今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
コンビニで年賀状1650枚盗む
高松市のコンビニで年賀はがきを1650枚盗んだとして、無職の男(24)が窃盗の疑いで逮捕されました。
窃盗の疑いで逮捕されたのは高松市桜町の無職の男です。
警察によりますと男は先月22日午後7時40分頃、高松市のコンビニで年賀はがき1650枚を買い物かごに入れて、かごを持ったまま店の外に出て盗んだ疑いです。
男は今月8日に同じオーナーが経営する別のコンビニに現れ、顔を覚えていたオーナーが声をかけたところ走って逃げたということです。
店に停めてあった男の自転車から、警察が身元を特定しました。
警察の調べに対し、男は、犯行を認めていて「売って金にしようと思った」などと話しています。
<1/10(水) 13:18配信 KSB瀬戸内海放送より>
実際の手口がよくわかりませんが、コンビニに年賀ハガキがそのまま陳列されてはいないと思います。
1650枚分のハガキを注文し、それをかごに入れてもらい、それを精算せずに逃げたということでしょうか。
普通に考えればコンビニで1650枚もの年賀ハガキを購入することは考えにくいでしょう。
個人でそんなにたくさんの年賀状を出す人が、わざわざ自分で買いに来るとは思えませんし、会社の場合、コンビニではなく郵便局で購入するでしょう。
個人で1650枚、その時点で非常に怪しいと感じるべきです。
最近、よく感じることは「鈍い」人が増えていることです。
好意や悪意などの感情を感じ取る力が弱くなっているのか、相手がどう考えているのか、不快に思っていないのかなど「察しよう」とする意識が低い人が増えているように思います。
普通は感じるだろう、この普通が変わってきているのでしょう。
誰にとっての普通なのか、何が一般的なのか。
この感覚は環境や時代に適応させていく必要がありますが、少なくとも鈍いと思われないように、常に感覚を鋭くさせていたいものです。
投稿者: 総合防犯設備士 (2018年1月31日 19:14)
愛知 個人宅から仏像などの美術品2740万円相当が盗難
愛知県警は29日、愛知県高浜市二池町4丁目の会社役員の男性(71)が自宅で所蔵していた、美術品の刀剣10本や仏像2体、象牙1本の計13点(時価総額2740万円)が何者かに盗まれる被害に遭ったと発表した。
1本約500万円の太刀も含まれていたといい、窃盗事件とみて調べている。
碧南署によると、男性が28日夜、掃除のため刀剣などを保管していた部屋に入ったところ、太刀4本、脇差し1本、短刀4本、やり1本の刀剣10本(時価総額2650万円)のほか、仏像などの所蔵品がなくなっていることに気付いたという。
11月4日には孫が部屋に所蔵品があったことを確認していた。
<2017/12/29(金) 16:46配信 朝日新聞デジタルより>
自宅の部屋に所蔵している刀剣や仏像などの美術品13点、時価2740万円相当が盗まれたという事件です。
男性の孫が11月4日には部屋にあったことを確認しており、その後12月28日に男性が気付くまでの約2ヶ月間のどこかで盗まれたということになります。
もし、この家に防犯カメラが設置され、映像が記録されていれば、その間に家族以外の不審者の出入があったかどうかを確認できます。
しかし、何も設置されていなければ、この2ヶ月間のどこかで盗まれたというのはあまりにも長く、警察による捜査も難航するのが予想されます。
まず、事件が発生した日を特定することが重要です。
2700万円もの美術品を置いているお宅ですから、それ相応の防犯対策は行っているのが自然ですが、お金持ちの人ほど自分が信じていないものに費用を掛けるのを嫌がります。
そういう気持ちでないとお金はたまらないのかもしれませんし、また、自分の家は大丈夫だろうという自信を持ってしまっている場合もあるでしょう。
本格的な防犯対策には百万円単位の費用が掛かります。
それを惜しんで2700万円もの被害を出してしまうのは、私のような金持ちではない人間から見ると、非常にもったいないように思います。
防犯対策をしていても泥棒に入られる可能性がゼロになることは決してありませんが、何もしていないよりも入られにくくなるのは間違いありません。
要は確率の問題です。
本当のお金持ちは、何にお金を掛けるべきかを分かっているような気がします。
投稿者: 総合防犯設備士 (2018年1月19日 18:23)
情報セキュリティでの多層防御
11月22日に朝日インタラクティブが開催したセキュリティセミナーより。
S&J 代表取締役社長による基調講演と、ヤマハ発動機の情報システム部門でCSIRTリーダーなどを務めたラックの方による特別講演の様子をお届けする。
「過剰なのに不十分なセキュリティ対策」
サイバー攻撃が大きな脅威になるなか、実効性のある対策をどう講じていくかが課題になってきた。標的型攻撃を見てもわかるように、最近のサイバー攻撃は水際で完全に防ぐという方法では太刀打ちできない。
そこで、推奨されるのが入口/出口/内部対策など多重・多層の対策で対抗するアプローチだ。ただ、多層防御は、セキュリティ製品の数が増えがちで、現場の運用負荷が高まる傾向がある。導入コストと運用コストがかさみ、そのうえ成果がでないことで現場は疲弊しがちだ。
基調講演に登壇した社長は、そうした現状に対し「多層防御が必要ですと言われるがままに、セキュリティ対策製品を追加購入し、『過剰なのに不足』という状況に陥っていませんか」と切り出した。
「入口/出口/内部対策はそれぞれやっているから大丈夫、ログを監視しているから感染してもすぐにみつかる、PCを隔離したから安心、CSIRTを作ったから万全──。これらはマルウェア対策の幻想です。重複した機能は不要なので、ムダのないよう配備しなければなりません。また、対策の効き目を理解し、効果と限界について理解することが重要です」(社長)
そこでポイントとなるのが、防御・検知・対処についてのバランスだ。現場ではしばしば防御を重視して、検知と対処が後回しになりがちだ。これらには時間とコストがかかるため、そこまで手が回らないという事情もある。その結果、全体のバランスが悪くなり、いったん侵入されると被害も深刻化しやすくなってしまうのだ。
多層防御から「バランス思考」のアプローチへの転換を
そこで、社長は「これまでの多層防御からバランス思考のアプローチへと転換する必要があります」と訴える。その際にキーになるのが、システム構成だ。システム構成には、インターネットへの接続方法と利用するデバイスによって大きく2つの構成がある。
1つは、FAT端末上からインターネットに直接する方法だ。メールやウェブを自由に使えるが、ウイルス対策やその対処は日常的に行う必要がある。もう1つは、仮想PCを経由してインターネットに接続する方法だ。インターネット分離とも呼ばれる。
「FAT端末でメールやウェブを自由に利用するシステム構成が、最もコストが高くセキュリティ強度を一定以上に高められない方法です。結果として、高度なセキュリティシステムや、SOC、訓練されたCSIRTが必須になってきます。これに対し、インターネット分離は、感染源のほとんどを占めるメール対策を効率よく行うことができます。対策の強度と検知・対処の時間を緩めることが可能です」
全端末をインターネット分離することはコストや利便性から現実的ではない。そこで、重要な部門だけを特定して実施する「部門インターネット分離」が有効な選択肢になる。経営上インパクトのある部門の安全を確保することで、CSIRTやSOCなどへの投資の絞り込むを進めることができる。
社長は、多層防御の課題やトレンドを解説しながら、ワームの脅威が高まり、単にCSIRTを作っただけでは機能しにくいことを警告。あらためて「多層防御のあり方、CSIRTの運用方法などを見直す時期です。インターネット分離や政府のガイドラインなどを参考にバランス思考の対策を実践してください」と訴えた。
<12/19(火) 7:30配信 ZDNet Japanより>
インターネット等の情報セキュリティの世界と、対泥棒がメインの防犯の世界は全く別ですが、考え方としては似ている部分は多くあります。
今回のレポートでは、多層防御が必要、有効だと言われるがままに対策したものの、現場では運用負荷が高まり、さらにコストもかさむことがあるという内容です。
情報セキュリティにおける専門的な内容は分かりませんが、入口/出口/内部対策や防御・検知・対処という考え方はよく分かります。
そして、セキュリティ対策が「過剰なのに不足」という表現にも注目です。
防犯の世界でも、色々な対策を複数導入することを推奨していますが、一つ一つの内容が重要です。
例えば、ホームセンターなどに売っている自分で取付可能な簡易な対策をいくつか取り入れ、万全の対策だと考えるのは危険かもしれません。
もちろん、有線式の高価なセンサーや防犯カメラを設置すれば万全かと聞かれればそうとは限りません。
つける位置や角度、台数など現場における具体的な効果も考えた上での対策でなければ意味がありません。
例えば、何も大切な物を置いていない部屋を重点的に守っても意味がありませんし、複数の防犯カメラで同じところを重複して映すのはもったいないです。
一つ一つの対策を最大限の効果を引き出し、それぞれの相乗効果を高めると費用対効果の高い、そして防犯力の高い環境となります。
投稿者: 総合防犯設備士 (2018年1月12日 18:30)
滋賀 銅31トン盗まれる 被害額2000万円以上
米原市内で、会社の倉庫に保管されていた銅約2170万円分が盗まれていたことが分りました。警察が注意を呼び掛けています。
米原警察署によりますと20日未明、米原市一色にあるリサイクル業の国城商店で、会社敷地内の倉庫にあった砂状の銅31トン、約2170万円相当が無くなっているのをこの会社の社長が見つけ警察に通報しました。
銅は1トンごとにドラム缶31本に入れて保管されていましたが、社長が最後に確認した先週土曜日の午後7時ごろから、異常センサーの通報により警備会社が駆け付けたきょう午前3時ごろまでの間に、重機などを使って運び出されたとみられています。
現在、警察では窃盗事件として捜査を進めるほか、同様の被害に遭わない様、同業者らに注意を呼び掛けるとしています。
<11/20(月) 19:33配信 BBCびわ湖放送より>
金属窃盗の被害は大なり小なり全国で発生していますが、今回の被害はその中でも相当大きなものではないでしょうか。
ドラム缶31本分の銅31トンが盗まれたというものです。
土曜日の午後7時から月曜日の午前3時までに被害が発生したようですが、重機を使ってのかなり大掛かりな犯行です。
東京オリンピックまで残り2年数ヶ月となり、さらに金属の価格高騰が予測されますので取扱業者は注意が必要です。
施錠された倉庫への保管、防犯センサーの設置、防犯カメラの設置など通常の防犯対策プラスアルファの対策も必要になるでしょう。
窃盗後の大掛かりな運搬作業を行っても周囲に気付かれない、不審がられない環境だとさらに対策の工夫が必要です。
投稿者: 総合防犯設備士 (2018年1月 5日 19:30)