今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
大阪 マンションの空き部屋用の鍵を使って空き巣繰り返す
マンション内に管理会社などが隠している空き部屋の鍵を悪用し、空き巣を繰り返したとして大阪府警吹田署と捜査3課は22日、窃盗と住居侵入の疑いで、大阪市中央区南久宝寺町の無職の男(28)を逮捕、送検したと発表した。
不動産関係者によると、マンションの空き部屋の鍵は、不動産仲介業者が客を案内するときに使えるように、建物内に隠しておくことがある。
同署によると、男はオートロックがないマンションを狙い、こうした空き部屋の鍵を探し出して室内に侵入。ベランダに出て隣室との仕切り板を破るなどし、入居者がいる部屋に侵入する手口で空き巣を繰り返していたという。
同署などは昨年8~10月、大阪府内で計25件(被害総額約557万円)の犯行を裏付けた。現金のほかゲームソフトなども盗み、換金していたという。容疑を認めており、5件の窃盗罪などですでに起訴されている。
<2/22(金) 20:29配信 産経新聞より>
侵入しようとする相手先の鍵を持っていなくても、隣が空き家の場合、不動産仲介業者が案内時に使用できるように隠している鍵を使って入り、ベランダから隣室に侵入するという手口です。
マンションの管理人等が常駐していないところではこのように不動産仲介業者のために現場に鍵を隠していることもありそうです。
空き部屋ですから盗られるような物は置いていないので仮に侵入されても被害はないという考えかもしれません。
ただ、恐ろしいのは侵入され、例えば防犯カメラや盗聴器のようなものを仕掛けられる可能性もありますから入居者にとっては非常に気持ちが悪い状況になりうる可能性があります。
慣習になっているのかもしれませんが、このように犯罪に悪用されるケースを見ると、早急に対策が必要だと思われます。
投稿者: 総合防犯設備士 (2019年3月29日 14:25)
「アポ電」での現金だまし取りに注意
東京のマンションで手足を縛られた80歳の女性の遺体が発見された強盗殺人事件。
事件では犯人が事前に女性の資産状況を尋ねる「アポ電」と呼ばれる電話をかけたとみられています。
鹿児島県内でもこの「アポ電」の後に現金やキャッシュカードがだまし取られる事件が発生していて警察は注意を呼びかけています。
先月28日、東京都のマンションで手足を縛られた80歳の女性の遺体が見つかり、警視庁は強盗殺人事件として捜査しています。
事件前の先月中旬ごろこの女性に資産状況を尋ねるいわゆる「アポ電」という電話がかかってきたことが分かっています。
このアポ電はうそ電話詐欺などで犯人グループが被害者をだましたり、資産状況を確認するためにかけることが多いとされていますが、県内でもこのアポ電のあとに犯人が家を訪れて窃盗事件や詐欺事件に発展したケースが去年は12件確認されているということです。
このうち去年12月、指宿市の80代の女性に「あなたの口座が凍結されたのでキャッシュカードを準備していてほしい」とアポ電が入り、その後、自宅を訪れた男にキャッシュカードを盗まれ、口座からおよそ1200万円が引き出される事件が発生しました。
東京の事件のように強盗や殺人事件に発展するケースは県内ではこれまで確認されていませんが、県警は訪れた犯人とトラブルなり凶悪事件に発展する可能性もあるとして個人情報を伝えないことや留守番電話を活用するなどアポ電に対する注意を呼びかけています。
<3/4(月) 17:50配信 KTS鹿児島テレビより>
東京で手足を縛られた高齢女性の強盗殺人事件で注目を浴びている「アポ電」による現金だまし取り事件。
犯人が逮捕されましたが、鹿児島でも発生しています。
まず、事前に相手の資産状況を電話で尋ね(アポ電)、その上でターゲットとしてふさわしいと判断した場合、現場を訪れ、キャッシュカードを盗むか、だまして預り、現金を引き出すという手口です。
犯人側が複数の場合は、相手が高齢者ということが分かっていれば手足を縛ることは容易にできると思います。
東京での事件も殺害目的ではなかったかもしれませんが、長時間縛られた状態が続くと体調は悪化し、死に至ることは想定できますから凶悪な手口と言えます。
資産状況が良いほど、多くの現金を奪うことができる可能性がありますから相手に顔を見られる、防犯カメラに映るというリスクは承知の上で犯行を実行する可能性があります。
アポ電の後、現場を訪問し、防犯カメラがついていることで犯行を断念してくれれば抑止効果が働いたことになりますが、何百万、何千万となるとそこは無視される可能性もあります。
緊急呼び出しボタンや侵入警戒センサー等で侵入者を威嚇するなど、もっと直接的な対策でなければ犯罪者を止めることが難しいのかもしれません。
投稿者: 総合防犯設備士 (2019年3月22日 09:19)
銀行強盗は割り合わない 年間26件と激減
国内の金融機関が被害に遭う強盗が過去最多だった平成13年の237件から、29年には26件と9分の1以下に激減していることが分かった。金融機関側の防犯態勢が整ってきたほか、検挙率が高いことも要因とみられ、犯罪心理に詳しい専門家は「割に合わない犯罪になっている」と指摘する。一方で特殊詐欺や電話で資産状況を聞き出してから襲う「アポ電強盗」など高齢者を狙った犯罪は増加傾向にあり、新たな対策が求められている。
警察庁のまとめによると、金融機関や郵便局を対象とした強盗事件はバブル崩壊後の不況で増加し、13年に237件の認知件数を記録した。土日や祝日などを除いた営業日でみると、ほぼ1日に1件の割合で発生していた計算になる。
しかし、14年以降はおおむね130~140件台、20年以降は2桁台となり、29年は26件まで減った。なかでも銀行強盗は7件で26年以降は10件以下にとどまっている。
要因として指摘されるのが、高性能な防犯カメラや非常通報装置の設置など金融機関側の防犯対策の強化だ。強盗犯の侵入を防ぐための板を受付に設けたり、特殊塗料入りのカラーボールを配備したりする金融機関も増え、事件を起こしにくくなっている。
高い検挙率も二の足を踏ませているとみられる。警察庁の統計では、金融機関強盗の検挙率は20~29年、各年76・9~96・3%で推移している。
大阪府警犯罪抑止戦略本部などによると、平成30年の同強盗は認知が3件、検挙2件。平成元年以降、ピークは13年で、28件の認知があった。
堺市堺区の郵便局では平成28年5月、男がカウンターの上に液体が入ったペットボトル1本と、「ガソリン持ってます。刃物持ってます」と書かれたメモを置いて女性局員を脅迫。男性局長が金庫から取り出した現金200万円を奪う事件が発生したが、同年7月に強盗容疑で当時41歳の男が逮捕されている。
京都府でも、22年に3件発生して以降は年間0~1件にとどまり、28年6月に京都市山科区で郵便局を狙った未遂事件が起きた後は発生していない。
犯罪心理に詳しい東京未来大学の出口保行教授は「リスクとコストの視点から考えれば、被害者と対面する強盗事件は検挙されるリスクが高く、重い刑罰を科される可能性があるなどコストも大きい。犯罪者目線で考えれば、現代では割に合わない犯罪といえる」と指摘する。
大手銀行も「いまも強盗対策は緊張感を持って取り組んでいるが、セキュリティーも高まり、数千万円、数億円が奪われる事件が起きていた時代は過去の話に感じる」(広報担当者)と話している。
■特殊詐欺に移行か
金融機関強盗の減少と入れ替わるように増加したのが、オレオレ詐欺などの特殊詐欺だ。警察庁のまとめでは、平成15年ごろから被害が目立ち初め、16年に認知件数は約2万5700件を記録。21~24年は1万件を下回ったものの、25年から再び1万件を超え、26年には被害総額が過去最悪となる約566億円に達した。
最近では、詐欺だけでなく高齢者宅に電話をかけて資産状況を聞き出したうえで直接、現金強奪に向かう「アポ電強盗」の手口も目立ち始めている。
大手銀行の担当者は「現在も強盗対策は重要だが、その5倍くらいの勢いで特殊詐欺対策が呼びかけられている」と強調。出口教授は「犯罪集団は時代の変化に合わせて行動している。現代ならではの犯罪に合わせた対策が必要だ」と指摘している。
<2/12(火) 12:30配信 産経新聞より>
どこの銀行や信用金庫に行っても受付にカラーボールの設置、非常用押しボタンがいくつも設置され、さらに多数の防犯カメラが設置されています。
特別大きな支店に限らず一般的な支店でもその3つは完備されています。
さらには警備員が常駐しているところもあり、また警察官が定期的か不定期か分かりませんが巡回しているところもあります。
多くの行員がいて、さらには多くの利用客がいる中で犯行を犯すのは非常にリスクがあります。
窓口で金を出せと凶器で脅したとしても、数百万円、数千万円の現金を出してくるとは思えません。
せいぜい強盗対策として用意している数十万円程度でしょう。
記事にあるように割に合わない犯行と言えます。
それよりも現金の運搬車等を狙う方が一攫千金という面でも可能性は広がります。
ただ、今後キャッシュレスが普及すると現金の流通量自体が減ると思われます。
現金を狙っての犯行自体が難しくなるということです。
仮想通貨やデータ上の金融資産を狙った犯行の方が犯罪業界においても有望なのは明らかです。
オレオレ詐欺などの特殊詐欺で被害者自らお金を振り込ませ、そのお金を回収する手口の方がスマートだと考える犯罪者が多いのでしょう。
犯罪の傾向や犯罪者の好む手口などは時代によって大きく変化します。
それぞれ柔軟に対応する必要があります。
投稿者: 総合防犯設備士 (2019年3月15日 10:22)
愛知、侵入窃盗被害12年連続ワースト免れる 埼玉が最多
愛知県警は12日、2018年1年間に把握した県内の侵入盗被害が4805件で、全都道府県で2番目に多かったと発表した。
組織的窃盗グループの摘発や防犯診断などの効果が表れ、前年より2045件(29.9%)減少した。17年まで11年連続だった全国ワーストを脱した。
警察庁によると、18年の侵入盗被害は埼玉県が全国最多の4973件で、愛知県は2位。住宅を対象とした侵入盗被害で見ると愛知県が全国最多の2736件で、千葉県が2665件と続いた。
愛知県は07年以降、侵入盗被害が全国最悪だった。経済力が高い地域で比較的裕福な層が多く、道路が整備されていて逃走しやすいことなどが要因とされる。
侵入盗は土地勘のある地域で繰り返される傾向があることからも、被害が多発していたとみられる。
愛知県警は18年、捜査3課を中心に、組織的窃盗グループの壊滅プロジェクトを推進して摘発に力を入れた。また、被害分析をした上で、着脱容易な防犯カメラ50台を運用し、侵入盗が多発しそうな地域に集中的に設置した。
さらに、事業所や住宅に警察署員が出向いて警報器の設置を促し、侵入されやすい死角や施錠を確認する防犯診断に力を入れた。
県警の刑事部長は「部署を超えた連携が侵入盗の容疑者摘発、発生件数減少につながった。防犯カメラの運用などで住宅対象の被害を減らしたい」と話した。
<2/12(火) 20:40配信 毎日新聞より>
愛知県が侵入窃盗被害のワーストから12年ぶりに脱出したというニュースです。
愛知県といえばトヨタ自動車の関係からか、経済力が高く同時に侵入窃盗事件が多いというイメージがありました。
後者のイメージはとても不名誉なもので県や地方自治体をあげての地道な活動(防犯診断などの啓蒙活動)が実を結び、前年より3割もの件数減少という成果が出ています。
県民の方も侵入窃盗事件が頻繁に発生しているからか身近な問題としてとらえ、防犯意識も高いのかもしれません。
愛知で活動していた泥棒が埼玉に移動したわけではないでしょうが、今度は新ワーストの埼玉の対応に注目が集まります。
外国の方に観光として訪問してもらうことが今後どの地域でも重要になりますが、侵入窃盗事件が多いというのは決して良いイメージを与えません。
訪日客を増やすためにも治安の回復は必須となります。
投稿者: 総合防犯設備士 (2019年3月 8日 11:00)