泥棒について知ろう!
空き巣
空き巣対策
「空き巣」「空き巣ねらい」は侵入窃盗(住宅対象)の約66.1%(前年69.1%)を占めています。
「空き巣ねらい」とは、不在の住宅に侵入し、金品を盗むものをさします。
「自分は空き巣被害に遭うわけがない」と考えている人もいるでしょうが、被害に遭った人の第一声も「まさか自分が被害に遭うなんて思ってもみなかった」ということです。
令和2年(2020年)における空き巣等の侵入犯罪は、2万1,030件にも及びます。平成14年頃をピークに侵入窃盗認知件数は減っています。
また、このコロナ禍で、自宅にいる時間が増えたり、海外からの招かれざる客(窃盗団)が入国していないことなどで、犯罪件数は減ったとしても、対策をしていない「侵入しやすい家」を狙う空き巣にいつどこで遭遇してもおかしくはありません。空き巣に狙われやすくするための対策は、誰しも必要といえます。
空き巣は狙いやすい家、侵入しやすい家をターゲットにするといわれています。
そのため、空き巣にとって都合のよい環境を作り出さないよう、防犯対策には力を入れなければなりません。ここでは、空き巣に狙われにくくするための対策について解説します。
空き巣の手口
- ガラス破り
現在侵入手口でいちばん多いのがガラス破りです。 - 焼き切り
ガラス破りの新しい手口です。 - ピッキング
特殊な金属工具を用いて解錠する手口です。 - サムターン回し
道路に面している表側は人の目につきやすいので。 - 合い鍵
郵便受けや植木鉢の下など、隠してある鍵を探して侵入します。 - 無施錠狙い
ドアや窓の無締まり箇所から侵入する手口です。
注意!こんなことがあったら空き巣に狙われている
空き巣は、犯行前には入念な下見と準備を行います。事前に空き巣が下見をしていることがわかれば注意することができますよね。そうすることで犯罪に逢わないようにすることがsできます。以下に、空き巣に入られる前兆を解説します。
●見慣れない車が長時間止まっている
空き巣は、ターゲットの家の周辺に車を止めて建物の構造や家族構成、生活などを観察します。自宅付近に見慣れない車が長時間止まっている場合は、空き巣の下見の可能性もあります。
・死角になる場所に侵入口となる窓や扉があるか?
・夜遅くになっても電気がついていない、洗濯物がほしっぱなしになっていないか?
・逃げる時にはどういう経路で逃げるか?
・家族の不在になる時間帯は?
その他泥棒の下見のポイント
その際、スーツやジョギング姿、作業着など、周囲に溶け込む服装で下見に来ているため、外観で安心するのは禁物です。不審な動きがあれば、迷わず警察に相談しましょう。
●玄関やポストにマーキングがしてある
ドアやポスト、インターホン、電気メーターなどの玄関周りに、今まで気づかなかった文字や印が書かれていたら要注意です。こういったマーキングがあった場合、すぐに消すか取り除くとともに、より防犯対策を強固にする必要があります。
●インターホンを押して人が来た・電話がかかってきた
留守か在宅かを確認するために、インターホンを押して家人の反応をチェックしたり、電話をかけたりして「不在確認」を行います。ただ、近年はモニター付きインターホンも増えているため、たとえ在宅中でも見知らぬ人には応答しないことも増えてきました。
空き巣に目をつけられないために・・・
- 郵便ポストには鍵をつける
マンションやアパートの共有分部(玄関ホールやエントランス)に郵便ポストがある場合、郵便物を簡単に盗み見ることができ、個人情報をたやすく知られてしまいます。とくに電話会社の請求書には電話番号も明記されています。 また、郵便物がたまっていると、留守であることが一目瞭然です。 - マーキングされたらすぐに消す(剥がす)
表札や水道・電気メーターなどに、マークや数字・文字、シールなどのマーキングは訪問販売や空き巣の目印になります。
住んでいる人の性別、職業や訪問販売が成功したか、在宅時間や行動パターン等をチェックしていますが、マークや記号の意味は本人や仲間同士でしか分からないもの、またマークに意味はなくマーキングしてある事が意味をもつ場合があります。
マーキングがいつまでも残っていたら、それだけで無頓着で無防備な家と判断されてしまいます。
マーキングを見つけたら即座に消しましょう。 - 表札に家族の名前を記入しない
表札を見ただけで家族の人数や構成がわかると、外出する人数を数えていればいつ留守になったか分かってしまいます。
表札は名字だけにしましょう。 - 個人情報を無防備に捨てない
ダイレクトメールや、クレジットカード、電話会社の請求書をそのまま捨てていませんか?
宅配便の送り状や、電話会社の請求書には電話番号も明記されています。
住所や名前、電話番号、会員IDなどの部分を黒く塗りつぶしたり、パンチで穴をあけたり、はさみでバラバラに切ってから捨てる様に心がけましょう。
また、ダイレクトメールから性別や年代が判ることもあります。面倒でも封筒のまま捨てず、破ってから捨てましょう。
また、ゴミを出すのも前日の夜ではなく、ゴミ収集日の朝からにしてゴミを持ち去られる時間を与えないことも大切です。 - 夜遅くまで出かけている時は、洗濯物は家の中に取り込んでおきましょう。
プロの泥棒の手口から学ぶ空き巣狙い撃退5箇条
捕まった泥棒が話した空き巣に合わないための方法
- 外出するときは、家の明かりをつけておく。
宵(日暮れ)から中夜(午前2時頃)までの間、周りの家に明かりがついているのに、一軒だけ明かりがついていないのはまだ家族が戻っていない留守の証拠となります。家の中に明かりがついているだけで犯行を諦める。
但し、玄関の外だけ明るくしておく家があるが、これは外出中のしるしで意味がない。必ず家の中に明かりをつけておくこと。 - 新しく家を建てる時に防犯装置をつける。
日本の住宅は防犯を意識して建てられていない。家を新築するときに二重ロック、ラス入りガラス、高窓化、防犯センサー、照明などについて工夫をしておくことが大事。 - 金目のものは高いところに隠しておく。
泥棒は、見つかったら逃げることをいつも頭に入れているので、物色するときも大慌てでやっている。経験上目線より高いところにあるものには、目が届きにくく、探すのも手間がかかる。だから金目のもの、大事なものは高いところへうまく工夫してしまっておくことが用心深いやり方だ。 - 裏手にまわられないような工夫をする。
道路に面している表側は人の目につきやすいので、できる限り見つかりにくい裏手に回って侵入口を探しておくのが泥棒のやり方だ。だから裏手に忍び込めないような柵や、障害物を敷地内に設置しておく事が泥棒よけに役立つ。その上、よく吠える犬が飼ってあったらもうお手上げ。(これは別の泥棒によればへっちゃら、とのこと) - 見たことのない人物には声をかける。
泥棒はうろついているところを近所の人に見られるだけで犯行がやりづらくなる。いきなり「こんにちは!」と声をかけられただけでびびってしまうのだ。この頃は、隣の人に無関心な人が多くなっているが、これは防犯上問題だと思う。
不審な人には、思い切って声をかけることが地域の防犯につながる。
空き巣に狙われにくくするための対策
ドアや窓に補助錠をつける
侵入までに時間がかかると外から発見されるリスクが高まるため、空き巣は解錠に5分以上かかるような家には侵入しない、といわれています。そのため、空き巣対策にはドアや窓に鍵が複数つけ、解錠までに時間がかかるようにすると効果的です。
ドアや窓に鍵が1つしかない場合は、補助錠をつけることがおすすめです。補助錠はあとから取りつけ可能で、外側につけるタイプなどさまざまな種類があります。自宅のドアや窓の形状に合わせたものを探してみてください。
開口部にCP部品を取りつける
開口部にはCP部品を使用して防犯対策を強化しましょう。CP部品とは、「防犯性能の高い建物部品の開発・普及に関する官民合同会議」が認定する、防犯効果が高い部品のことです。ちなみに、CPとは「Crime Prevention」の略で、犯罪予防を意味します。
CP部品は、ピッキングや鍵の破壊などを始めてから侵入するまでに、5分以上かかるような製品に認められています。鍵だけでなく、防犯性の高いドアやサッシ、窓ガラス、ウィンドウフィルムなどが対象です。
ドアにガードプレートをつける
ドアとドア枠の間にちょっとしたすき間があると、バールなどの工具が差し込みやすくこじ開けやすくなってしまいます。このような侵入方法を予防するためには、ガードプレートを取りつける方法がおすすめです。
ドアのすき間を金属製のガードプレートで塞ぐことにより、バール等を差し込むすき間をなくせます。
家の死角や開口部にセンサー付き人感ライトを設置する
センサー付き人感ライトとは、人の動きを感知したときに光るライトです。 通常は電気がつかないようになっているため、電気代を節約するメリットもありますが、空き巣対策としても有効です。
センサー付き人感ライトは空き巣に対して威嚇的な役割を果たすほか、空き巣の存在をアピールするため、空き巣は嫌がる傾向にあります。センサー付き人感ライトの設置場所は、玄関や窓などの開口部、外から見えにくい家の死角等にすると効果的です。
監視カメラやカメラつきインターホン、侵入検知センサーを設置する
空き巣は在宅かどうかを確認するためにインターホンを鳴らすことがあります。このようなときに備えて、監視カメラや録画機能つきのインターホンがあると便利です。あとから録画を見返せば、知らない人が訪ねてきたかどうかがわかります。
また、窓を割ろうと近づいた泥棒を検知する赤外線センサー・異常を周囲に知らせると同時に犯罪者を威嚇撃退する防犯ベルなどを設置することをおすすめします。
敷地内の見通しをよくする
空き巣にとって侵入しやすい環境になってしまいます。目線よりも高い塀や生け垣では、外から中の様子はわかりません。外の通行人からも空き巣の侵入がわかるよう、メッシュタイプのフェンスにするなど、敷地内の見通しをよくするとよいでしょう。
そのほうが、空き巣は侵入を躊躇しますし、異変があれば周囲から察知してもらいやすくなります。
家の周囲に砂利を敷く
敷地内に砂利を敷くのは雑草対策として知られていますが、防犯対策としても有効です。砂利の上を歩くと、砂利が擦れ合うため音が発生します。そのため、家の周りを歩く人がいれば、いち早く気づけます。
防犯目的に砂利を敷くのであれば、普通の砂利よりも発音性に特化した「防犯砂利」がおすすめです。侵入者が軽々と飛び越えられないよう、全面に敷きましょう。開口部周辺に砂利が敷き詰められている家は、防犯意識が高いとアピールできるという効果も期待できます。
戸締まりを厳重に行う
空き巣の侵入手口として最も多いものが、鍵を閉めていない家に侵入する「無締り」です。空き巣は、たとえば近所のゴミ集積所に往復するほんのわずかな時間を狙って侵入することもあります。
短時間の外出やゴミ出しのときでも、鍵をかけて出かけるように気をつけましょう。また、侵入盗の被害の約3割が、家人の在宅中だったという報告もあります。在宅時にもしっかりと戸締まりをするなど、基本的な防犯対策を心がけましょう。
参考:警視庁住まいる防犯110番「手口で見る侵入犯罪の脅威」
声掛けやあいさつは積極的に行う
地域の住民が街の美化に力を入れ、積極的に挨拶を交わし合う活気のある街は、犯罪も起きにくいものです。散歩や近所の人との立ち話などで、常に周囲からの目があれば、空き巣は侵入を諦める可能性も高いでしょう
また、お互い顔見知りの住人が多いなかで、知らない人に出会えば印象に残りやすく、犯人発見の手がかりになる可能性もあります。挨拶で声を掛けられたことで、犯行を断念したという事例もあるそうです。街ぐるみで美化活動や声掛けは、防犯にも大きな効果があるといえるでしょう。