今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
理髪店で券売機を盗んだ男3人逮捕
東京・江戸川区で、理髪店に忍び込み、券売機を盗んだとして22歳の男が逮捕されました。
男は、仲間3人と合わせて170件のいわゆる「自動販売機荒らし」を繰り返していたとみられています。
男は去年9月、江戸川区の理髪店に侵入し、現金1万7000円の入った券売機50万円相当を盗んだ疑いが持たれています。
警視庁によりますと、男は仲間3人と去年4月以降、合わせて170件の自動販売機荒らしを繰り返していたとみられ、売上金や釣り銭など被害総額は200万円に上るということです。
取り調べに対し、男は「間違いありません」と容疑を認めています。
<テレビ朝日系(ANN) 2月18日(水)11時58分配信より>
自動販売機が荒らされ、釣り銭や商品が盗まれる手口は珍しくありませんが、券売機(自動販売機)自体が盗まれるという珍しい手口です。
今回の事件では、現金は1万7千円ほどしか入っていませんでしたが、券売機自体は50万円相当の価値があるということですから、そちらの被害の方が痛手です。
券売機(自動販売機)を自分で購入したオーナーにとっては大きな損失ですし、飲料メーカー等がリース契約で設置している場合もリース会社にとっては大変な問題です。(保険料の大幅アップ等にもつながります)
海外では、屋外に設置されている日本の自動販売機が大変珍しいようですが、そのことを知った外国人窃盗グループ等が日本で荒稼ぎをしているということもあるでしょう。
今後は、自動販売機自体の窃盗事件が多発し、その盗んだ機械をそのまま外国で活用、解体して部品を再利用するなど色々と考えられます。
良い表現ではないかもしれませんが、対日本人としての泥棒対策と、対外国人としての泥棒対策は分けて考える必要があるのかもしれません。
日本で常識とされることが外国人には通用しないということが多々あります。
投稿者: 総合防犯設備士 (2015年2月20日 20:15)
商品買わずに応募シールだけ持ち去ったら窃盗?
ネットで「日本三大祭り」の一つとも言われている「ヤマザキ春のパン祭り」が2月1日に始まりました。
食パンや菓子パンの袋に貼ってある「応募シール」を決められた点数分だけ集めて、専用のハガキに貼って送ると、皿などの食器がもらえるというキャンペーンです。
この応募シールについて、「スーパーに行ったら、一番高い点数が付いてるはずのパンのシールが、棚に並んでるすべての在庫に付いてなかった」とネットで報告している人がいました。
どうやら、パンを買わずに応募シールだけをはがしていく人がいるようです。
コンビニやスーパーで売られているパンを買わずに、袋からキャンペーンの応募シールだけをはがして持ち去る行為は、犯罪にあたるのでしょうか。寺林智栄弁護士に聞きました。
●窃盗罪だけでなく詐欺罪も
「パンを買わずに応募シールだけをはがす行為は『窃盗』に該当すると考えられます」
寺林弁護士はこのように語ります。なぜでしょうか。
「シールは、パンの袋から簡単にはがすことができ、しかも集めれば食器をもらえるため、それ自体がパンとは別な財産的価値を持つ『財物』といえます。
ですから、『財物を奪取する行為』ということができ、窃盗罪が成立するでしょう。
ただ、シールを集めただけでキャンペーンに応募しなかった場合は、シールの財産的価値は著しく低いため、刑罰は受けなくて済むかもしれません」
もし、はがしたシールを集めてキャンペーンに応募し、食器をもらった場合はどうでしょうか。
「窃盗罪だけでなく、詐欺罪にあたる可能性もあります。あたかもパンを買ってシールを集めたかのように装って、パン会社をだます行為といえるからです。
社会的な影響が大きいと捜査機関に判断された場合には、起訴されて処罰される可能性も否定できません。
『タダでもらえるお皿だから』と気軽な気持ちでシールをはがすのはやめましょう」
<弁護士ドットコム 2月8日(日)10時34分配信より>
商品についている応募シールを集めて景品を当てるキャンペーンは色々な商品で行われています。
おそらく、そのキャンペーン期間中は商品の売上金額がアップし、景品提供分の費用を差し引いても企業側にメリットがあるのでしょう。
私も日頃購入している飲料で定期的に行われるキャンペーンは毎回参加しています。
応募シールに書かれている番号をインターネットの専用サイトで検索し、景品を当てる内容ですが、シール欲しさにそれほど商品が欲しくない時でも、多めに購入してしまいます。
点数を集めて行うキャンペーンにはなかなか当たりませんが、○○点集めた人全員にプレゼントのキャンーペーンは、
とても分かりやすく一定以上集めたら必ず景品がもらえますからお得感があります。
スーパーなどで応募シールなどがはがされている、抜かれている商品を目にすることがありますが、
絶対にもらえるからこそ、集めなきゃ損という気持ちが道を外させてしまうのかもしれません。
今回の記事で弁護士の先生がコメントされているように、商品を購入せずにシールだけ抜く、はがすという行為は、窃盗や詐欺罪にあたる可能性が高いということが分かりました。
商品への異物混入事件が騒がれていますが、大切な商品にお客様や従業員以外の者が簡単に触れることができる、またそれが許されてしまうという環境はいけません。
人の目だけでなく機械の目、つまり防犯カメラによって厳しく監視する必要があります。
人は誰かに見られている間は、良からぬことをしないように気をつけます。
防犯カメラで映像を記録されている間は、その映像が犯行の証拠、犯人特定につながりますからなお効果が高いと言えます。
犯罪の抑止効果として防犯カメラ設置を活用しましょう。
投稿者: 総合防犯設備士 (2015年2月13日 17:10)
戦後3番目に少ない刑法犯 日本の治安は良くなったのか?
2014年に全国の警察が認知した刑法犯の件数が、警察庁のまとめで戦後3番目に少ない121万2240件(速報値)だったことが報じられました。
前年比7.8%減で、12年連続で減少しています。
認知件数は、1996年から2002年までは連続して戦後最多を更新していました。
しかし、2003年から減少に転じ、以来12年連続で減っています。
ピークだった2002年は369万3928件。それと比べると、2014年は約3分の1になった計算です。
殺人などの凶悪犯罪のニュースは毎日のように見かけますが、この数値から「治安が良くなった」と言うことはできるのでしょうか。
元警察官僚・警視庁刑事という経歴をもち、刑事政策にくわしい澤井康生弁護士に聞きました。
●大幅に減っているのは法定刑の軽い「窃盗犯」
「これらの数値から、ただちに『治安が良くなった』と一概にいえないと思います」
澤井弁護士はこのように述べます。数値上は犯罪が減っているが、なぜ、そう考えるのでしょうか。
「2013年と比較して減少した件数(10万1900件)の8割以上を占めているのは窃盗犯です。
窃盗犯には大きく分けて
(1)空き巣や金庫破りなどの『侵入盗』
(2)自転車やバイクなどを盗む『乗り物盗』
(3)ひったくり、すり、万引きなどの『非侵入盗』 があります。
たしかに、これらの窃盗犯は、ほぼすべての類型において認知件数が減少してます」
それでは、やはり犯罪は減って、治安がよくなっていると言えるのではないでしょうか。
「窃盗犯は、刑法犯の中では相対的に法定刑も軽く、詐欺などと比べると被害金額も少ないです。
どちらかというと軽微な犯罪といえるでしょう。
これに対して、暴行や傷害などの粗暴犯、強姦・強制わいせつの件数は、ほぼ横ばい状態です。
振り込め詐欺などの知能犯事件は、8%以上も増加しています。
殺人事件や放火事件も微増しています。
法定刑の高い生命・身体に対する犯罪類型は微増か横ばい状態で、減少はしていません。
また、窃盗よりも被害金額が高く、悪質な詐欺類型はかえって大幅に増加している状態です」
つまり、全体として見ると、治安が良くなったわけではないということでしょうか。
「全体的に見れば、犯罪認知件数自体は減少しているものの、実際に減少しているのは、被害金額も少なく法定刑の軽い窃盗類型にすぎません。
それ以外の法定刑の重たい犯罪類型は、ほぼ横ばい状態です。
被害金額の大きい詐欺や殺人にいたっては、かえって増加となっています。
ですので、今回の統計データからただちに治安が良くなったと一概にはいえないでしょう」
澤井弁護士はこのように分析していました。
<弁護士ドットコム 2月1日(日)12時15分配信より>
日々のニュースや新聞記事を見ていると、日本はとても安全な国とは思えません。
キレた未成年者による殺人事件や放火事件、外国人窃盗団による窃盗事件、犯行の様子を動画でSNSにアップする者、
確かに犯罪件数としては減っているかもしれませんが、犯罪の質は明らかに変化しています。
振り込め詐欺などの知能犯が増えているのも時代でしょうか。
体を動かしての犯罪ではなく、いかに頭を使って行うか、いかに自分のリスクを少なくして犯罪を行うかというところに変ってきているのかもしれません。
犯罪に対する対策も、一昔前なら効果があったもものが、数年経つと期待したほど効果を発揮できないケースがあります。
これは犯罪者の質、犯罪の手口が進化、進歩し、それに対策が追いついていないからです。
防犯対策も新しいものがどんどん出てきています。
我が家には○○がついているから大丈夫。
この○○も時代とともに効果が変わってきます。
防犯対策も一定の期間が過ぎれば、内容を見直し、新しいものに替える検討が必要ではないでしょうか。
投稿者: 総合防犯設備士 (2015年2月 4日 19:27)