今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
熊本 自転車盗難の8割以上が無施錠
熊本県警が4~6月に認知した「自転車盗」は前年同期と比べて7件減の179件。このうち8割超の144件が無施錠だった。
県警生活安全企画課は「駐輪する際は、短時間でも必ず鍵を掛けてほしい」と呼び掛けている。
発生場所別でみると、マンションやアパートが76件で最も多く、駅50件、駐輪場と商業施設が10件ずつと続いた。
アパート駐輪場では、施錠していた高級自転車(時価十数万円相当)が盗まれる被害も出ており、細心の注意が必要だ。
同課は「自転車本体の施錠に加え、柱などの固定物にくくって鍵を掛けると効果的」としている。
<7/14(水) 14:49配信 熊本日日新聞より>
熊本県内で発生した自転車盗難の8割以上が無施錠による被害だということが分かりました。
自転車盗だけでなく一般住宅や店舗においても無施錠による被害が相当数あることが推測されます。
無施錠時の侵入ほど犯罪者にとって楽な環境はありません。
無人で無施錠、そして防犯カメラや防犯センサーなどの対策が何もなければ、犯罪者の犯行を妨げるものは何もなく、自由に行動できてしまいます。
このような環境は、被害者が加害者(犯罪者)に無意識のうちに提供している可能性があることを認識しなければなりません。
金銭面で余裕のない人に高額な費用を掛けて防犯対策するように勧めるのはおかしな話ですが、最低限無施錠はやめましょうとアドバイスすることはできます。
無施錠をやめたからと言って犯罪者のターゲットから外れるとは限りませんが、施錠されているから別のところを探そうとする犯罪者がいるかもしれません。
少なくとも犯罪に遭う可能性は低減されるのは間違いありません。
まずは自分でできる身近な防犯対策から始めましょう。
投稿者: 総合防犯設備士 (2021年7月29日 15:15)
物干しをしている家の1階は無人 犯行時間は約1分!
住人が洗濯物を干している隙を狙って住宅に侵入し、金品を盗んだ疑いで、49歳の男が逮捕されました。
同様の窃盗を50件繰り返していたと見られます。
住所不定・無職の男(49)は5月20日、住居侵入と窃盗の疑いで逮捕されました。
警察によると容疑者は今年3月、大阪府藤井寺市内で高齢夫婦の住宅に侵入し、玄関横に置いていた現金4万4千円などが入ったリュックサックを盗んだ疑いが持たれています。
犯行当時、住宅には70代の女性がいましたが、夫をデイサービスに送り出して自身も病院に出かける前に、2階のベランダで洗濯物を干していたということで、1階の玄関のカギはかかっていませんでした。
近くの防犯カメラには、住宅の2階をのぞきながら物色を繰り返す容疑者の姿が映っていて、犯行時間は1分程度だったということです。
また、犯行直前には被害者宅の隣の家の表札を確認する様子も捉えられていましたが、警察によると、住民と鉢合わせした場合に、「自分の友人の隣の家と間違えた」と言い訳するために確認していたということです。
警察は、今年5月までの1年半の間に、大阪と兵庫県で合わせて50件、被害総額約300万円相当の犯行を裏付けたということです。
調べに対し、容疑者は「2階で物干しをしている時は、1階に住人がいない可能性が高い」「俺は1分で勝負する」などと供述していて、逮捕前、行方を追っていた捜査員の間で「物干し狙いのチュンスケ」と呼ばれていました。
<7/20(火) 17:33配信 関西テレビより>
2階で洗濯物などを干している場合、大抵1階は無人で、さらに玄関のカギが無施錠という家が多いことが分かります。
布団などを干す場合、家に人が居ると、確かに干しづらいような気もします。(布団を使って寝る人も考えられますから)
つまり、布団が干されている家があれば、干している人を除いて他に誰も居ない可能性が高いと言えます。
2階で干している場面を確認出来れば、1階は無人の為、泥棒にとっては絶好のチャンスです。
今回捕まった男の犯行時間は1分程度ということですから、2階で干す作業を1分で終えて1階に降りてくる可能性は極めて低くなります。
また、住民と鉢合わせした場合を想定し、隣の家の表札を事前に確認し、隣の友人の家と間違えたという理由も用意しているところに周到さを感じます。
日中で人が居る家は狙われにくいという心理状態の隙を狙った犯行と言えます。
投稿者: 総合防犯設備士 (2021年7月21日 14:50)
ラーメン店から24キロの券売機ごと盗まれる
神奈川県警相模原北署は13日、窃盗などの疑いで、大井町上大井、無職の男(46)を逮捕した。
逮捕容疑は、5月10日午後3時半~同12日午前8時ごろ、相模原市緑区西橋本3丁目のラーメン店の入り口ドアを壊して侵入、重さ約24キロの券売機(時価約20万円相当)ごと店外に持ち出し、内部の現金約2万5千円を盗んだ、としている。容疑を認めているという。
周辺の防犯カメラ映像などから男が浮上した。
<7/13(火) 19:41配信 カナロコ by 神奈川新聞より>
盗まれた券売機の中の現金は約2万5千円でしたが、破壊された入口ドア、券売機(時価20万円)も含めると大きな被害になります。
泥棒に盗まれるような現金は置いていない、という考えの人も多くいると思いますが、泥棒に入られて現金の盗難被害だけで済むことはほとんどありません。
侵入者にとっての障害となる扉や窓は破壊されますし、部屋の中は荒らされ、汚されることもあるでしょう。
今回の事件のように盗られたものより、壊されたものの方が被害が大きかったということは多々あります。
また、侵入盗難被害に遭った後、お店の場合はすぐに開店できるか、事務所の場合は通常業務を行えるか、そういった事態も想定した上での防犯対策を考えなければなりません。
投稿者: 総合防犯設備士 (2021年7月16日 16:20)
「真夜中の脚立男」逮捕
民家の軒先に脚立を立てかけて2階の窓から侵入し、現金を奪ったとして、大阪府警捜査1課と貝塚署は7日、強盗致傷などの疑いで、大阪府貝塚市堀のアルバイト、容疑者(28)を逮捕した。
「やっていない」と容疑を否認している。周辺では夜間に同様の手口で侵入する窃盗事件などが相次ぎ、捜査員の間で「真夜中の脚立男」と呼ばれていた。
逮捕容疑は2月12日午前4時10分ごろ、自宅近くの民家の軒先に脚立を立てかけて2階の出窓から侵入し、現金8千円などが入ったポーチを奪って逃走。
その際に住人の男性に発見され、転倒させる暴行を加えて左肘に軽傷を負わせたとしている。
同課によると、昨年11月下旬~今年2月下旬、容疑者の自宅周辺で、今回の事件を含め、脚立を使った窃盗事件など7件が起きている。
いずれも出窓から屋内に侵入されており、うち3件で脚立が残されていた。同課は、容疑者が現場周辺で脚立を盗み、犯行に使っていたとみている。
<7/7(水) 16:32配信 産経新聞より>
現場周辺で脚立を盗み、それを民家の軒先に立てかけ2階の窓から侵入するという手口です。
自分の脚立を現場に持ち運ぶと非常に目立ちますが、現場調達の場合、使用後、その場に捨てられるというメリットがあります。
脚立を見つけるのにまず苦労しそうな気がするのですが、大きな庭のある家なら脚立もあり、そこを狙って犯行を行うのでしょうか。
2階の出窓から侵入しているというのがポイントです。
1階の玄関入口や窓は施錠されている可能性が高いですが、2階の場合、換気のために開けっ放しという場合があります。
有人の場合でも、食事時に家族全員が1階に集まっている隙に、2階から侵入し寝室などから金品を盗み、そのまま2階から逃走するという手口も考えられます。
これから本格的に暑くなり、また現在のコロナ禍では換気が推奨されていますから余計に窓が開いている時間は多くなるでしょう。
今は、防犯対策よりもコロナ対策の方に関心が集まるのは仕方がありません。
しかし、それを悪用するのが犯罪者です。
彼らは様々な流行に着目し、犯罪に役立つ情報がないか、常にアンテナを張っています。
新しい手口が出てくるのもそのためです。
投稿者: 総合防犯設備士 (2021年7月 8日 14:23)
ネットカフェの危ない使われ方
埼玉県さいたま市のインターネットカフェ「マンボープラス大宮西口店」で客の男が女性従業員を監禁した事件が起きた。男が立てこもったのは「鍵付き個室」。インターホン越しに捜査員の説得が続き、女性が救出されたのは事件発生から30時間以上たった翌日深夜だった。
多様化するネットカフェの使われ方
この事件であらためて注目されたのは「鍵付き完全個室」という形態。
窓もなく、天井部も開いていない。インターホン越しでないと声も聞こえない完全個室がネットカフェに必要なのだろうか。
「ここ数年は鍵付き個室はネットカフェの定番になっています。個室ブースに飲食の持ち込みをしなければ違法ではありません。
'18年には《女性おひとり様も安心》とうたった全席鍵付き個室が売りの『ネットカフェDiCE(ダイス)』が登場。シャワールームやパウダールームを完備し、若い女性やカップルを中心に人気を集めています」(全国紙記者)
コロナ禍でリモートワークをする人が増えて、ネットカフェは、ワーキングスペースとしての選択肢のひとつにもなっている。
一方で、その完全個室を利用して、アダルト目的に使用する人が増えているというのが実態だ。
「カップルがホテル代わりにするのはもちろん、パパ活に利用されたり、アダルトチャットの配信に使われたりとさまざまな用途で活用されているのです」(同)
実際に使ってる人の話を聞いた。
九州から就職活動のために上京した、大学4年生のさやかさん(仮名・22)。東京に何度も来る必要があるため、宿泊費を浮かせる一手段だ。
「宿泊費を節約するために出会いカフェかネットカフェを使います。出会いカフェの場合、同じ空間にほかの人もいますが、女性の利用は無料です。男性客と話をしなければいけませんが、パパ活をして、一緒にホテルに泊まることもありますし、ネットカフェで行為に及ぶこともあります」
だが、就活で上京しているため、休息したいときもある。
「疲れてしまって、知らない人と話をしたくないときもあります。そんなときはネットカフェを利用します。防音の部屋もあり、女性専用のスペースやパウダールームがついているとより安心できます」
"泊まる"目的の利用者も多いが、旅館業法上は、「宿泊」となると、届け出なければならない。店側は「寝具」を提供しないことで法に反しないようにしている。
<6/29(火) 11:01配信 週刊女性PRIMEより>
ネットカフェに泊まる目的で利用する人は多いと思っていましたが、宿泊目的になると旅館業法上届出が必要になるため、店側が寝具を提供しないことで違法にならないようにしていることに驚きました。
寝具を提供していないから宿泊はしていない、寝る人はその人が勝手に寝ているだけという建前でしょうか。
記事を見ていると確かに利用者の目的によっては、犯罪に近い内容、明らかに犯罪の内容もあり、実態はかなり複雑なことが分かります。
私は利用したことがないので詳しいことは分かりませんが、もし金銭的に苦しい状況などではホテルなどの宿泊施設を利用するよりも割安で、なおかつ手軽に利用できるでしょうから重宝するはずです。
先日の立てこもり事件でも話題になりましたが、鍵付き完全個室という形態は、利用者のプライバシーを守るためにも便利だとは思いますが、外からは中で何をやっているか分からないという不安、犯罪につながる可能性も否定はできません。
例えば、極端な事例ですが、誘拐犯が監禁目的で利用する可能性もありますから今後何らかの対策は必要かもしれません。
店内への入退出の履歴を防犯カメラなどで管理するなど、店内に入る人、部屋に入る人、部屋から出る人、店の外に出る人、それらをきちんと管理する必要があるかもしれませんし、記録として残せれば後で役立ちます。
このままではネットカフェ=犯罪の温床、犯罪に巻き込まれる可能性があるという悪いイメージにつながると、利用者が減り、衰退してしまう恐れがあります。
一般的な利用者は、疲れや癒し目的で健全に利用します。
防犯対策も含めて安全なことがPRできれば、より安心して使うことができるようになります。
投稿者: 総合防犯設備士 (2021年7月 2日 16:20)