今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
新たな侵入手口? 「腰板破り」で36件窃盗被害
大阪府南部を中心に店などに忍び込んで盗みを繰り返したとして33歳の男が逮捕されました。その手口は「腰板破り」というものでした。
「鍵を使って(ドアを)開けようと思ったら、ここに穴が開いているんです。直径10センチぐらいかな。うわっと思って、びっくりしました」(被害店舗の従業員)
「(ドアが)閉まっているけど穴があいている状態。びっくりですよね」
泉佐野市の周辺で相次ぐドアに穴が開いていたという証言。被害の写真を見ると確かに、ドアに何かでくり抜かれたような大きな穴が開いています。16日、窃盗などの罪で逮捕・起訴された、住居不定・無職の男(33)。
今年7月、泉佐野市の美容室に侵入し現金6000円を盗むなどした疑いがもたれています。
「男はお店の裏側にある勝手口のドアに穴を開けて、手を差し込み内側の鍵を回して盗む手口を繰り返していました」(記者リポート)
「ここから(手を)入れて(ドアを)開けようとしたけど、開かないからこっち側に大きく穴をあけて入ってきたと思う。怖いですね」(被害店舗の従業員)
勝手口は、比較的薄い素材が多く、そのドアノブ周辺を狙って刃物でくり抜き、鍵を開ける「腰板破り」。
同じ手口で盗みを繰り返していたとされる男。
警察によりますと、毎回終電で現場にやってきては夜通し犯行におよび始発で去っていたといい、警戒中の警察官が発見したときにも刃物を持っていました。
被害は今年5月下旬からの2か月間で合わせて36件、約200万円にのぼります。警察の調べに対し男は「生活費や遊ぶ金が欲しくて盗んだ」と容疑を認めているということです。
<11/16(木) 19:19配信 MBSニュースより>
「腰板破り」という聞き慣れない侵入手口です。
比較的薄い素材の多い勝手口を狙い、ドアノブ周辺を刃物でくり抜き、鍵を開けるというもののようです。
どのような工具を使ってかは分かりませんが、終電で現場にやって来て、そして始発で帰るということですから、比較的持ち運ぶことが簡単なものなのでしょう。
勝手口がある家や店舗で、ドアノブ周辺を刃物でくり抜くことができる素材に限られそうですが今後模倣犯が出てくる可能性があります。
一見脅威のように思えますが、扉が丈夫で施錠していれば被害を防ぐことができる可能性が高いという分かりやすい手口です。
狙われやすい扉を守れば侵入されないという分かりやすい構図です。
ワンドアツーロック等でも対策として効果が高いかもしれません。
侵入手口としては原始的で昔からあるものの改良版という感じですがそれほど高度なものには感じません。
扉に近づいたり敷地内に入る前に威嚇する防犯センサーや防犯カメラなどのさらに高度な対策でなくても防ぐことができそうです。
投稿者: 総合防犯設備士 (2017年12月29日 18:47)
空き家窃盗52件 1700万円の被害
播磨地域を中心に民家で盗みを繰り返したとして、兵庫県警捜査3課と姫路署などが窃盗などの疑いで、元リフォーム関連業者の男(32)=兵庫県福崎町=ら男5人を逮捕したことが16日、捜査関係者への取材で分かった。
起訴済みの5件を含め計52件、約1700万円相当の被害を裏付けたという。
捜査関係者によると、ほかの4人は20~30代で、男がリフォーム工事を請け負っていた住宅会社(姫路市)の元社員ら。
5人は共謀し、今年2月から約4カ月にわたり、姫路や加古川、たつの市などで民家の窓ガラスを割るなどして室内に侵入し、現金や貴金属、骨董(こっとう)品を盗んだ疑いが持たれている。いずれも容疑を認めているという。
男は「盗んだ品はリサイクル店で転売した」と供述しているという。
家財を残したまま住人が転居した民家が被害に遭っており、県警は男らが顧客録で家族構成などの情報を把握した上で、侵入した疑いがあるとみている。
男らは共謀し、姫路市内の民家から現金約77万円と指輪などを盗んだ疑いで6月に逮捕されていた。
<11/17(金) 10:18配信 神戸新聞NEXTより>
古い民家の倉庫に眠っていたガラクタがものすごいお宝だった!というテレビ番組で紹介されることがあります。
古いだけで価値はないと思っていた意外な物に驚くような価格がつくことがあります。
また、インターネットの普及で売買が国際的になり、日本ではそれほど価値がないと思われている物が海外では高い評価を得ていることもあります。
持ち主やその家族は価値に気付いていなくてもそれを狙っている犯罪者がいるということです。
もし盗まれても、ガラクタが盗まれただけで逆によかったなどと勘違いしているケースもあるかもしれません。
古い倉庫にしっかりとした防犯対策がされているところは少ないでしょう。せいぜい南京錠があるぐらいで、施錠すらしていないところもあるかもしれません。
また、田舎に行けば行くほど防犯意識が低く、泥棒の被害に遭うということを考えていない家も多いでしょうから泥棒にしてみれば狙い目です。
注意しなければならなないのは近所付き合いが密なところが多いですから不審者がうろうろしていたら、「あんた、誰だ?」とご近所さんから話しかけられる可能性が高いでしょうから昼間の犯行は難しいかもしれません。
ただ、日中、近くの畑等で作業している場合は、家の方が無人になる可能性が高くなりますからそこを狙われたら危険です。
古い倉庫や物置に古い物を保管されているところは、泥棒に狙われる前に整理するか、一度鑑定などしてもらえば、思わぬお宝が発見されるかもしれません。
投稿者: 総合防犯設備士 (2017年12月22日 11:05)
運送会社の社員 配達先で現金盗む
佐川急便の社員の男が配達先で、現金1万円を盗んだ疑いで逮捕されました。
佐川急便仙台営業所の社員の男(30)は今年9月、配達先の仙台市内のネイルサロンで、経営者の女性の財布に入っていた現金1万円を盗んだ疑いが持たれています。
男は容疑を認めて「同じ店で数回、盗んだ」と話しているということです。
警察は男が配達を装って店内に入り、同じ手口で窃盗をしていた可能性があるとみて調べています。
<11/7(火) 18:44配信 テレ朝 newsより>
アマゾンとヤマト運輸の荷物配達の件で、運賃値上げや社員の給料値上げに留まらず、他の運送会社の運賃値上げ等にまで影響を及ぼしていますが、佐川急便の社員が配達先で現金を盗んだという事件です。
荷物の配達時は別ですが、荷物の集荷時は集荷先の家や事務所、店舗の敷地内を自由に移動できることが多いと思います。関係者以外が立ち入れない場所まで集荷のために入ってくることを許している会社も多いと思います。
そこで知り得た情報は悪用しないというのが双方の暗黙の了解、お互いを信用してのことだと思います。
それが犯罪に発展してしまうと根本から崩れてしまいます。
運送会社にとってはかけがえない、簡単にお金に換えることができない信用や信頼を一気に失ってしまいます。
それは数万円、数十万円という被害額とは桁違いの損害となってしまいます。
そのことは運送会社側もしっかりと認識しなければなりません。その上で社員教育等を行うべきでしょう。
どのようなことがあっても依頼先の情報を漏らしてはいけない、金品を盗むなどもってのほか、ということを徹底させなければなりません。
投稿者: 総合防犯設備士 (2017年12月15日 14:07)
三重 トラックのバッテリー盗難1000件
トラックからバッテリーを盗んだとして、三重県警四日市南署は8日、住所不定、無職の男(63)を窃盗容疑で逮捕した。
容疑を認め「同様の窃盗を1000件ほどやった。転売して生活費に充てていた」との趣旨の供述をしているという。
逮捕容疑は10月10日午後~11日未明、同県東員町南大社の駐車場で、同県いなべ市の運送業男性(61)のトラックからバッテリー2個(計6万円相当)を盗んだとしている。
同署によると、三重県内では今年に入って車のバッテリー盗難被害が約100件確認されている。
男は2013年ごろから県内外で窃盗を重ねたと供述しているという。
<11/8(水) 20:39配信 毎日新聞より>
誰でも分かることですが、トラックをまるごと盗むよりもその一部であるバッテリーを盗む方が簡単です。
トラック1台を頑張って盗んでもその保管場所が大変です。
また、ナンバープレートを剥がさないとすぐに盗難者として見つかってしまいます。
移動中に警察官から質問されても困るでしょう。
つまり、リスクが非常に大きいということです。
警察の目から逃れられる大規模な保管場所や人員、道具等が充分にあるような組織的な犯行は別ですが、個人での犯行の場合は手に余ってしまいます。
それよりもバッテリーという一部を盗むことで、それが盗品だと特定も難しくなりますし、運搬や転売も容易になります。
一度の犯行で得られる対価は少なくなりますが、数をこなせばより得する可能性が高いと考える者もいるでしょう。
今後はトラック等の本体だけでなく、その一部分や部品等まで盗難されないように気をつける必要があります。
一部分や部品等から所有者が特定できるような仕組みの導入が広がると犯罪者にとっては犯行が行いやすくなるのですが・・・。
投稿者: 総合防犯設備士 (2017年12月 8日 19:03)
養殖施設のサケ170匹の腹を割き、イクラのみ盗む
24日午前8時35分頃、北海道岩内町野束のサケ・マスの養魚池飼育施設で、腹を割かれた大量のサケが捨てられているのを見回りに来た岩内郡漁協職員が見つけ、岩内署に通報した。
同署の発表によると、養殖用のいけすへ通じる水路わきの地面に約170匹のサケが捨てられ、腹から魚卵が取られていた。
同署は窃盗事件として調べているが、被害は約87キロ分(約69万円相当)に上るとみられる。
道によると、今年の道内の秋サケ漁は極端な不漁で、漁獲量(10日現在)は、平成に入って最低だった昨年の同時期をさらに30%余り下回っている。
このためイクラも品不足となり、高値が続いているという。
<10/25(水) 10:59配信 読売新聞より>
何とも残酷な手口です。
養殖施設のサケ170匹の腹を割き、魚卵(イクラ)のみを取り、親は捨てるという窃盗事件が発生しました。
盗んだサケをそのまま転売する、食べる目的で盗むというものならまだ分かりますが、一番価値の高いイクラ目的で、あとは不要だから捨てるという残忍さを感じます。
犯行現場のことを想像すると、一般的な窃盗事件よりも気分が悪くなります。
養殖施設にもよりますが、海に面している場合、陸地からの侵入だけでなく、海側からの侵入も警戒しなければなりません。
海の中に網やフェンス等を設置することもあるでしょうが、単に威嚇するだけで物理的な侵入を防ぐものにはなっていない場合もあるでしょう。
かと言って、不定期にパトロールするというもの限りがあります。
山や海、川などセンサーや防犯カメラなどの物理的な防犯システムを設置しにくい環境での防犯対策が今後の課題ではないでしょうか。
乱獲等で漁獲制限などが今後も増えてくるでしょう。
そうなると養殖という道がどんどん注目され、そして参入する企業も増えることでしょう。
より簡単に、より安価に、より効果のある対策が求められます。
投稿者: 総合防犯設備士 (2017年12月 1日 18:04)