今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
青森 クマの民家、農場への侵入被害相次ぐ
クマの出没情報が急増する中、21~23日にかけ、クマが人里を荒らす被害が相次ぎました。
むつ署によると、23日午後2時10分ごろ、むつ市城ケ沢の民家の敷地内に体長約80センチのクマが侵入し、スグリの実を食い荒らしました。
室内からこの家の主婦(57)が目撃しましたが、約10分後に近くの山へ逃げて行ったという。
主婦にけがはなかったようです。
一方、三戸署によると、田子町関の農場で、鶏舎を襲う被害がありました。
鶏舎のひな約1万5000羽は無事でしたが、外に張られた幅約80メートル、高さ約2メートルのビニール製断熱シートに数カ所、ひっかかれた跡が見つかりました。
シートは最大で幅約11メートルにわたって引きちぎられていました。
経営者の男性(38)が21日午後4時ごろ仕事を終え、23日午前6時ごろ出勤するまでの間の被害だったという。
<毎日新聞7月24日(火)10時29分配信より>
侵入者は人間とは限りません。
小型の動物や昆虫等なら検知は難しいですが、人間ほどの大きさのあるクマのような動物なら同様にセンサーで検知することができます。
敷地への侵入、建物内への侵入に対してセンサーが検知すると、警報ベルなどの威嚇機器が鳴動します。
泥棒と同じようにクマなども追い払うことができるのではないでしょうか。(クマに対して有効かどうかは検証できていませんが、少なくとも驚かせて、威嚇することはできるでしょう)
刺激するのはあまりよくないのかもしれませんが、動物の侵入被害に対しても防犯システムが効果を発揮することがあるでしょう。
田舎や森など泥棒とは無縁と思われる場所に対しても、動物の侵入対策として防犯システムをとりいれるところが出てくるかもしれません。
投稿者: 総合防犯設備士 (2012年7月24日 10:59)
車上荒らし、防犯カメラが捉える 倉庫狙わず配送用の車に狙い
電器店の車を荒らす2人組の男の犯行の一部始終を、店の防犯カメラが捉えていました。
大阪・八尾市の電器店が設置した防犯カメラが16日午前5時半頃に記録した映像には、軽自動車から降りてきた2人組の男のうちの1人が、電器店の倉庫の前に止めてあった車のドアをこじ開ける様子が映っています。
男は車を無理やり動かしましたが、警報機が作動したため、再び軽自動車に乗って逃走しました。
この電器店では、4月にも同じように車が荒らされる被害を受け、カメラを設置していました。
倉庫にはエアコンなどの在庫商品が保管されていて、2人組は商品を盗もうとしたのではないかとみられています。
店はすでに被害届を提出し、警察が窃盗未遂事件として捜査しています。
<日本テレビ系(NNN)7月16日(月)19時17分配信より>
車上荒らしをしていた犯人2人組の映像を防犯カメラが捉えました。
まだ犯人逮捕には繋がっていませんが、車に設置していた警報機が作動した為、窃盗は未遂に終わりました。
犯人は防犯カメラの存在を知っていたのか分かりませんが。もっと分かりやすい目立つところに設置されていれば、そもそもターゲットとして狙われることもなかったかもしれません。
エアコンなどの在庫商品が保管されている倉庫に侵入せず、その前に停めてある配送用の車に狙いを定めています。
以前にも同じように車が荒らされており、その対策として防犯カメラを設置していたようです。
倉庫は警備、防犯対策が厳しいのであえて狙わず、商品は限られ、その数も少ないが、より危険度の低い配送用の車を狙ったのでしょうか。
扉の鍵か窓ガラスさえクリアすれば、より簡単に商品を盗み出せると考えたのかもしれません。
このように泥棒は、より難易度の低い場所を狙って犯行を行います。
防犯システムや防犯カメラがしっかりと設置されたところは狙わず、金庫保管程度の対策、扉の補助錠程度の対策、扉・窓の施錠程度の対策、無施錠、とより防犯対策の程度が低いところを狙います。
より安全にかつ、より確実に、そして同じ手口で繰り返し犯行を行うためです。
それを簡単に許してはいけません。
自分で侵入・犯行の難易度を下げていることにまず気付くことです。
無施錠など論外です。
これからはより暑い季節になります。
換気、節電の為に窓や扉を全開にすることもあるでしょう。
しかし、短時間とは言え、そのまま外出したり、また就寝するのは危険です。
泥棒さん、いらっしゃい、と家の中に招き入れているようなものです。
暑くても防犯面も考える必要があります。
投稿者: 総合防犯設備士 (2012年7月19日 10:17)
通り魔殺人 防犯カメラで防げるか?
男女2人が殺害された大阪・心斎橋の通り魔事件は、大勢の買い物客が行き交う休日の繁華街で起きました。
警察庁によると、通行人らを無差別に狙った凶行は、昨年末までの10年間に全国で67件に上ります。
事件は10日で発生から1か月。
通り魔の出現を防ぐ術(すべ)はないのでしょうか。
◇戸惑い
「防犯カメラ終日作動中」事件が起きた「清水通」の街灯のポールに、こう書かれたのぼりがはためきます。
東西約500メートルにある防犯カメラ16台は「心斎橋清水通商店街振興組合」が設置。
昨春、商店主約20人が毎週金曜の夜にパトロールを開始。
昨秋からは毎晩、警備員を巡回させてきました。
現場の東約250メートルには、南署もあります。それでも事件は起きました。
「対処のしようがない」。理事長(65)は、戸惑いを隠せません。
街頭犯罪対策として、府警は3月末現在、繁華街を中心に426台の防犯カメラを設置。
4年前に比べて6倍近いですが、ある府警幹部は、男(37)が「人を殺せば死刑になると思ってやった」と供述したことを挙げ、「死刑になるつもりの犯人に、防犯カメラによる抑止効果を期待するのは難しい」と漏らします。
◇実効性
過去の通り魔事件の現場でも、苦悩が続きます。
1999年に路上で8人が殺傷された東京・池袋。
現場には防犯カメラ約10台が設置されましたが、地元商店会関係者は「実効性には限界がある」と漏らします。
7人が死亡、10人が重軽傷を負った2008年6月の東京・秋葉原の無差別殺傷事件では、中止された歩行者天国の再開を望む地元電器店街などと、治安悪化を懸念する住民らが話し合いを重ねました。
防犯カメラ設置やパトロール、電器店員が店頭から目を配る「店頭警備」などの実施を決め、歩行者天国が本格再開されたのは、11年7月でした。
住民らの防犯グループ「アキバ21」の(78)は「再び事件が起きたら誰が責任を取るのか。地域ぐるみの監視体制を強化し、不審者侵入を防ぐしかない」と強調します。
<読売新聞7月9日(月)7時53分配信より>
通り魔殺人が防犯カメラを設置することによってその抑止力が働き、その場での犯行を防ぐことはできるか?
この答えは、犯人次第ということになります。
犯人が自分の犯行が発覚されるのを恐れ、自分の姿が防犯カメラに映ることを嫌えば、抑止力として働くでしょう。
しかし、今回大阪で起こった通り魔事件に限らず、犯人が死にたい、死刑になりつもりだった、どうなってもいいなどと死を恐れない、警察に捕まることを恐れない者だったら、どんな対策を行っても無意味です。
どんな対策を行ったところで、犯人がその気になれば、少なくとも数人は確実に殺すことができてしまうでしょう。
テロリストも同じです。
死を覚悟したテロリストの犯行を防ぐことは容易ではありません。
妊婦が爆弾を抱えて向かってくるというケースもあるようです。
その場合、事前に犯人として怪しむ事、警戒する事すら難しいでしょう。
残念ながら、通り魔もテロも防犯カメラだけでは防ぐことはできません。
しかし犯罪者というのはこのような過激で死を恐れない者ばかりではありません。
一般の人のように、警察に捕まり、刑務所に送られることを嫌がり、自分が死ぬことを恐れる、こう感じる犯罪者がほとんどでしょう。
我々と感覚としては同じですから、自分が犯罪者になったつもりで、自分が嫌がることを実践すれば効果的です。
防犯カメラや威嚇機器がついていればやっかいです。映像が記録され、周囲に気付かれ、騒ぎになります。
その時に自分の顔を見られれば、逮捕されるきっかけとなるでしょう。
それらを防犯対策に活かせば効果を発揮します。
投稿者: 総合防犯設備士 (2012年7月10日 18:20)
韓国 スパイダーマン泥棒 壁よじ登りマンション4階から侵入
先月8日、韓国南東部・蔚山で、マンションの壁をよじ登り、ベランダから中に侵入する泥棒の姿を、近くに住む住民が撮影していた。男は開いている窓から侵入し、貴金属などを盗んで逃げたという。
韓国メディアは「スパイダーマン泥棒」だと報じ、マンションの高層階でも外出の際は窓を閉めるよう呼びかけています。
<日本テレビ系(NNN)7月3日(火)16時7分配信より>
日本でスパイダーマンの新作映画が公開されていますが、お隣の韓国ではそれを真似た?泥棒が話題になっています。
私も実際のニュースの映像を見ましたが、壁からマンションの4階ベランダに侵入し、その後、マンション内の防犯カメラに犯人が映っていました。
侵入手口としては、普通は有り得ないというか珍しい方法です。
危険ですし、よほど身のこなしが軽く、壁登りができる人でないと、とても真似できません。
また高所恐怖症でないことが条件ですね。
特殊でかなり技術が必要な侵入方法ですが、ベランダまで到達できれば、あとの犯行は楽なのかもしれません。
今回も窓は開いていたということですから、侵入後は家の中を楽々と物色する時間もあったのでしょう。
その後防犯カメラに映ってしまったのは事前の下見や調査が不充分でした。
壁をよじ登るぐらいですから、それなりに下見は行うでしょう。
その場での思いつき、行き当たりばったりの犯行ではとても行えません。
防犯カメラの有無は当然チェックします。
犯行が成功しても、犯人としての自分の映像が残っていれば、結局は失敗(逮捕される)ということになります。
その障害として防犯カメラは大きな関門です。
ただ、泥棒サイドとしてもその関門は楽に避けることができます。
正面突破する必要が無く、単に防犯カメラがついていないところをターゲットに選べばよいだけです。
ここが狙われるか狙われないかの大きな分かれ目と言えるでしょう。
防犯カメラの設置やその他の対策を導入する場合、それなりにコストは掛かってしまいます。
しかし、その結果、泥棒に入られなかったとしたら、それは比較すると損にはならないと思います。
費用対効果を考えての導入をお勧めいたします。
投稿者: 総合防犯設備士 (2012年7月 5日 11:53)