対象別犯罪事情・防犯対策
子供の防犯対策
子供を狙った犯罪が多発しています。
子供が犯罪に巻き込まれる事件が相変わらず多発しています。
- 平成23年3月、熊本市の商業施設のトイレで女児(3)が行方不明になり、翌日に河川に注ぐトンネル上の水路で遺体で発見された事件は子どもを持つ保護者らに衝撃と不安を与えました。
- 平成23年9月、大分県日出(ひじ)町のスーパー駐車場で、母親が買い物に行っている数分の間に、車に乗せていた女児(2)が所在不明になった。
- 平成19年10月加古川で小学2年生の女児が自宅前で刺され死亡する事件が発生した。犯人は自宅前で待ち伏せして殺害をしたと推測される。
- 平成2年に新潟県三条市で女児(当時9)が行方不明になり、中年男性によって9年以上監禁された事件。
- 平成26年に埼玉県朝霞市で少女(当時13)が誘拐され、大学生によって2年間監禁された事件。
- 千葉県成田市出身の女児(9)は令和元年9月、山梨県道志村のキャンプ場で忽然と姿を消した。母親が一瞬目を離した隙にいなくなった。令和4年付近で見つかった骨のDNA鑑定で本人ではないかと推測される。
- 警察庁の統計によると全国の行方不明者は年間8万人超。うち、9歳以下の子どもが1000人強ということである。
子どもの被害件数の総数は減少傾向にありますが、連れ去りや強制わいせつなどは横ばい。何かあってからでは遅すぎます。
13歳未満の子どもが被害者となった刑法犯の被害総件数は減少傾向にあり、令和2年は8,788件と過去数年で最も低い件数となりました。
しかし、罪種別で見ると「暴行」や「傷害」などの子供の心身に深刻なダメージを与える罪種件数においては、平成29年を皮切りに上昇している傾向にあります。
特に、小学生は未就学児童と比較して、「暴行・傷害」で約2.1倍、「強制わいせつ」で約6.4倍、「略取誘拐・人身売買」で約2.1倍の被害が確認されています。
小学校入学を機に行動範囲も広くなり、一人でいる時間もできてしまいます。その中で「どんな危険があるのか」「危険を回避する方法」「お父さんやお母さんはどう行動して欲しいのか」「いざとなった時に自分で自分の身を守る行動」などを具体的に話をして、常に防犯意識を持たせておくことは非常に大切です。また、「こんなことを言うと怒られる」と感じさせることなく、常に学校であった出来事を家族に話をする習慣を作ると同時に「あなたをとても大切に思っているよ」ということを常に言い聞かせ、何でも話ができ、相談できるようにすることが重要です。
●令和4年における刑法犯に係る子供(少年。20歳未満)の被害件数は7万2907件。
刑法犯認知件数に占める子供の割合は12%となっています。(令和3年は10.5%)
子どもの被害件数を主な罰種別に見ると、窃盗が80.1%で最も多く、傷害4.0%、暴行5.0%、強制わいせつ2.9%、恐喝0.4%となっています。
犯罪に遭わないために、どのような犯罪が多いのかを知り、おとなが注意することが必要です。
- 発生時間:午後2時から午後6時頃に多発しています。下校時から夕食時までの間です。最近は朝の登校時の被害も増加してきています。
- 季節は7月~10月が多いです。
- 発生場所:駐車場や駐輪場で5割。次いで道路上と続いています。駐車(輪)場での主な被害は窃盗ですが、強盗や傷害、強制わいせつ、逮捕・監禁及び略取・誘拐は道路上で被害にあう割合が高くなっています。
- 一人で行動する時間帯が最も危険です。特に下校時は一人になる時間帯がどうしても発生するため、注意が必要です。
- 公園・・木や建物で見通しの悪い公園、周囲に路上駐車のある公園、建物に落書きのある公園は避ける。車の中から様子をうかがっていたりするので注意します。
- エレベータ・・エレベータの中は密室となるため、注意が必要です。
- 知らない人と一緒に乗らないことを習慣づけることが大切です。
- 後ろから襲われないようにエレベータの出入り口の操作ボタン前に壁を背にして乗り、いつでも非常ベルや各階のボタンを押せるようにします。
- カメラを設置するとともに、カメラを設置して録画監視していることをシールなどでエレベータホールなどで周囲に知らせます。(抑止効果)
子どもが被害に遭いやすい場所
人通りの少ない通学路や植え込みなどです。その他、見えにくい公園、駐車(輪)場のほか、死角となりやすい高層階住宅の階段、踊り場、エレベーター内、スーパー等のトイレ、屋上なども要注意です。
路上での安全対策 |
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車に連れ込んでのいたずらや誘拐が多いため注意が必要です。
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家での安全対策 |
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自宅といえども安心はできません。ワンドア・ツーロックや戸締りの徹底、カメラ付きドアホンなどによる相手確認や、ドアチェーンの徹底を教育してください。
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自宅周辺の防犯対策のポイント
- 自宅建物の周辺は整理整頓し、塀は低くし、植木も剪定し、道路からの見通しを良くする。死角をつくらない。
- 建物周辺に街灯をつけ、明るくする。
- マンションの場合踊り場、屋上、エレベータなどにカメラを設置するとともに部外者が敷地内、建物内に自由に出入りできないようにする。
- 窓や扉の錠前はピッキングや破壊行為に強いものに換えるとともに補助錠を外部より見えないところに設置し、ワンドア・ツーロックを徹底する。
- 窓の開けっ放し(無施錠)や、鍵のかけ忘れをしない。
- 自転車置き場や駐車場には照明を付け明るくする。人感ライトも効果的。
- 防犯カメラ、侵入警戒システム、スーパー防犯灯、異常時通報非常押しボタンシステムを設置する。
- 防犯パトロールを地域で行う。
老人会、PTAなど地域で出来ることを行いましょう。
安全マップを一緒に作成
行動範囲にある「死角」を把握する上で「安全マップ」作りは有効です。
できれば子どもと一緒に通学路を歩き、通学路の危険箇所を知らせてあげてください。一人きりになる時間、場所を把握し、どこが危険か、助けを求めるにはどこに行ったら良いのか(子ども110番の家、コンビニ、交番、病院など)も一緒に確認しましょう。
子供への約束事項
- 知らない人についていかない。
- 『知らない人』を具体的に説明しましょう。
名前を呼ばれた:ランドセルに大きく名前を書いていませんか?
母親の名前を知っていた:表札に家族全員の名前を表示していませんか? - 一人で遊ばない。
- 外に出かける時は、出来る限り一人きりになる時間を作らない。
- 必ず家族の大人に「誰と、どこで、何をするのか。いつ頃帰ってくるのか」を伝えてから出かけることを徹底する。
- 連れていかれそうになったら大声で「助けて」と叫ぶ。
防犯ブザーを鳴らす。 - 夕方遅くまで遊ばない。
- ゲームセンターや繁華街などには子供だけで近づかない。
安全(防犯)対策
- 防犯ブザー、ホイッスル、携帯電話は常にすぐに出せるところにつけておく。ランドセルの中ではいざという時に役にたたない。使い方も練習する。
- 防犯ブザーは音量の大きいものを使用する。ブザーと音声を併用した音声防犯ブザーも効果が大きい。電池切れになっていないか常にチェックする。複数用意し、通学用、お稽古など外出用などのカバンにつけておき、携帯忘れがないようにする。
- 大きな声で助けを呼ぶ練習をする。(布団をかぶって、おなかの底から声を出す)
「助けて」「警察を呼んで」など、何を言うのかも教える。 - 塾の帰りなどは「カエルコール」を徹底する。
- 「子供110番の家」のマークを教える。近くにないときはコンビニでもいいので飛び込むように教える。
- 集団登下校を実施する。
- 警察による不審者情報をチェックする。
- 防犯パトロールなどによる『人の目』と防犯カメラ、スーパー防犯灯などシステムで子どもを見守る。
子供は被害に遭ったり、遭いそうになった時に「怒られるのではないか」と恐れ、親に話さないことが多いのです。
「言ったらよくないのでは」「言うと叱られるかも」など自分が責められることには敏感です。
また、「おうちの人に言ってはいけない」と脅迫まがいにきつく言われている場合もあります。被害にショックを受けて、声に出せないこともあるでしょう。
子供とのコミュニケーションを充分取ると同時に、子供の様子が普段と違う場合には優しく声をかけてあげることが大切です。
子どもの安全対策には、地域全体(学校・警察・保護者・地域住民)が連携し「子どもを見守る目が欠かせません。