今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
小学生からゲーム機窃盗 売却は大学生に依頼
東京都大田区の公園で小学生からニンテンドーDSのゲーム機などを盗んだとして、警視庁は10日までに、窃盗容疑で、中学3年の男子生徒(14)=同区=を逮捕しました。
また、男子生徒に依頼され、盗品だと知りながらゲームソフトを売却したとして、盗品等処分あっせん容疑で、大学1年の男子学生(18)=同区=を逮捕しました。
いずれも容疑を認めています。
<時事通信 12月10日(水)12時47分配信より>
中学生と大学生が手を組み、小学生のゲーム機を盗んで転売したという何とも言えない組み合わせです。
盗むのは中学生、転売するのは大学生、と犯行が発覚しにくい巧みな役割分担です。
将来、逆の意味で楽しみな少年たちです・・・。
両親は共働きで比較的裕福な家庭、子供は一人っ子が多く、両親の愛情を一身に浴びて育つ、甘やかされて、悪いことと良いことの区別がつかない子供が多いように思います。
また、普通の子供たちでも、親から与えられた小遣いや玩具、携帯電話や服、バッグなど高価な物を身につけている子も珍しくありません。
そうなると犯罪のターゲットになりうる可能性があります。
昔の子供たちが持っている物でそう高価な物はなかったでしょうし、大金を持っている子などほとんどいませんでした。
今は、万が一のことを考えて親が持たせていることもあるでしょう。
そこを狙われる危険性があるのです。
小学生専門の窃盗犯というのが出てきても不思議ではありません。
盗む者と売る者が分かれ、組織的に転売するという犯行も考えられます。
子供たちの身の安全を守る対策が必要です。
投稿者: 総合防犯設備士 (2014年12月29日 18:44)
車のエンジンがかからない・・・。 埼玉でバッテリー盗難多発
30日午後1時45分頃、埼玉県越谷市大間野町の運送会社の駐車場で、止めてあったトレーラー3台のバッテリー計6個(総額約6万円相当)がなくなっているのを同社従業員が発見し、110番しました。
越谷署は窃盗事件とみて調べています。
発表によると、従業員がエンジンがかからないため点検したところ、バッテリーがないことに気づいた。
バッテリーは重さ約15キロ。
むき出しの状態で装着されており、工具があれば取り外せるという。
<読売新聞 12月1日(月)11時39分配信より>
窃盗犯罪にも流行のようなものがあり、ある地域で流行った手口・対象がしばらく経つと別の地域で同じ手口で発生するということがあります。
同じ泥棒が場所を移動して犯行を繰り返している場合と、紹介された手口を模倣し、そこに自分なりの工夫を加え、さらに進化した手口で犯行を行う者もいます。
インフルエンザの流行と似ているかもしれません。
最初はワクチンがあり有効に働いたのが、だんだんと耐性を持ち、そして変異し、ワクチンが効かなくなってくる。
防犯対策も同じで、最初は泥棒に有効だった対策が、だんだんと泥棒にも知られ、浸透し、その対策も分かってくると効き目が薄くなってくることがあります。
そうなると一つの対策だけを続けていても、効果が期待できなくなります。
泥棒の手口や時代の流れなど、様々な条件を踏まえたうえで、防犯対策も進化、進歩し続けなければ効果を発揮できなくなります。
投稿者: 総合防犯設備士 (2014年12月12日 19:29)
ストリートビューで下調べ、暴力団組員が侵入窃盗200
グーグル社の無料地図サービス「ストリートビュー」で人けのなさそうな場所を探し、金庫破りなどを繰り返したとして、大阪など5府県警の合同捜査本部は、暴力団組員ら4人を窃盗容疑で逮捕し、約200件、計約1億5000万円相当の被害を裏付けて捜査を終えたと4日、発表しました。
発表では、堺市北区百舌鳥陵南町の暴力団組員の男(43)、住居不定の無職の男(36)両被告(いずれも公判中)ら4人は昨年8月7日未明、兵庫県小野市の郵便局に侵入し、収入印紙21枚(額面計4200円)を盗むなどした疑い。<
ストリートビューは、インターネット上で地図や街並みの画像を閲覧できるサービス。
4人は、このサービスの画像で人目につかない場所を調査し、2011年11月~昨年11月、近畿、中国、九州などの17府県で衣料品店や会社事務所を狙って盗みを重ねていました。
4人は防犯カメラに映った使用車両から浮かび、昨年12月~今年1月に逮捕されました。
いずれも容疑を認め、盗んだ金などは生活費や飲食代に充てていたという。
<読売新聞12月5日(金)17時21分配信より>
グーグルのストリートビューを利用したことがある人はその便利さ・面白さが分かるでしょう。
自分が行ったことのない場所でもまるでその前を歩いているかのような映像が見られます。
ただ、便利な反面、その機能を悪用しようと考える者が出てくるのも納得です。
暴力団組員4人が事前に下調べし、人気のなさそうな場所を選んで侵入のターゲットとしました。
おそらく侵入後の逃走ルートなども調べ計画を立てていたのではないでしょうか。
泥棒の犯行における基本的な行動の一つが事前の下見です。
ふらふらと町を出歩き、ピンと感じたところに侵入するのではなく、多くの泥棒が事前に下見を行い、自分の身の安全とそして侵入による確実な成果を考えてターゲットを選定します。
その際、絶対的な条件となるの防犯システムの有無です。
有る所と無い所では、侵入・盗難・逃走、あらゆる面で犯行の難易度が異なります。
そして成功度、つまり、最終的には自分が捕まらないことが絶対条件です。
防犯システムや防犯カメラが有る所は、その危険性がぐんと上がるのは、泥棒ではなくても分かります。
逆に何の対策もしていない所は、泥棒でなくてもここは入られそうだ、危ないのでは?と感じるものです。
泥棒の事前の下見でターゲットに選べる不名誉を避けるのは防犯システム導入による狙われない・狙わせないという考え方です。
侵入者を検知して防犯ベルが鳴る、このような直接的な視覚・聴覚に訴える対策だけでなく、見えないところで、泥棒が知らず知らずのうちに避けるというのも大きな意味を持ちます。
投稿者: 総合防犯設備士 (2014年12月 5日 20:13)
橋の「名札」銘板約1300枚が盗まれる
福井、石川両県などで橋の名前などを記した真ちゅう製の銘板が多数盗まれる事件が相次ぎ、福井県警は17日、福井市大町、建設業の男(43)(別の窃盗罪で公判中)ら5人が、両県と富山、岐阜、滋賀の5県で、銘板計約1300枚(7800万円相当)を盗んでいたと発表しました。
福井県警の発表では、男らは今年4~6月の計409件の犯行を認めました。
被害は、福井で計989枚、石川で308枚、岐阜で19枚、富山で10枚、滋賀で5枚。
真ちゅうは銅と亜鉛の合金で、1キロ・グラムあたり400円前後で取引されているといい、金属買い取り会社に計約400万円で売るなどしていました。
銘板は構造や工事業者らの名前も記され、管理に必要な「名札」の役割があります。
ボルトやモルタルで固定されていたが、バールなどではがしたという。
<読売新聞11月18日(火)10時34分配信より>
橋の名札ともいうべき銘板が大量に盗まれる事件が多発しています。
福井・石川・富山・岐阜・滋賀の5件に渡っての犯行でした。
犯人グループは逮捕されましたが、金属窃盗の模倣犯として他の都道府県でもこれから発生する可能性があります。
被害総額は7800万円とありますが、実際、金属買い取り会社に売っていた金額は約400万円。
盗まれた枚数と売った枚数は異なるかもしれませんが、大きな差があります。
作るのにかかる費用は大きいですが、実際の価値はそれほど高くないということが分かります。
これは盗まれるなど被害に遭ったとき、盗まれる前の状態に戻すことの困難さを語っています。
屋外で不特定多数の人が24時間行き来する橋の銘版を守るための対策というのは具体的には難しいでしょう。
そのためだけにそこに防犯カメラを設置するわけにもいかないでしょうから、あとは有志による見回りや挨拶の励行などでしょうか。
犯罪が発生する町・地域というのはそれだけでもイメージが良くありません。
そこに住もうとする人、そこで仕事をしようとする企業など、人の誘致などにも影響します。
自治会などで地域全体の問題として捉え、再発防止策を講じるべきだと思います。
投稿者: 総合防犯設備士 (2014年12月 1日 19:43)