今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
詐欺師に求められる演技力 老女の「出し子」の需要
特殊詐欺の手口で盗まれた預金通帳を使って、現金200万円を引き出したとみられる「出し子」の女が逮捕された。この女の年齢は70歳だった。
郵便受けに預金通帳を・・・
この事件の被害者は、東京・江戸川区に住む80代の女性。6月14日、女性宅に、銀行職員を名乗る男から電話があったとのこと。
「通帳を交換する必要がある」という趣旨の内容だったそうだ。女性は、男の言われるがままに、自宅の郵便受けに預金通帳を入れた。その通帳は、何者かが持ち去り、盗んでいったとみられる。
その後、"銀行"から連絡が来ないことを不審に思った女性が、息子に事情を打ち明けて、事件が発覚。最寄りの警視庁小松川署に相談が寄せられたのは、詐欺電話があってから4日後の6月18日だった。
詐欺被害の"通帳"から200万円引き出される
実は、その後、この通報を使って、合わせて4回、現金が引き出されていた。
詳細は以下の通り・・・(1)6月15日・神奈川県のATMで50万円、(2)(3)6月16日~17日・神戸市の同じ郵便局ATMで2回・合わせて100万円、(4)6月18日・大阪市の郵便局ATMで50万円。
そして、6月19日、5回目の"引き出し"が行われようとした際に、ついに不正利用が発覚した。
前日の18日、女性が被害相談したことで、金融機関に連絡が回った結果だろう。
現場は神戸市内の郵便局。ATMに通帳が入れられた途端、金融機関側が不正を察知。通報を受けた兵庫県警の警察官が、現場の郵便局に向かうも、すでに容疑者は逃走した後だった。
ただ、防犯カメラの映像分析などから、すぐに容疑者は特定された。それが容疑者(70)だった。容疑者は、6月30日に逮捕された。
容疑は、前記(2)(3)の現金100万円を引き出した窃盗容疑だ。
「詐欺被害者の通帳だとは思わなかった」
今崎容疑者は、神戸市東灘区在住。被害者の女性が住む東京・江戸川区からは、かなり距離がある。どのような経緯で、通帳が、容疑者の手に渡ったのか。それは分かっていない。しかし警視庁は、(2)(3)の他に、前記(1)(4)についても、今崎容疑者の犯行とみている。
(1)の現場は、神奈川県内の郵便局だ。今崎容疑者は、盗み出された通帳を持って、関東から関西に戻り、犯行を重ねたのだろうか。調べに対して容疑者は「他人名義の通帳から、2日間かけ、現金100万円を引き出した事実に間違いありません」と供述。
しかし、「通帳が特殊詐欺の被害者のものだとは思わなかった」「知人の男から、通帳を使って現金を引き出して欲しいと頼まれた」などと話しているという。一部、容疑を否認ということだ。小松川署は、知人の男を探すとともに、通帳入手の詳しい経緯を捜査している。
<7/3(日) 11:01配信 FNNプライムオンラインより>
詐欺被害者からだまし取った通帳・印鑑があれば、金融機関の窓口で現金を引き出せます。(高額の場合は本人確認のために免許証等の提示を求められることも)
キャッシュカードのみで、暗証番号が分かっていれば、ATMで現金を引き出せます。(1日の利用限度額があるが、数回に分ければ何百万円が引き出せる)
いずれにしても、名義人本人とかけ離れた年齢の者や異なる性別の者が行う場合、不審に思われる可能性が高くなります。
名義人本人に近い年齢の者の場合、疑われることなく自然に引き出すことができる可能性が高まり、そこに老女の「出し子」としての需要があるのでしょうか。
男性、女性、そして若い人から高齢者まで幅広く年齢別の犯罪者を揃えておけば、本人に成り代わって窓口やATMで現金を引き出しやすくなります。
大規模な詐欺グループの場合、出し子も様々な年齢の者を事前に準備し、都度対応することができるかもしれません。
さらに外国人の要員も準備しておくことで、様々な国や地域での犯行(不正引き出し)が可能になります。
詐欺師も役者(俳優)と同じように、役を演じて相手を騙す、高い演技力が求められます。
ストーリーや演出にもよりますが、若い役者だけの芝居より、様々な年齢の役者のいる芝居の方が面白さ、深みのあることが多いでしょう。
様々な年齢の詐欺師を用意する、芸能界で言う大手事務所のような詐欺グループだけが生き残れる時代が来るかもしれません。
最近でも詐欺師グループのコメディー映画がヒットしましたが、被害者は自分が主役で出演しているドラマのように、劇的な展開から騙されてしまうストーリーもあり、犯罪においても同じなのかもしれません。
詐欺グループの大掛かりな犯行に巻き込まれると、騙されないことの方が難しくなるかもしれません。
一般の人がそこまでの犯罪に巻き込まれる可能性は低いですが、大金持ち、有名人は、犯罪グループのターゲットにもなり易いため、一般の人より注意が必要です。(防犯ブログ カテゴリー「詐欺」)
投稿者: 総合防犯設備士 (2022年8月26日 09:17)
時間泥棒 他人の時間を奪っていませんか?
日本の鉄道は時間に正確だと言われる。駅員が遅刻をしてしまったらどうなるのか。元JR職員の男性は「鉄道業界では、安全以上に時間管理が厳しく求められている。私は8分遅刻をした結果、ほぼ全員が合格する昇進試験に落ちてしまった」という――。
■駅の仕事で一番大切なこと
駅に配属になった初日。助役からこんな質問をされた。
「駅の仕事で一番大切なことは何だと思う?」
「えっと、何よりも安全を大事にすることですか?」
鉄道の仕事は安全第一。研修中も口酸っぱく叩きこまれたので正解だろう。
「そうだな、それもそうだが、まず時間通りに朝9時に出勤すること。そして泊まり勤務の朝も時間通りに起きることだ。それ以外のミスは大抵何とかなる」
なんと、時間管理だった。
もちろん安全を軽視して良いということではない。駅員が乗客の安全に直接関わるのは駅のホームで作業をするときがメインである。ホーム上で何か異常を認め、列車の運行に少しでも支障があると判断したら列車を止める手配をする。
しかし、小規模な駅だとホーム上で列車の看視は行わないため、「安全を守る」という場面はどうしても少ない。そうなると、安全以外の項目で一番大切なことは時間管理なのだと教わった。
交代制の勤務なので、遅刻すると前任者が帰ることができない。それだけなら前任者が残業すれば良いが、泊まり勤務で初電担当の日に起きれないとどうなるか。
「駅員 寝坊」で検索してほしい。「駅員が寝坊して駅のシャッターが閉まりっぱなしに。乗客○○名が始発電車に乗れず」という記事が何件も出てくるだろう。
そう、寝坊しただけで報道されてしまい、その不名誉な記録はいつまでもネットの海に残るのである。
会社員の場合、故意に犯罪行為をするくらいのことをしないと報道されないだろう。ただ、寝坊に関しては故意ではなく過失である。
<7/13(水) 10:17配信 プレジデントオンラインより一部抜粋>
「8分遅刻しただけで昇進が消えた」うっかり寝坊しただけで大きな代償を受ける鉄道の駅員さん。
時間管理の厳しさが分かる記事です。
自分が時間に遅れることで、多くの乗客の時間を盗む、奪うことになってしまうため、遅れることを厳禁にしているのでしょう。
正直な感想を言いますと、少し羨ましいと感じてしまいました。
時間に厳しいということは、当然ですが、遅刻する人も少なく、周囲の人が時間通りに行動するのが多いということでしょうか。
お恥ずかしい話ですが、当社のある部署ではそこまで時間管理が厳しくありません。
出社時間で分けると、始業時間の2時間前に来る人(早過ぎです)、50分前~1時間前に来る人(私はここです)、15分~20分前に来る人(ここが一番多い)、5分~10分前に来る人に分かれています。
早く来る人と遅く来る人に分かれており、中間の30分ぐらい前に来る人がいない状況です。
早く来ても、遅く来ても、どちらも会社の評価は変わりません。
外出や出張先で集合時間に遅れたことを笑い話、まるで自慢話のように話している様子を見ると悲しくなります。
電車の遅延等で遅刻することはあると思いますが、遅れても悪びれる様子がない人が多いことに驚きます。
また、始業時間、就業時間は守られていますが、就業時間中に業務以外のことをしている人もチラホラ・・・。
それに気づいても注意する様子はありません。(残念ながら私もその一人です・・・)
時間厳守や業務時間中の私語などに関して、厳しすぎるのは息が詰まりますが、甘すぎる、緩すぎるのもどうかと思います。
私と同じように感じている人もいますが、部署内では少数派のため、甘すぎる、緩すぎる多数派にモヤモヤしています。
時間に厳しいというのは社会人として当たり前のことと思っていましたが、すでにその考えが古いのでしょうか。
朝礼の時にくだらない話を発表すると、人の時間を無駄にするな、と当時の上司に注意を受けたことがあります。
自分の時間も、他人の時間も奪うことは、決して善い行いではないと思います。
投稿者: 総合防犯設備士 (2022年8月19日 14:46)
トラクター盗難首都圏7県で6割減少 犯人逮捕と農家の防犯意識アップが奏功
2022年1~5月に東京都を除く首都圏7県でトラクターなどの盗難が、前年同期より63%減ったことが分かった。
被害が目立っていた茨城、栃木、群馬で特に減少した。各県警は盗難グループの逮捕や農家の防犯意識の高まりが背景にあると見る。
さらに被害の減少に向けて注意を呼びかける。
茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨の各県警本部(東京は警視庁)に取材した。警視庁はデータがないと回答した。
茨城、栃木、千葉はフォークリフトなども含んだ件数。
農機の盗難は、農作業で使い始める春先に起こりやすい。21年の被害件数は7県で計143件。うち6割の90件が1~5月に発生した。
ただ、今年同期での被害件数は茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉での計33件にとどまった。
昨年、7県での年間被害台数の88%を占めた茨城、栃木、群馬での減少が目立った。茨城の被害(22年1~5月)は16件で、前年同期比6割減だった。
栃木は5件で同8割、群馬は8件で同5割、それぞれ減った。
「畑に放置」は御法度
群馬県警は被害減少の要因に盗難グループの逮捕を挙げる。昨年8月に群馬県警が、トラクターを盗んだスリランカ国籍の男を逮捕した。
このことをきっかけに群馬、栃木、茨城、山形、静岡の各県警による合同共同捜査班が今年3月までに、同国人盗難グループ19人を逮捕した。
グループは19年3月ごろから昨年10月ごろにかけて11県で、計67台のトラクターなどを盗み、被害総額は1億3128万円に上った。
栃木県警は、農家の防犯意識の高まりも指摘する。同県警生活安全企画課は公式ユーチューブチャンネル「ルリちゃんねる」でトラクター盗難への警戒を呼びかける動画を昨年春に公開。再生回数が伸びている。
同課は、自動車のハンドルやタイヤを固定する盗難防止用品「ハンドルロック」「タイヤロック」の活用も勧める。
「盗まれないと思うのが一番危険。狙う人はいる。盗まれにくい環境で保管してほしい」と話す。
北関東の3県警は、農機の盗難対策として「畑に置きっ放しは危険」と口をそろえ、倉庫などに置くことを呼びかける。
<6/21(火) 16:00配信 日本農業新聞より>
東京を除く首都圏7県において、トラクター盗難が前年より約6割減っているという記事です。
その要因としては、窃盗グループの逮捕と各農家の防犯意識の高まりがあると見られています。
警察と被害者(このケースでは農家)、どちらか一方ではなく、双方の努力(対策)によって効果が出ている良い事例ではないでしょうか。
治安の悪い地域で、仮に個々に防犯システム設置などの対策を行ったとして、犯罪発生件数、犯罪被害に遭う確率を劇的に下げることは難しいと思います。
犯罪多発地域において防犯対策していることで、逆に目立ってしまい、この家にはお金がある、と犯罪者がターゲットに選ぶということも考えられます。
犯罪自体が発生しにくい、起こっても逮捕されやすい(そう思わせること)、そのような環境を作り上げることは非常に重要です。
それは単に警察任せにするのではなく、ボランティアや自治体で、見回りや声掛けなどを協力して行い、地域でのコミュニケーションを活性させることで、犯罪者を排除すること(不審者、部外者は行動しにくくなる)につながります。
身近な犯罪は窃盗だけではありません。
誘拐、放火、暴行、傷害、強制わいせつ、恐喝、騒音など様々な犯罪がありますが、防犯意識の高い住民の多い地域では、いずれの犯罪も犯しにくくなることは想像できると思います。
侵入防止4原則とは?
- 子供に防犯ブザーを持たせ、不審者や犯罪者に遭遇したら使用させることで、周囲に「音」で知らせることができます。敷地内の侵入者をセンサーで感知したら「音」で威嚇します。
- 防犯カメラという機械の「目」で24時間監視することで、犯罪者の足取りをつかむことができ、自由に行動できなくなり、抑制することにつながります。
- 侵入者にライトを照らすことで、「光」によって心理的なプレッシャーを与えます。
- ワンドアツーロック、壊しにくい扉や窓にすることで、「時間」が掛かるのは面倒と思わせ、その場での犯行を諦めさせ、別の犯行対象に移す効果があります。
投稿者: 総合防犯設備士 (2022年8月10日 11:07)
社員が退職したら、会社側でやるべきこと
宮城県大崎市は11日夜、納税課内のダイヤル式金庫で保管していた公金102万円を紛失したと発表した。
業務上横領や窃盗の疑いがあるとして、市は古川署に12日、被害届を提出した。
市によると、なくなったのは固定資産税や軽自動車税として納められるなどした現金102万円。
職員が最後に確認したのは8日夕で、11日朝に紛失に気づいた。金庫は旧古川市が1962年に購入。
24人いる納税課の職員のうち、開ける番号をいま知っているのは6人だが、番号は60年間、一度もかえていなかった。
金庫には他に小銭や通帳なども入っていたが、残されていたという。
伊藤康志市長は12日の定例記者会見で、「市民の信頼を著しく失墜させ、心から深くおわび申し上げる」と述べた。
<朝日新聞デジタル 7/12(火) 17:54配信より>
社員が退職した場合、雇用していた会社側では、保険、年金、税金等の手続きだけでなく、やらなければならないこと、やった方が良いと思うことがいくつかあります。
- 会社からの貸与品(社員証、社章、制服、名刺、携帯電話、パソコン、マニュアル)の返却
- 鍵や扉の開錠方法、入退システムの暗証番号の変更
- 社内システムのパスワード変更
- メールアドレスの削除、社内メーリングリストからの削除
- 社内ルールの変更(パスワードの規則性など)
- 金庫の開錠番号の変更(退職者が経理担当者の場合)
- 銀行のキャッシュカードの暗証番号の変更(退職者が経理担当者の場合)
- インターネットやホームページなどの管理サイトへのアクセス方法の変更(退職者がネットワーク管理者の場合)
- ホームページやカタログに掲載している写真の変更(退職者が代表者などで載っている場合)
物理的な変更だけでなく、設定上の変更が必要な場合も考えられます。
例えば、テレワークで自宅のパソコンを使用し、遠隔から会社のパソコンに接続して業務を行っていた場合、退職後はそれができないようにしなければなりません。
他にも外出先や出張先でメールを確認できるように、個人の携帯電話やiPad等に転送していた場合、それらの設定変更や解除しなければなりません。
そのままにしていた場合、退職後も誤って情報を送り続けることになる可能性があります。
社員だからこそ知り得る情報に関しても、可能な限り変更する必要があります。
しかし、思いつくだけでもこれだけの内容があり、社員一人がやめるたびに全てを変更していたら、残った社員は最新のパスワードが何かを把握するだけでも大変です。
これだけは最低でも変更しなければならない内容を決めて、変えていく方が効率的でしょう。
また、退社時に知り得た情報を外部に漏らしてはならないという秘密保持契約を個別に締結したり、就業規則に盛り込んだり、情報漏洩は罪であることを社内で認識させる必要があります。
そして、退職する社員がどの程度の情報を知っていたかを、社内(直属の上司など)で把握していることも重要になります。
社員が何を、どこまで知っていたかすら分からないのであれば、情報漏洩のための具体的な対策がとれなくなります。
そのような事態は避けなければなりません。
退職した社員が悪用する可能性を考えるだけでなく、もし顧客情報などが流出した際、会社として管理上・運用上の責任を問われる可能性もあるため、何らかの対策を講じていることを外部に示す必要があるかもしれません。
投稿者: 総合防犯設備士 (2022年8月 5日 09:25)