になって調べるとまだチャンネルがありました。需要があるから今もチャンネルが残っているのでしょう。
素晴らしいニッチなサービスだと個人的には思います。
このサービスよりも更に進んだ「アリバイ会社」。
確かにクレジットカードなどを発行する際、申込書に記入した勤務先へ在席確認の電話が入りますが、在席確認だけならば電話があればできます。
何本か電話回線を契約していたのでしょうが、さほど資金もかけずに運営していくことができそうです。
この件では感心することだらけですが、こういったものは需要があるからなくならないのでしょう。
そう考えるとなんだかさもしい世の中になったなあ・・・と感じてしまいます。
詐欺事件に巻き込まれないようにするには、「自分は被害に遭わない」と他人事のように思うのではなく、日頃から詐欺の手口などを知っておくことが大切です。
また、何かがおかしい・・・と思った時には一人で判断せず、誰か信頼できる人に相談をするのが一番です。
第三者からの冷静な意見で、熱くなった頭も冷やす事ができるはずです。
投稿者: スタッフ (2011年9月27日 10:20)
県警の捜査車両盗難、犯罪に使われる? 愛知
"愛知県警の覆面の捜査車両が20日夜、県警が借り上げている名古屋市内の民間駐車場から盗まれ、その後、犯罪に利用された疑いがあることがわかった。暴力団などの捜査にあたる組織犯罪対策課の車で、8月にも同課が借りていたレンタカーが盗まれていた。県警は、窃盗事件として暴力団の関与を含めて慎重に調べている。
捜査関係者によると、捜査車両が盗まれた民間駐車場は同市内の警察施設の近くにあり、複数の一般の車が止められていた。20日夜に止まっていた捜査車両は盗まれた1台だけだった。当時、同課の捜査員は鍵をかけて離れたという。
車は21日未明、同市瑞穂区内のガソリンスタンドで給油した際、代金を支払わずに逃げたことがわかった。従業員の証言や防犯カメラの映像から車には2人組の男が乗っていた。"
【9月23日 朝日新聞より】
警察関係の車両が盗まれ、しかもそれが犯罪に使われた可能性があるという事件です。
記事によりますと、民間駐車場に止めていたのに捜査車両だけが盗まれていたとのことです。
また、先月には借りていたレンタカーまでもが盗難被害に遭っているとのことで、執拗な狙われ方です。
恐らく犯人は常に車の出入りを監視しているのでしょう。
そうでもしなければレンタカーまで盗まれるとは思えません。
また、いくら外部から見て分からないようにしている覆面の捜査車両でも、捜査員の顔を何度か見ていれば分かりますし、ナンバーを控えておくこともできます。
これだけ時間をかけて非常に用意周到な犯行であるともいえます。
車の盗難を防ぐには通常、下記のような対策がありますが、この事件に限ってはもっと進んだ対策が必要となりそうです。
【車の盗難を防ぐためにできること】
・キーをつけっぱなし、車内に置きっぱなしにしない
・スペアキーを車に隠さない
・路上駐車しない
・たとえ駐車場でも暗がりになるようなところには駐車しない
・車内に金品やカバンなどを置かない
投稿者: スタッフ (2011年9月24日 10:45)
二輪盗難が3割増 8割近くがハンドルロックなし 岡山県警まとめ
"駐車中のオートバイやミニバイクが盗まれる被害が今年1月から8月末までに1089件(前年比253件増)と3割増加したことが県警生活安全企画課のまとめで分かった。県警の分析によると、8月に被害にあったバイクの8割近くは、エンジンキーこそ抜いていたもののハンドルロックをかけていなかった。県警は「ハンドルを固定して盗難防止に努めてほしい」と注意を呼び掛けている。
県警によると、自宅敷地内の駐車場で夜間に被害に遭ったり、会社員や学生が駅周辺の駐車場で被害に遭うケースが多い。手で押してバイクを持ち去る手口の可能性が高いという。"
【9月15日 毎日新聞より抜粋】
岡山県内の二輪車盗難件数が、前年度の3割増加しているようです。
注目すべきは「ハンドルロック」。
原付バイクを見本に挙げると、カギ穴はこんな感じになっています。
キーを差込み、エンジンをかける前にハンドルロック解除、エンジン始動、エンジンを切る場合はこの逆の流れとなっています。
最近の原付バイクはカギ穴をいじられないようにカギ穴塞ぎ(正式な名前がわかりません)もついていて、両方しておけばいたずらに盗まれる被害はかなり減るものと思います。
それぞれ、エンジン入り切りの作業の流れでできるので、手間をかけるというイメージもなく、私も毎回両方セットしてバイクを離れています。特にカギ穴塞ぎを初めて見た時には、「これでカギ穴をいじられなくて済む」と安心したものです。
今回の岡山県警のまとめによりますと、8月に被害にあったバイクの8割近くがハンドルロックをしていなかったそうです。
この状態ではバイクを押して移動されてしまいます。
高価な盗難防止グッズを検討する前に、自分でもできる対策を行い、愛車を守りましょう。
投稿者: スタッフ (2011年9月20日 09:16)
少年が後輩にひったくり指南 東京
"歩行中の高齢女性を狙ってひったくりをしたとして、警視庁少年事件課は、窃盗の疑いで、東京都大田区に住む塗装工見習いの少年(18)を逮捕。同区に住む区立中学3年の男子生徒(15)を書類送検した。同課によると、2人は容疑を認めているという。
少年は平成21年ごろから、男子生徒や他の少年らと共謀して、ひったくりやバイク盗などを繰り返しており、被害総額は約120万円に上るとみられる。
逮捕、送検容疑は、1月23日午後4時25分ごろ、同区南馬込の路上で、少年の指示を受けた男子生徒が、歩いていた女性(86)の後ろから自転車で近づき、現金1万6千円入りの手提げかばんをひったくったとしている。"
【産経新聞 9月14日より抜粋】
ひったくり常習犯の少年が逮捕されたということですが、それにしても考えが非常に卑劣です。
この少年は男子生徒に「おばあちゃんを狙え。安心して逃げられる」とひったくりの"心得"を指南していたそうで、聞くだけで怒りのこみ上げてくるような話です。
しかし残念な事に、ひったくり被害が一番多いのは高齢者の女性となっているのが現状です。
警察庁発表の犯罪情勢、平成22年度の「ひったくり被害者の年齢・性別認知件数」によりますと、
認知件数:14,554件に対し、男性1,213件・女性13,341件で、91.7%が女性の被害者となっています。
また、年齢別に見ると、13,341件のうち60歳以上が4,706件で32.3%、ついで20歳代が2,721件で18.7%、50歳代が12.8%となっています。
20歳代の被害が多いことが意外に感じられますが、これは歩きながらの携帯電話や音楽プレーヤーの操作などで注意力が散漫となり、スキが生じるため狙われやすいことが挙げられます。
狙われないためには、
・歩きながら、自転車に乗りながらの携帯機器操作をしない(話さない)
・車道側にカバンを持たない
その他の対策については、下記リンクをご参照ください。
投稿者: スタッフ (2011年9月15日 09:49)
展示販売会で貴金属盗難 総額1,400万円 茨城
"10日午後5時45分ごろ、茨城県笠間市赤坂のイオン笠間店1階フロアで、貴金属店「金美堂イオン笠間店」の展示販売会で陳列されていた指輪とネックレス計5点(計1,400万円相当)がなくなっているのを出入り業者が気付き、金美堂の男性店長が県警笠間署に通報した。同署では万引された疑いがあるとみて調べている。
金美堂はイオン笠間店のテナントとして入居しているが、この日は午前10時から1階フロアを会場に販売会を開催していた。盗まれた貴金属は指輪3点、ネックレス2点で、ショーケースの上に陳列されていた。会場では店員8人が客に対応していた。"
【9月11日 msn産経ニュースより】
人の賑わう展示販売会で起こった事件です。
ショーケースの上に高額の指輪とネックレスを置いていたとのことですが、これでは泥棒に「盗ってください」と言っているようなものです。
恐らく、店員も8人いるし、常に誰かの目は届くだろう・・・と考えていたのかもしれません。
ただ、人の目は常に同じところを見ているわけにはいきません。
お客様が訪れる限り、店員全員が接客にあたる瞬間は発生します。
犯人はその一瞬のスキを待っていたのかもしれません。
ショーケースの上に置いておくには、あまりにも無防備すぎます。
振動を検知して知らせる送信機などを活用し、万一の時に備えておきましょう。
投稿者: スタッフ (2011年9月12日 13:22)
質屋に強盗、犯行の少年グループのうち2名逮捕 群馬
"県警捜査1課と館林署は6日、強盗の疑いで、いずれも館林市に住む15、16歳の少年2人を逮捕した。
同課の調べでは、2人は仲間2人とともに7月2日午後5時50分ごろ、館林市朝日町の質店に押し入り、男性経営者(62)らに包丁を突きつけ、ネックレスなど貴金属9点(計130万円相当)を盗んだ疑いが持たれている。少年2人は見張り役だった。"
【産経新聞 9月7日より】
金の価格が高騰し、家に眠っていた貴金属を買い取りしてもらう人々の様子がテレビでも盛んに放映されています。
昨年の価格に比べておよそ2倍の買い取り額ということもあったようなので、テレビを見ていて「じゃあうちも・・・」と思わず家にある金製品を探した方もいらっしゃるのではないでしょうか。(実はわたしもちょっと考えました)
なかには海外で安く金を購入し、日本で高く売って更に利益を増やすといった転売プロのような人もいるようです。
今回の事件も、恐らくは金の価格高騰における転売目的で犯行に及んだのではないでしょうか。
こういった場合は防犯カメラだけでなく、犯行を継続させないための威嚇撃退方法を併用することで、被害を大きく減らすことができます。
また、金の価格高騰を受けて、悪質な貴金属買い取り業者が自宅を訪問して強引に貴金属を買い取っていく・・・というケースもあり、問題となっているようです。
このようなケースは訪問販売にはあたらず、クーリングオフができないとのことです。また、品物を渡してしまうと返品されないことがほとんどということで、もしも家に買い取り業者が押しかけてきた場合は、最初から相手にしないのが一番かもしれません。
"もしも買い取り業者が来た場合、
・買い取ってもらう意思がないなら毅然と断ること。いったん業者に品物を渡すと、後で返品を求めても、ほとんど返品されません。また、消費者が物品を業者に売却するという取引になるので、クーリング・オフ(無条件解約)はできません。
・相手がどのような業者なのか確認すること。契約前に業者の住所、電話番号を確認することはもちろん、「古物商許可証」、または「古物商行商従業者証」の提示を求め(古物営業法)、内容を確認し書き留めておく。
・売る意思のないものまで強引に買い取って行ってしまう例もあるので、1人で業者に対応しないこと。
・買い取り価格の計算根拠、条件などを明記した書面をもらうこと。買い取り価格が相場と照らし適正かどうかその場で判断することは難しく、後で安すぎたなどと後悔しないため、買い取り価格の計算根拠や買い取り条件を確認した上で、それらを書面にしてもらい、控えをもらう。
※ なお、古物商が1万円以上の買い受け時に相手方の住所、氏名、職業、年齢を確認することは、古物営業法により義務づけられています。"
(以上、読売新聞9月7日なんでも相談室より)
投稿者: スタッフ (2011年9月 7日 14:06)
警察学校「市民への声かけ」を授業に取り入れ 広島
"県警察学校は昨秋から、全国の警察学校に先駆けて、「市民への声かけ」の授業を取り入れた。経験豊富な大量採用世代の退職が加速し、とかくコミュニケーションの力が問われる若い世代の能力向上につなげるためだ。声かけは、地域の治安維持や凶悪犯罪の検挙にもつながる。
学校がこのような授業を導入したのは昨年10月。高卒なら10カ月、大卒なら6カ月間は初任科として学んだ後、学生たちは交番に配属されて4カ月間の実習を受ける。そこで先輩の声として聞かれるのは、職務質問を苦手とする若手が多いこと。初任科13コマ、初任補修科10コマを必須科目として組み込むことにした。
かつては配属されると職務質問にいきなり行かされたという。しかし、会話の引き出しが多い経験豊富な警察官が次々に退職の時を迎え、「先輩の背中で学ぶ」ことが難しい時代になった。授業は好評で、学生からは「積極性が持てた」「自信がついた」などの反応が聞かれる。花本校長は「授業で得たことを現場で使えるように、継続したい」と語る。
時に威圧的に映り、声をかけられると思わず身がすくんでしまう存在の警察官。会話上手な警察官が増えれば、より身近な存在になりそうだ。
【毎日新聞 8月29日より抜粋】
広島県警察学校が、昨年秋から始めた取り組みの話題です。
いわゆるベテラン層の退職によって、警察官も世代交代となっているようです。そしてその若い世代の悩みはなんと「職務質問が苦手」ということ。
確かに、仕事とはいえ見知らぬ人に声をかけるというのは勇気がいることです。
声をかけられる方も自然と身構えてしまうでしょうから、普通の会話のように話すというのも簡単にはいかないでしょう。
そこで広島では、警察学校の授業に「市民への声かけのためのロールプレイング」を授業に組み入れたそうです。
現場では臨機応変な対応が求められますが、ロールプレイング形式で流れを把握することにより、とっさの場合の対応もしやすくなるのではないでしょうか。
また、記事に書かれている通り、警察官の「制服」パワーはかなりの威力がありますよね。警察官の前を通り過ぎる時、何もしていないのになんだか緊張してしまう、という方は多いと思います。
気さくな警察官が増えれば相談もしやすいですし、犯罪の抑止にもつながってくるのではないでしょうか。
声かけは、店舗などでも簡単にできる防犯対策のひとつです。
来店時にお客様の顔を見ながら「いらっしゃいませ」と声をかけるだけでも、抑止効果となります。
「犯罪を計画して下見をする時に顔を見てあいさつされたので犯行をあきらめた」という捕まった犯人の声もあり、効果は高いと思われます。
また、あいさつは店舗が明るいイメージとなり、販売促進効果にもつながりますので、店舗側にとっては一石二鳥の対策といえます。
投稿者: スタッフ (2011年9月 5日 13:50)
ライブハウス放火未遂事件 惨劇を繰り返さないために
"東京都渋谷区のライブハウスに8月31日夜、ガソリンがまかれた事件で、殺人未遂と現住建造物等放火未遂容疑で現行犯逮捕された無職の男(23)(大阪府茨木市)が現場で取り押さえられた際、「インターネットの動画投稿サイトの利用者が集まるイベントが行われていたので、狙った」と話していたことが同店への取材でわかった。
警視庁は、男が放火し、無差別大量殺人を行う場面がネット上に公開されることを狙った可能性があるとみて調べている。
同店によると、店内では当時、動画投稿サイトの愛好者がカラオケなどを楽しむイベントが開かれていた。イベントの様子は、店側がビデオで撮影していたという。捜査関係者によると、男は8月20日頃に上京して、都内や川崎市のネットカフェなどを転々とし、事件直前に現場近くのガソリンスタンドでガソリンを購入していたという。"
【読売新聞 9月2日より抜粋】
こういった事件を目にするたびに、歌舞伎町のビル火災事件を思い出します。
あの事件が発生したのは10年前の9月1日。皮肉な事に9月1日は防災の日です。この火災で、44名の犠牲者が出ました。
出火原因は放火説が有力視されているようですが、未だに分かっていないということです。
歌舞伎町ビル火災で問題となったのは、火災報知機の電源が切られていたことと防火扉が作動しなかったことです。
火災報知機は誤作動が多く、電源を切られており、また、一部の店舗では火災報知機ごと天井を内装材で覆っており、作動できない状態であったことが分かっています。
防火扉の周りには酒瓶やおしぼりなどの備品が積み上げられ、階段口もふさがれ避難ルートが全くなかったようです。
この事件を受けて消防法が大幅に改正、こうした雑居ビルにおける火災報知機設置義務や消防署による立ち入り検査が強化され、現在は厳しい基準となっています。
今回のライブハウスへガソリンをまいた男は、その場ですぐに取り押さえられましたが、もしもひと気のない場所にガソリンをまいて放火されていたら・・と考えると、なにごともなく本当によかったと思います。
こういった場所は不特定多数の人々が集まり、出入りもある程度自由にできます。
出入り口や裏口などには防犯カメラを設置し、火災報知機の電池や取り付け場所なども見直しを行い、少しでも早い初期対応ができるような態勢を整えておく必要があります。
投稿者: スタッフ (2011年9月 2日 10:49)