今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
コンビニで500円の商品万引きした男に罰金50万円
名古屋市の54歳の男性職員が勤務中に立ち寄ったコンビニで汗ふきシートを万引きしたなどとして停職6か月の懲戒処分を受けました。
停職6か月の懲戒処分を受けたのは、名古屋市上下水道局北部管路センターに務める男性技師(54)です。
男性技師(54)は去年12月、勤務中に大治町のコンビニに立ち寄り500円ほどの汗拭きシートを万引きしたとして窃盗の疑いで逮捕・起訴され、罰金50万円の有罪判決を受けていました。
名古屋市の調査に対し男性技師は「無意識のうちにポケットに入ってしまった」と話していて以前にも雑誌などを2度にわたって万引きしていたということです。
上下水道局は「職員がお客様からの信頼を裏切る窃盗行為を行ったことについて深くお詫び申し上げます」とコメントしています。
<7/4(水) 19:04配信 東海テレビより>
500円の万引きに対して罰金50万円、結果として被害額の1,000倍の罰が与えられることになりました。
さらに停職6ヶ月ということで、(停職中は無給処分と考えて)給与として2~300万円分の損害を被ることにもなります。
500円の汗ふきシートのために割りの合わない犯行になってしまいました。
厳罰化を進めるだけでは犯罪件数は減少しないという意見もありますが、このような万引き事件をみると、こんな物を盗むことで大きな罰を受けるのなら盗むのはやめておこうと考える人が多いように思います。
盗んだ物やお金の何十倍、何百倍の罰金が自動的に設定されるとなると、お金に困っていない犯罪者の犯行は確実に減ると思います。
罰金を払うことができない貧しい犯罪者への抑止効果にはなりませんが、一部の犯罪者に効果があるのであればぜひ適用してほしいものです。
万引き事件等で最近の報道を見ていると、犯行動機が生活が厳しい、食べるのに困っての犯行というのではなく、お金を払うのが嫌だったとか、衝動的に欲しくなったというものが多いように思います。
罰則に関しても、生活が豊かになる前に定められたものもあるでしょうから、今の状況にそぐわない内容もあるでしょう。
犯罪の抑止力として最も大きいのが、警察に捕まりたくないという思いでしょう。
捕まることによって、仕事を失う、信用を失う、家族や友人に知られるというものでしょう。
そして重要なのがお金を損なうというものです。
ギャンブルで考えると分かりやすいと思います。
掛け金に対して、配当金があまりにも少ないと誰も掛ける気になりません。
捕まるリスクを掛け金とし、犯罪によって得られるであろう金品を配当金で考えると、掛け金があまりにも大きいと掛けが成立しなくなります。
罰金の増額は掛け金を増やすことと同じですから効果が高いように思います。
投稿者: 総合防犯設備士 (2018年7月27日 20:32)
長崎 獣害対策の電気柵など盗難続出
長崎県佐世保市内の農地で、獣害対策として設置された電気柵の電源や、農作業用の水揚げポンプの盗難が相次いでいることが18日、関係者への取材で分かった。
早岐署は6月に入り6件の被害を把握。窃盗の疑いで捜査している。
同署によると、6月1日から16日までに、電気柵の電源は桑木場町と針尾中町で3件、水揚げポンプは江上町や指方町で3件の盗難があった。このうち被害届が出ている4件の被害総額は約8万5千円相当に上るという。
JAながさき西海も、5月中旬からこれまでに桑木場町と針尾地区で7件の被害を確認。担当者によると、いずれも道路脇の見えやすい位置に設置していたという。
同署は「盗んだ狙いが機械そのものなのか、金属なのかについて捜査している」としている。JAの担当者は「こまめに見回りをしたり、なるべく目立たない場所に置いたりするなどの対策をしてほしい」と呼び掛けている。
<6/19(火) 11:10配信 長崎新聞>
被害者にとって「獣」だけでなく「人間」という敵が存在すると、その対策は二重の意味で難しくなります。
獣対策として設置した電気柵などを、人間が転売目的で盗む、これは被害者にとっては勝ち目のない厳しい戦いです。
設置した電気柵を守るための対策、赤外線センサーによる敷地内の監視や防犯カメラによる映像の監視など、さらに別の対策も必要というのはどうにも不思議な感じです。
将来的には防犯ロボットのような人間の警備員に代わる高性能な防犯対策も実現すると思いますが、高性能=高価ということが多いですから、そのロボットそのものが盗みのターゲットになる可能性もあります。
そのロボットにカメラを内蔵し、遠隔で確認できるようにするとか、GPSを内蔵し位置を検索できるようにするとか、最終的には自爆装置や機能停止装置を内蔵することにもなるかもしれません。
投稿者: 総合防犯設備士 (2018年7月19日 15:04)
茨城県 住宅侵入窃盗の犯罪率4年連続で全国ワースト
今年1月から4月末に茨城県内で確認された空き巣や忍び込みなど住宅侵入窃盗は638件に上り、人口10万人当たりの認知件数(犯罪率)は22.0件と全国平均(8.0件)の約3倍で、全国ワーストだったことが茨城県警のまとめで分かった。
同県警生活安全総務課によると、住宅侵入窃盗は昨年1年間で2147件で全国ワースト8位。
犯罪率は73.9件で、平成26年から4年連続のワーストだった。
今年4月末時点の件数は前年同期より31件増えており、同課は住宅侵入窃盗が特に増える夏に向けて施錠の徹底などを呼びかけている。
犯行の手口は、不在時を狙う空き巣が約7割を占めるが、就寝中に侵入する忍び込みも3割近くあり、同課は「住宅内で犯人と遭遇した場合、強盗殺人など命に関わる事件になりかねない」と警鐘を鳴らす。
25年から29年の統計によると、被害に遭った住宅は無施錠の窓や扉から侵入されたケースが最多で、特に夏季(6~9月)は5割を超えている。同課は「暑いので窓を開ける機会は増えると思うが、こまめに施錠することを忘れないでほしい」と注意を促し、「就寝の際も冷房などを上手に使って、窓を開けたままにしないように心がけてほしい」と呼びかけている。
都市防犯研究センターの報告書では「どれくらいの時間がかかれば侵入をあきらめるか」の問いに対し、「2~5分」と回答する窃盗犯が約5割、「2分」と答えたのが約2割となっており、「侵入口の防犯設備が『5分』耐えることができれば約7割の泥棒が侵入を諦める」としている。
同課の担当者は「無施錠の次に、窓ガラスなどを割っての侵入が多いので、鍵を2重にしたり、防犯フィルムで窓を強化したりして、侵入に時間がかかるように対策をしてほしい」と話し、夜間の対策には「センサーライトが比較的簡単に設置できて効果的だ」としている。
<6/14(木) 21:47配信 産経新聞より>
茨城県の住宅侵入窃盗における犯罪率は4年連続で全国ワーストということです。
茨城県の住宅で泥棒による被害が多いという印象はないのですが、人口や人口密度、ホームセキュリティ導入率の低さ、防犯カメラ設置台数の低さなどからすると、数字でも茨城県の悪さを現しているのかもしれません。
勝手な想像ですが、都会と田舎の中間地点のような場所が多く、泥棒にとっては犯行がしやすい環境になっているのかもしれません。
意外なことに無人の建物を狙う空き巣が7割に対して、就寝中に侵入する忍び込みも3割近くあることです。
記事の中でも触れられていますが、泥棒と家人が住宅内で鉢合わせる可能性があり、緊張状態にある泥棒が動揺した結果、強盗に変貌してしまう恐れがあるということです。
金品の損害は、保険による補償や被害者自身の負担によって元の状態に戻すことができる場合がありますが、家族の命を失った場合はそうはいきません。
もし自分が泥棒で侵入先の相手に見つかったら、騒がれないように持っている武器で傷付けてしまおうと考えるかもしれませんし、場合によっては口封じとして殺人を犯してしまうこともありえます。
また、自分の侵入の形跡を残さないように放火して証拠隠滅を図る可能性もあります。
当初の目的は単なる窃盗だったのが、罪に罪を重ね、結果として放火や殺人になってしまうこともあるでしょう。
犯罪者側にとっても不運ですが、本当に不運なのは何の罪もない被害者です。
犯罪者に自宅に侵入され金品を奪われる、そして場合によっては傷付けられる、殺される。
何も悪いことはしていないのにある日犯罪の被害者になってしまう。
このようなことは自分とは無関係と思う人がほとんどでしょうし、実際にほとんどの人がそうはならないと思います。
ただ、不運にもそのような事態に巻き込まれる可能性だけは多くの人に公平に持っています。
その可能性を減らすことにも防犯対策は役立ちます。
投稿者: 総合防犯設備士 (2018年7月12日 15:26)
スーパーで大量万引き92万円 医師夫婦病気と主張
夫婦で高級な服や酒を大量に万引きしたとして、窃盗罪に問われた大分県日田市の医師(35)、妻(29)両被告の判決が15日、福岡地裁であった。川瀬孝史裁判官は、医師に懲役1年6月(求刑・懲役2年6月)、妻に懲役1年6月、執行猶予3年(求刑・懲役2年)を言い渡した。
判決によると、両被告は共謀し、昨年9~10月、福岡市や福岡県久山町のスーパーなどで、高級なダウンジャケットや焼酎、牛肉など約30点(約92万円相当)を盗んだ。
両被告は公判で、起訴事実以外にも夫婦で多数の万引きをしたと認め、衝動的に窃盗を繰り返す精神疾患「クレプトマニア(窃盗症)」だと主張。
だが、高額の商品を狙っていることなどから、川瀬裁判官は必要性を感じて盗んでいたと判断し、「窃盗症が犯行に強く影響したとは言えない」と述べた。
<6/15(金) 12:20配信 読売新聞より>
クレプトマニア(窃盗症)という単語が出てくる記事を最近良く目にします。
昔有名だった女優やスポーツ選手が万引きで逮捕されたときには必ずこの単語が出てくるように思います。
また、高齢者や生活に困っていない人が万引きで逮捕されたときの記事でも目にします。
今回逮捕されたのは医師夫婦の万引き犯です。
お医者さんはお金持ちとは限りませんが、一般的なサラリーマンと比べると裕福な人が多いと思います。
今回の万引き医師夫婦がどうだったかは分かりませんが、高級なものばかり30点、計92万円相当もスーパーで盗み出した犯行手口を見ると、生活に困っての犯行というより個人の欲望を満たすための犯行としか思えません。
また、現在のクレプトマニア(窃盗症)の認知度を利用し、そして自身の医師としての知識をもとに嘘をついているように感じるのは私だけではないでしょう。
もし、本当に病気ならば刑務所ではなく病院での治療が必要ですし、病気だと偽っている者には厳罰を処するべきだと思います。
悪質な場合は実名での報道もすべきではないでしょうか。
今回の事件では名前が伏せられているのが不思議です。
今回の事件よりもっと罪が軽そうな事件で、容疑者が公務員という理由で実名報道されている場合もありますし、不公平な感じがします。
病気か嘘かこれを見抜く専門的な知識や経験が警察や検察、裁判所にも求められます。
今後、このようなケースも増えてくるでしょう。
投稿者: 総合防犯設備士 (2018年7月 6日 13:52)