今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
奈良 無施錠住宅の盗難多発 防犯センサーで被害免れたケースも
無施錠の玄関や窓から侵入する住宅窃盗事件が県内で多発しています。
奈良県警によると、今年の発生件数は6月末までに67件。
無施錠だったケースが住宅侵入窃盗事件全体の約40%を占めていました。
住民が在宅中に被害に遭うケースもあり、県警は注意を呼び掛けています。
県警生活安全企画課によると、無施錠の玄関や窓から侵入した住宅窃盗事件は今年、1~3月が24件でしたが、気温が高くなった4~6月には43件と増加。
7月も22日までに15件発生しています。
1~6月の住宅侵入窃盗事件全体のうち、無施錠だったケースが全体の約40%を占め、前年同期の約25%を上回りました。
侵入方法は、住民の不在時に侵入する「空き巣」が40件。
在宅時の侵入も27件発生していました。
被害を免れたケースとして、侵入者を察知し警報音を発する「人感センサー」などが効果を発揮したという。
同課は「家で侵入者と遭遇すると、強盗事件に発展する危険性もある。短時間の外出でも必ず戸締まりを徹底し、暑い夜の就寝時にはエアコンなどを活用して窓を施錠してほしい」としています。
<産経新聞7月24日(水)7時55分配信より>
梅雨が明けたのかどうか分からないままもうすぐ8月です。
多くの家で、エアコンがフル稼働しているでしょう。
我が家でも、就寝時は、窓を閉め(施錠し)、エアコンの温度は高めに設定し、最も弱い風量のままにして寝ています。
窓を全開にし、エアコンはタイマーで何時間後かに切れるようにしていたこともありましたが、防犯上よくないと考え、さらに、エアコンが切れると数分で目が覚め、またエアコンをつける、そして切れると目が覚めるという繰り返しになり、きちんと睡眠がとれないということで、今のやり方に変えました。
電気代の問題や、身体への影響(風邪をひくか心配)もありますが、今のところ、目覚めもよく、深夜目が覚めることもありません。
このやり方がお奨めとは言いませんが、窓を開けっ放しで眠るのは危険です。
実際に奈良県では、被害が増えているということですから、他の地域でも同様の被害が起こる可能性は高いと言えます。
自分の家は大丈夫、と何の根拠もなく断言することは簡単ですが、いざ被害に遭って困るということがないように事前に対策を講じる方が安心です。
防犯センサー(人がいることで周囲の温度が変化し、それを検知するセンサー)を設置し、被害を免れたケースもあったようですから、効果は期待できます。
どうしても窓を開けっ放しで眠りたい!という方には、建物の周囲に赤外線センサーなどを張り巡らし、敷地内に足を踏み入れると検知するような対策や、屋外に夜間でもきれいに映る防犯カメラを設置し、映像を記録していることをアピールすれば抑止効果にもなります。
または、原始的ですが、きちんとしつけられた番犬も効果があります。
建物に近づく不審者に吠えることで、周囲に知らせることができますから、すぐに退散するでしょう。
ただ、生き物ですから、寝ている間を狙われたり、肝心な時に不審者に気付かないということもあるでしょうし、万全とは言えませんね。
対策を選ぶのは、個人の自由です。
自分に合った対策で、泥棒から身を守りましょう。
投稿者: 総合防犯設備士 (2013年7月26日 10:02)
金の延べ棒盗んだら偽物だった 4千円のレプリカ
北海道警札幌中央署は16日、金の延べ棒のレプリカを盗んだとして、住所不定無職の男(36)を窃盗容疑で逮捕したと発表しました。
発表によると、男は6月22日午後2時25分頃、札幌市中央区にある貴金属品などを扱うリサイクル店で、棚に陳列してあった金の延べ棒のレプリカ(約4000円相当)を盗んだ疑いです。
同署によると延べ棒は約350グラムの金メッキ製で、比重の違いから本物の金だった場合には約500グラムに相当するという。
仮に本物の金だった場合には、貴金属会社の示す価格表を参考にすると、200万円に達していたと見られます。
男は「本物だと思った」と、容疑を認めているという。
<読売新聞7月17日(水)11時51分配信より>
泥棒に対して、あえて偽物を盗ませるというは新しい防犯対策かもしれません。
苦労して盗んでも、偽物の可能性がある、というのは泥棒に対して犯行を躊躇させることに役立つでしょう。
彼らのモチベーションを下げる効果もあるでしょう。
ただ、盗まれるのが本物の可能性もありますから、注意が必要です。
また、泥棒による被害は盗難だけで留まるとは限りません。
扉、窓、シャッターの破壊、室内が荒らされ、汚されることもあります。
高価な物だけがきれいに盗まれる被害の方が珍しいでしょう。(泥棒も室内のどこに高価な物が置かれているか正確に把握することはできませんから、手当たりしだい探す手口が一般的です)
泥棒に入られた!と聞くと、何か物が盗まれたとイメージしがちですが、本当に問題なのは、盗難被害以外のケースも多いようです。
扉が壊されたら、おちおち外出もできませんし、窓が開けっ放しのまま就寝するのも心配です。
屋根や壁に穴が開けられたら、雨風の影響もあります。
これらの具体的な被害も想定した泥棒対策が必要です。
投稿者: 総合防犯設備士 (2013年7月18日 19:07)
お笑い芸人が高級自転車9台盗み逮捕される
高級自転車9台を盗んだとして、お笑い芸人の男が警視庁に逮捕されました。
男は他人の自転車を撮影して、勝手にインターネットオークションに出品し、落札された後にその自転車を盗んだとみられています。
窃盗の疑いで逮捕されたのはお笑い芸人の男(39)。
警視庁によると、男は先月、東京・豊島区で自転車雑誌の男性編集長の家に置かれていた高級自転車9台、時価200万円相当を盗んだ疑いが持たれています。
事前に自転車を撮影してネットオークションに出品し、落札された後に盗んでいたという。
男は逮捕前、日本テレビの取材に関与を否定していました。
男「全然、何で俺が疑われているのか分からない。(俺だとしたら)普通にパクられているじゃないですか。絶対そうですよね。そんな警察、アホじゃないでしょ。ネットの犯罪ってすぐ捕まるじゃないですか」
男は警視庁の調べに、「何で逮捕されたのか分からない」と話し、容疑を否認しているという。
<日本テレビ系(NNN)7月9日(火)13時44分配信より>
まずネットワークオークションに出品し、それが落札され買い手が見つかってから目当ての物を盗むという新たな手口です。
少し前にも同様の手口での窃盗事件がニュースになりましたが、もう模倣犯が出てきたようです。
しかも、現役のお笑い芸人ですから、普通に考えると犯罪者としては経験がないような者の犯行です。
それが簡単に手口を真似て犯行を実行する訳ですから、新聞やニュースで手口が詳しく取り上げられるのも考えものです。
犯罪を称賛している訳ではありませんし、再発防止、注意を呼び掛けることを目的としているはずですが、犯罪者はそれらを巧みに利用します。
新たな手口の情報を入手すれば、自分で学び、改良し、そして実践します。
さらに問題点などが見つかれば、さらなる改良を加えます。
常に進化し続けている訳です。
進化し続けている相手に無防備なままでは対抗できません。
病気やウイルスに対する治療方法も常に改良、改善を行います。
相手が変異、変化すれば、それに応じた治療方法を開発しなければ対抗できません。
犯罪手口も同様です。
相手が変化する訳ですから、その対策も変化に合わせて変えていかなければならないのです。
投稿者: 総合防犯設備士 (2013年7月 9日 17:14)
万引き犯の写真を公開し店内に掲示 効果は絶大!
万引した人物を警察に通報せず、顔写真を店内に無期限で掲示するという、大阪市の鮮魚店の「万引防止策」が波紋を広げています。
頻発した被害をなくすための"苦肉の策"で、店側は「悪いのは万引した人。(貼り出しを)やめるつもりはない」と強気です。
法律の専門家の間では「強要罪や名誉毀損(きそん)罪にあたる」「違法性はない」と意見が分かれ、法やモラルの線引きの難しさが議論を呼んでいます。
大阪市北部の市場にある鮮魚店。
一見普通の店ですが、レジ横の「警告!」と書かれた貼り紙が目に飛び込んできます。
《当店で万引き等の行為を発見・確認した場合、警察には通報せず、犯人の顔写真を撮影し、店頭に貼らせていただきます(無期限)》
《当店内の商品を無断で当店外へ持ち出した方は万引きとみなし、体罰でつぐなっていただきます。しばかせてもらいます》
さらに《お小遣いかせげます! 万引き犯の罰金(1品につき1万円)をそのままお渡しいたします》と、客にも"万引摘発"を推奨。
別の貼り紙には《万引き ドン引き》などと書かれています。
貼り紙の近くには、中高年の男性2人と女性1人の顔写真6枚が貼り出されています。
表情はみな険しく、泣き出しそうな男性の写真もあります。
同店は平成17年に開店。
年間数十件の万引被害に悩んでいましたが「現行犯」として目撃できませんでした。
だが23年12月、歳末の買い物客らでごった返す店内で、中年男性が魚を手に持ち出すのを発見。
追いかけて問い詰めると、男性は「いま代金を払おうと思ってたんや」と開き直りました。
その場で顔写真を撮り、店内に貼り出したのが第1号になりました。
以降、被害は年間数件に減り、効果は絶大でした。
それでも、商品をかばんに入れて持ち去ったり、上着の袖に隠したりした30~70代の男女計4人の顔写真をその後貼り出しました。
うち30代女性は罰金1万円を支払ったため写真をはがしました。
男性店主(31)は「もちろん万引した人に手は出さないが、しばきたいほどの思い。毎日休みなく朝から晩まで働き、お客さんに喜んでもらおうと出した魚を盗まれるのは許せないし、店が潰れてしまう」。
店主は「自分の写真を見て、万引の重大性や罪悪感を感じてほしい」と話し、独自の万引防止策をやめるつもりはないという。
◆冤罪の恐れ/違法性なし...法律家も見解分かれる
警察庁によると、昨年の全国の万引認知件数は13万4876件。
NPO法人・全国万引犯罪防止機構(東京)の調査では、全国のスーパーや百貨店など296社での平成23年度の万引被害額は計約360億円に上ります。
この鮮魚店が入る市場では、別のスーパーも約5年前、当時の経営者の発案で万引犯の顔写真を店内に掲示しました。
しかし、顧問弁護士から訴訟の可能性を忠告され、掲示をやめました。
ただ、法律家の間でも見解は分かれます。
大阪弁護士会のある弁護士は「プライバシー権や肖像権の侵害として、訴訟が起きてもおかしくない」と指摘。
身近な法律問題に詳しい愛知県弁護士会の弁護士は「顔写真の撮影に無理に従わせようとすると強要罪、写真を店内に貼り出すのは名誉毀損罪にあたるおそれがある」とし、「店が一方的に万引と判断すると冤罪(えんざい)につながる可能性もある。警察に通報すべきだ」と話します。
一方、人権問題に詳しい札幌弁護士会の弁護士は「違法性はない」と判断。
「店が警告しているのに万引するのだから、顔写真の貼り出し自体はプライバシー権の侵害にあたらない。罰金も民事上の損害賠償にあたる」とみます。
万引は窃盗罪で、10年以下の懲役か50万円以下の罰金が科されますが、初犯や被害が少額などの場合、穏便な処分となることもあります。
だが、被害店舗にとって万引は死活問題です。
鮮魚店の店主は「今回、うちのやり方が注目を集めたけど、これを機に万引の重大性を社会全体で考えるきっかけになってほしい」と願っています。
<産経新聞 6月27日(木)14時35分配信より>
店で万引きした人の顔写真を店内に掲示、罰金1万円を支払ったらはがす、さらに万引き摘発に協力した人に、その1万円を渡すという協力体制もつくっています。
賛否両論、違法か合法か、とかなり議論になりそうな内容です。
万引き犯として確実でなければ、写真の掲示はえん罪の可能性もあり、その判断には慎重さが求められます。
ただ、警察に通報するということが万引きという犯罪の抑止力にならない場合、このように顔をさらされることは「恥」という別の罰を与えることとなり、効果は絶大なのも分かります。
警察に捕まることは何でもないと考えている者でも、自分の顔が犯罪者としてさらされ、人の噂になることは決して好まないでしょう。
1万円の罰金を払った万引き犯の女も、他人に知られるのは恥ずかしい、それが身内や知り合いに知れたら、と考えてその店で万引きしたことは後悔したはずです。
犯罪者、特に泥棒に対しては、新たな防犯対策と言えます。
ただ、以前、書店で万引き犯が逃走し、電車にはねられて死亡するという事件がありました。
書店店主は世間に非難、批判され、結局廃業に追いやられるという結末でした。
被害者であるはずに書店店主は何も悪いことはしていないと思いましたが、加害者である犯人の死亡という結末だけが問題でした。
暴力を振るったわけでも、脅したわけでもないはずです。
このケースと比べると、今回の鮮魚店主の試みはより過激です。
実際にはしないと言っていますが、体罰でつぐなっていただきます。しばかせてもらいます。と張り紙で掲示しています。
おそらく色々な人が色々な意見を持ち、それぞれ考えさせられる事件と言えます。
ただ、万引きは犯罪ですし、お金を払って仕入れた商品が無断で盗まれるという犯罪行為が店の経営に深刻な影響を及ぼすという現状もよく理解できます。
得られるはずの利益が、泥棒によって盗まれる訳ですから、それらが多発すれば商売として成り立つ訳がありません。
万引きという犯罪がなくなれば、このような問題が起こらないのですが、そうするまでが大変なことです。
投稿者: 総合防犯設備士 (2013年7月 4日 14:28)