今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
容疑者の平均年齢は86歳! そのうち2人は兄弟のスリグループ逮捕
今年4月、愛媛県八幡浜市の商業施設で女性のエコバッグから財布を盗んだとして、80代の兄弟ら男3人が窃盗の疑いで逮捕されました。
3人はスリのグループと見られていて、警察が余罪を調べています。
逮捕されたのは、松山市中村の無職容疑者(87)と弟の容疑者(83)、それに容疑者の知人で、住所不定無職の容疑者(89)の3人です。
調べによりますと3人は共謀し、今年4月八幡浜市内の商業施設で、買い物をしていた77歳の女性のエコバッグから現金およそ1万6000円が入った財布を抜き取った疑いが持たれています。
調べに対し、容疑者は「覚えていない」と供述し、他の2人も「身に覚えがない」などといずれも容疑を否認しているということです。
3人はスリのグループと見られていて、警察は余罪についても捜査しています。
<6/8(水) 15:56配信 あいテレビより>
最初、この記事を目にしたとき、容疑者の年齢に驚きました。
平均86歳の容疑者、「被害者」の間違いではないかと思いましたが、そうではなく、しかも3人のうち2人は兄弟というスリグループでした。
86歳の老人たちにスリのような俊敏な犯罪を行うことができるのだろうかと疑問に感じ、そして、不謹慎にも元気な老人だなぁと思ったのが最初の感想です。
今回被害に遭われた女性、そしてこれまでに被害に遭われた方には落ち度も責任もなく、大変お気の毒だと思うのですが、平均86歳の高齢者3人がスリという犯罪を犯す背景が気になりました。
単にスリルを楽しむために犯罪を行っていたのか、もしくは根っからの泥棒なのか、動機などは不明ですが、もし、生活するためにやむを得ず犯罪を行っていたのであれば、同情すべき点(年齢的な面だけを考えると就労は難しい)もありますし、彼らを責めるだけでは根本的な問題解決にはならないような気がします。
もしかすると年金受給や生活保護、借金返済など、福祉や厚生面など社会的な問題を抱えている可能性もあります。
彼らを罰することは簡単で単純ですが、その裏にある別の問題に気付くことができるチャンスとは考えられないでしょうか。
投稿者: 総合防犯設備士 (2022年6月24日 10:30)
民家で大金保管しても大丈夫? 自宅保管のデメリットとは・・・
福島市の民家から現金約5000万円を盗んだとして、福島署は2日午前10時ごろ、邸宅侵入と盗みの疑いで福島市永井川字北谷地、無職の男(28)=別の窃盗などの罪で起訴=を再逮捕した。
再逮捕容疑は2月9日午後7時から同月23日午後4時ごろまでの間、60代男性が管理する同市の民家に侵入し、現金約5000万円とキャリーバッグ1個(30万円相当)を盗んだ疑い。
同署は3月、市内で現金約137万円を盗んだなどとして盗みなどの疑いで男を逮捕し、自宅を捜索した。
同署によると捜索の際、この金額を大きく超える多額の現金が室内から見つかった。多額の現金について調べたところ、男が盗んだことを認めたという。
被害を受けた男性は2月、現金とキャリーバッグが盗まれたことを同署に届け出ていた。民家に人は住んでおらず、鍵はかかっていたという。同署は民家に侵入した経緯や手段などを調べている。
<6/3(金) 10:39配信 福島民友新聞より>
銀行などの金融機関を思い浮かべてみて下さい。
防犯カメラはあらゆる箇所の映像が記録できるように多数設置されており、現金は厳重な金庫の中に保管し、限られた人しか中に入ることができないでしょう。(金庫室の入退出の履歴を記録しているところもあります)
一方、民家などの自宅に保管している現金(タンス預金も含めて)は果たして安全と言えるでしょうか?
金庫に保管している、防犯カメラを設置している、防犯システムを設置している、常に有人だから泥棒には入られない、火災保険に入っている、安全だと主張する人は以上のように答えることが多いと思います。
しかし、銀行と比べると、明らかに防犯面で劣っていると感じるのは私だけではないと思います。
どちらが安全かと聞かれたら、答えは言うまでもありません。
銀行に預けても利息が(ほとんど)ない、都度預けて引き出すのが面倒だ、金融機関が破綻したら預けていた現金は戻ってこない、金融機関に預けるデメリットを挙げる人は以上のように答えることが多いと思います。
しかし、自宅に保管する場合のデメリット(リスク)は多数存在します。
◯ 金庫に保管していても金庫ごと盗まれる事件が発生しています(何百キロの重さのある金庫をどうやって持ち出したのか、毎回驚きます!)
◯ 自宅に置いていても、当然ですが利息は全く増えません(ゼロです)
◯ 外出している時間帯に盗まれる心配や火事に遭う不安を考えたら、手間のことは些事に過ぎません
◯ 1千万円以上預金する方は、利息のつかない「決済用預金(無利息型普通預金)」にすれば、万が一金融機関が破綻しても預金保険制度により全額保護されます(預金保険制度とは)
◯ 現金のために保険に入っているなら不要になる(もしくは保険料が安いプランに変えられる)
別に私は銀行からお金をもらってこのような記事を書いている訳でもありませんし、100%完全に信用している訳でもありませんが、自宅に保管することに比べればはるかに安全で安心だと考えているだけです。
民家から何百万円、何千万円という現金が盗まれるニュースを目にするたびに、なぜ自宅に保管しているのだろう?という疑問が生じます。
もし、私が5000万円もの現金を所持していたら、絶対に銀行へ預けます。
自宅になんか置いてはおけません。
(預金通帳、印鑑、カードの盗難は常に心配しそうな気がしますが・・・)
投稿者: 総合防犯設備士 (2022年6月17日 14:54)
犯カメラの過信は禁物? 傘で顔隠したバイク泥棒
兵庫県姫路市にある集合住宅の駐輪場に設置された防犯カメラの映像です。
27日の深夜、黒いバイクが運ばれていきます。"バイク泥棒"です。バイクを盗まれた男性は、この映像を見て、"ある違和感"を覚えたといいます。
被害に遭った男性:「雨が降っていないのに、傘を差して」
映像を確認すると、駐輪場にやってきた2人組は、1本の傘に体を寄せ合っています。しかし、この時、雨は降っていませんでした。
被害に遭った男性:「不自然ですね、明らかに。うまいこと、カメラでは見えないんですよ。首より下は見えているんですけど、本当にうまいこと、顔だけが隠れていて、傘で。だから、これはプロだな、みたいな感じでしたね」
バイクを盗んだ2人組は、事前に駐輪場を下見して、防犯カメラの位置を確認したうえで、傘で顔が隠れるように、犯行に及んだ可能性があるといいます。
被害に遭った男性:「正直、防犯カメラがあるというのが、めちゃ心強かったので。(カメラを)過信しすぎていました」
盗まれたバイクは、1990年代に人気を博し、現在は生産されていないモデルだといいます。
被害に遭った男性:「とりあえず、僕のバイクを返してほしいですね」
男性は、警察に被害届を提出したということです。
(「グッド!モーニング」2022年6月3日放送分より)
<6/3(金) 12:22配信 テレビ朝日系(ANN)より>
現場に設置されている防犯カメラの台数や取付位置、角度などによってカメラに死角が生じてしまい、大事な場面が撮れていないということがあります。
今回のバイク泥棒は、事前に現場の下見を行い、防犯カメラの位置を確認し、自分たちの顔が映らない角度も考えた上で、犯行当日傘で顔を隠しています。
出来るだけ死角をつくらないように防犯カメラを設置するには、相当の台数が必要になります。
基本は、最も重要な箇所、一番守りたい物が映る箇所に設置します。
せっかく大金を掛けて防犯カメラを設置しても、適切な位置ではないと、最高のパフォーマンスを発揮できません。
この辺りの知識や経験が豊富な防犯設備士、総合防犯設備士の資格を持った防犯のプロ(セキュリティハウス)に任せましょう。
防犯カメラが設置されていると、安心する人も多いと思います。
逆に一般市民の敵である犯罪者にとっては、やっかいで邪魔な存在です。
ただ、犯罪を100%防ぐことができるとは限りませんから、防犯カメラを過信するのは禁物でしょう。
犯罪者によっては、防犯カメラに自分の顔や姿が映ることも承知の上で犯行を行う者もいます。
例えば、宝石貴金属や大金を盗むことができる可能性が高い場合、多少のリスクは仕方がないと判断することもあります。
しかし、防犯カメラが設置されているだけで犯罪の抑止力となり、その場での犯罪が未然に防がれているケースもあるでしょうから、効果がないとは言えません。
防犯カメラに加えて、侵入者を検知するようなセンサーや警報システムの設置、さらにはボランティアや職員、警備員などの巡回やパトロールなどを行うと、犯罪者にとっては非常に犯行を行いにくい環境となります。
逆に自分が犯罪者になった場合として考えると、非常に分かりやすいのではないかと思います。
投稿者: 総合防犯設備士 (2022年6月10日 09:00)
キャッシュカード 自宅に訪問して預かることはあるの?
千葉県松戸市の無職女性(82)からキャッシュカードをだまし取り、ATMで計40万円を引き出したとして、松戸東署は24日、詐欺と窃盗の疑いで神奈川県横須賀市の男子高校生(19)を逮捕した。
逮捕容疑は仲間と共謀し昨年11月5~6日、市職員や銀行員をかたり女性宅に電話をかけ「払い戻しがある」「古いキャッシュカードを取りに行かせる」とうそをつき、容疑者が女性宅に出向いてカード1枚を詐取した上、県内外のATM2カ所で計40万円を窃取した疑い。
同署によると、出金記録を不審に思った銀行が女性に連絡。
通報を受けた署が防犯カメラ映像などから容疑者を特定した。
同署は捜査に支障があるとして認否を明らかにしていない。
<5/25(水) 11:53配信 千葉日報オンラインより>
当ブログでも何度か取り上げている、高齢者からキャッシュカードをだまし取り現金を引き出す手口です。
しかし、市や県の職員、郵便局員、銀行員、警察官などが自宅を訪問し、キャッシュカードの提出を求めることが実際にあるのでしょうか?
こちらが訪問した銀行の窓口で手続きのために渡すことはあるかもしれませんが、それ以外の場所でキャッシュカードのみを預かって一旦銀行へ持ち帰り、本人不在のまま手続きを行うことなどまずないでしょう。
それでも詐欺師や泥棒は、今回が特別なケースだと言葉巧みに説明してキャッシュカードを出させようとし、そして本人確認のために暗証番号を聞き出そうとするのでしょう。
この事実、情報をもっと多くの人に知ってもらうための取り組みをすべきでしょう。
テレビなどで詐欺事件の報道を行う際、単に事件として報道するだけでなく、加害者のように自宅に訪問してカードを預かることはありません、とキャスターや字幕等で注意喚起すべきです。
そのことによって、もし自分が同じような体験をしたら、相手は自分をだまそうとしている、詐欺かもしれない、怪しいと感じることにつながるかもしれません。
また、怪しいとは思っても相手を言葉で納得させることが難しいと感じたら、その場での即答は避け、家族や友人など信頼できる相手に相談してから回答する決まりを作り、そのように癖づけるなどの工夫が必要です。
(お年寄りを犯罪から守る)
問題なのは相談できる相手が居ない場合です。
そういったケースも考えて、公的な福祉介護サービスがサポートする仕組みや体制を作るべきでしょう。
そのためには人材も予算も必要になります。
このようなことのために、我々が預けている大切な税金を使用してもらいたいものです。
そして、被害に遭わないためには、日頃から情報収集し、新しい情報と古い情報、正しい情報と誤った情報を判断できる力を培うための努力が必要です。
投稿者: 総合防犯設備士 (2022年6月 3日 10:45)
