今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
不動産会社 金庫を床に固定で盗めなかった
去年4月に大阪市阿倍野区の不動産会社に侵入して金庫を盗もうとしたとして男女7人が逮捕されました。防犯カメラには犯行の一部始終が映し出されていました。
防犯カメラに映るマスクにニット帽姿の男たち。バールで何度もドアのガラスを叩きます。去年4月の深夜、男らは人のいない不動産会社に侵入すると階段を駆け上がり、机の下にある金庫を盗もうとしますが...金庫は固定されていて動かず結局、何も持ち出さずに事務所を後にしました。
警察は今年2月17日、この犯行に関わった疑いで男(47)ら17歳から47歳までの男女7人を窃盗未遂と建造物侵入などの容疑で逮捕したと発表しました。
警察によりますと、男らは覚醒剤の密売グループの一員だったということです。
(被害にあった不動産会社の社長)
「机の下に金庫を置いていて、持って行こうとしたんですけれど、床に金庫を固定をしているので持って行けなかった。」
この不動産会社は2019年6月にも空き巣被害にあい、現金約2500万円の入った金庫が盗まれたということで、警察が関連を捜査しています。
<2/17(水) 15:05配信MBSニュースより>
2年前に空き巣被害に遭い、現金2500万円の入った金庫が盗まれた不動産会社ですが、その後、防犯対策の一環として、床に金庫を固定していたことで今回の窃盗被害は免れたという事件です。
金庫の種類にもよるでしょうが、床に固定するなど、金庫を持ち運べないような対策は必ず行うべきでしょう。
金庫を販売している会社においても単に金庫を保管するだけでなく、現場の設置方法まで工夫を行い、盗み出されないような対策を行っていると思いますが、これが広がると金庫の防犯対策としての効果がアップすると思います。
また、最近の窃盗事件において、金庫ごと泥棒に盗み出され、金庫だけでは防犯対策として不充分かもしれないというイメージを持たれているかもしれませんが、単純に100キロを超えるような金庫に保管することでの防犯効果は高いと思います。
一番良いのは現金を事務所や店舗に置いたままにしておかないことです。
盗まれる、被害に遭う可能性のある現金が少ないに越したことはありません。
こまめに金融機関に預け入れするなど工夫が必要です。
投稿者: 総合防犯設備士 (2021年2月19日 18:18)
バーコードを貼り替えてセルフレジ決済 詐欺ではなく窃盗?
兵庫県のスーパーで焼き鳥などの値札のバーコードシールを別の安い商品のものと貼り替えるなどし、セルフレジで1036円の支払いを75円で済ませた男が逮捕された。詐欺罪ではなく、窃盗罪だった。なぜか――。
店員がいるレジなら?
この63歳の男は、これまでもこのスーパーで同様の貼り替えに及んでいたため、店側からマークされており、警察にも相談が行われていた。犯行日である2月9日も、来店に気づいた店の通報で警察官が駆けつけ、男の犯行を現認し、現行犯逮捕した。
この事件のポイントは、男が発覚を免れるため、あえてセルフレジを使っていた点だ。もし男が店員のいる通常のレジで会計を済ませていたら、バーコードを貼り替えた事実を隠して店員をだまし、正規の支払いを免れたことになるから、詐欺罪が成立する。
男のやり方が露骨すぎるので、さすがに店員も男の犯行を見破ったことだろうが、それでも詐欺未遂罪にはなる。
セルフレジだと?
これに対し、店員のいないセルフレジの場合、客が自ら機械を操作し、会計を行う仕組みだから、「人をだます」という要素がない。
刑法には、コンピュータシステムに虚偽の情報を与えて誤ったデータを作らせ、財産上の利益を得たといった従来型の詐欺罪では対応できないケースを処罰するため、電子計算機使用詐欺罪という犯罪がある。
卵1パックに半額シールを貼り替えてセルフレジを通過し、代金を半額にさせた83歳の女性がその罪名で逮捕された例もある。
窃盗罪を適用
しかし、セルフレジを悪用した事件の場合、実務では窃盗罪で逮捕、立件されるケースがほとんどだ。代金の支払いではなく、手に入れた商品そのものに着目し、店側が占有する商品を盗ったと評価するからだ。
しかも、一部の商品しかスキャンせずにセルフレジを通過する手口の併用も多い。現に男も、値引き後の総額の1割以下しか支払っていない模様であり、そのパターンではないかと思われる。
そうなると、支払ったふりをして全く支払いをせず、セルフレジを通過する万引き事件と同視できる。男も窃盗罪で逮捕されており、容疑を認めているところだ。
詐欺罪や電子計算機使用詐欺罪だと懲役刑しかないので、事実に間違いがなければ正式起訴して懲役刑を求めるか、起訴猶予にするしか選択肢がない。
しかし、窃盗罪には罰金刑もあるから、こうした事案に対し、略式起訴して罰金を支払わせるといった処分も可能となる。
店側は見ている
新型コロナウイルスの感染防止策として、セルフレジを整備し、客に積極的な利用を呼びかけるスーパーもあらわれている。
今回の事案から分かることは、値札のバーコードを貼り替えるといった不審な行動をとる客のことを店側がきちんとチェックしており、警察とも連携をとっているという点だ。
今回のように、被害額が1000円程度の事件でも逮捕されることがある。
バレていないだろうと高をくくり、安易に商品のバーコードを貼り替え、値段をごまかすようなことは絶対にやめておくべきだ。(了)
<前田恒彦 | 元特捜部主任検事 2/11(木) 12:09ツイートより>
商品のバーコードを貼り替えてセルフレジ決済で不当に安く手に入れるという行為は、詐欺ではなく窃盗に当たるということです。
詐欺罪の場合、懲役刑か起訴猶予しか選択肢がなく、罰金刑がないということです。
こういうことは法律の専門家でないと分からないところです。
また、バーコードを貼り替える際、商品が破損することもありますから、その場合は器物破損罪を問うこともできるかもしれません。
コンビニ等でもセルフレジの店舗が増えてきましたが、正直なところ、簡単に物を盗み出せそうな気がして不安になります。
将来的にはどこか店舗に入店する際は、入店者のマイナンバーカードが反応し、物を購入する際はカードと連動することでキャッシュレス決済ができるようになるかもしれません。(無人店舗で実験を行っていたテレビ番組を見ました)
キャッシュレスも浸透し、また、商品を盗み出すことも難しくなり、防犯対策にもなります。
犯罪者などがマイナンバーカードを所持せずに入店しようとしても入店制限し(扉をロックし)、物理的に入れなくしてしまう。
防犯面でも効果があり、また、警備員や従業員を減らすことにもつながります。
そのようなカードで国に管理、監視されることを嫌がる人もいるでしょうが、防犯カメラの時も同じですが、その代わりに犯罪件数は間違いなく減ると思いますので、その効果を考えると導入に納得する人も多くなると思います。
投稿者: 総合防犯設備士 (2021年2月12日 17:20)
店舗広い、店員少ないドラッグストアで集団万引き
2019年10月~20年8月に岐阜県内外のドラッグストアが被害に遭った集団万引き容疑事件で、県警はこれまでにベトナム人の男10人を逮捕、送検し、捜査の終結を発表した。県警によると、被害額は約1913万円に上る。ドラッグストアでの万引きは依然として発生しており、県警は警戒を呼び掛けている。
県警捜査3課によると、このうち岐阜市や愛知県犬山市などに住む24~36歳の9人は、ドラッグストアやホームセンターで化粧品や医薬品などを万引きしたとして窃盗容疑で逮捕。もう1人の埼玉県草加市の男(26)は、盗品を買い取ってベトナムに輸出していたとして、盗品等有償譲り受けと組織犯罪処罰法違反(犯罪収益収受)容疑で逮捕した。全員が起訴された。
大半は技能実習生として来日した後に仕事を辞め、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を通じて知り合った。同課は、実行役を大きく2グループに分ける。一つは、岐阜市内の同じアパートに住む3人を中心とした「岐阜グループ」。2~4人でドラッグストアへ行き、高価な商品を中心に万引きする役と、見張り役、駐車場で待機し円滑な逃走を助ける運転役などを分担。盗品はコンビニの宅配を使って草加市の男へ送り、男がベトナムへ輸出していたという。
もう一つは愛知県犬山市などに住む4人を中心とした「愛知犬山グループ」。手口は同様だが、このグループが品物を送った先について県警は「草加市の男とは別の人物だが解明できなかった」としている。
県警が裏付けた一連の被害は、11県で計106件。岐阜65件、滋賀10件、長野8件、埼玉・山口ともに6件、群馬4件――と続くが、岐阜が突出して多い。
男らは「ドラッグストアは店舗が広い割に店員が少なく狙いやすかった」と供述しているという。同課は「岐阜はドラッグストアの店舗数が多く、男らが言う『広くて店員が少ない』という傾向も顕著だから余計に狙われたのだろう」とみている。
◇昨年県内552件 犯罪率全国ワースト1位
県警生活安全総務課によると、県内で2020年に認知されたドラッグストアでの万引きは552件。被害総額は約5294万円、1件当たりの被害は9万5904円だった。全都道府県と比較できる同年の11月末までのデータでは認知件数がワースト7位、人口10万人あたりの認知件数に換算した「犯罪率」はワースト1位だ。
岐阜市北西部の又丸には、約700メートルの間に5店舗が並ぶ「ドラッグストア街道」と呼ばれる一本道があるなど、県内にドラッグストアは多い。同課などによると、18年時点で県内のドラッグストアは450店あり、人口10万人あたりの店舗数は全国1位。担当者は「店舗が多い分、万引きも多い。防犯訓練もしているが効果は残念ながら限定的。陳列する商品数を少なくしたり、店員を増やしたりする必要がある。今年は、各ドラッグストアチェーンの本社とも連携して対策を強化し、被害を減らしたい」と話している。
<2/3(水) 12:30配信毎日新聞より>
郊外で店舗が広く、そして従業員が少ないドラッグストアなどは泥棒にとっては格好のターゲットになるようです。
複数名で犯行を行えば、見張り役、実行役、運搬役など役割分担することで犯行の発覚を遅らせ、逃走しやくするなり、逮捕される可能性が軽減されます。
店舗内を従業員や警備員で監視、巡回するという防犯対策がありますが、常に四六時中監視することはできません。
特に従業員にとっては監視や巡回以外の業務、商品の補充や接客などが本来の仕事であり、そちらが忙しくなると監視などが疎かになってしまうのは仕方がありません。
また、警備員を常駐させるにしても複数名というのは人件費としてはかなり負担となります。
何よりも商品を盗まれないように見張る、監視する、巡回するという業務は損失を防ぐ可能性はあるにしても、利益を生み出す行為、業務ではないのが辛いところです。
方法を工夫し、頑張ることでより大きな利益や売上につながるのであればモチベーションになりますが、損失を減らすための業務というのはなかなか難しいものでしょう。
防犯対策は費用として割り切るのであれば、全て防犯カメラや万引き防止器などのシステム導入に変えてしまい、人件費を減らすということも考え方の一つです。
人の目による監視には限度がありますし、常に従業員が万引きを警戒している店内というのは決して雰囲気の良いところではないように思います。
投稿者: 総合防犯設備士 (2021年2月 5日 15:52)