今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
12府県で旅館荒らし 大浴場の脱衣所から金品盗む
旅館やホテルの大浴場をめぐり脱衣所などで客の金品を盗んだとして、兵庫県警は12日、大阪市東住吉区のリフォーム業の被告(53)=窃盗罪で公判中=を窃盗などの疑いで送検し、捜査を終えたと発表した。
立件した被害は12府県にまたがる23件計153万円。いずれも容疑を認めているという。
捜査3課によると、被告は今年1~6月、京都や石川、愛知などの宿泊施設で、大浴場のロッカーをこじ開けて金品を盗んだり、部屋のカギを盗んで室内の金品を盗んだりした疑いがある。
「大浴場での入浴が趣味。風呂や観光を楽しみながら金目の物を盗めたらいいと思った」などと話したという。「湯船につかり脱衣所の客を物色していた」とも供述しているという。
被告は3月、兵庫県姫路市のビジネスホテルの大浴場で、ロッカーをドライバーでこじあけて盗んだ部屋のカギを使い、男性客(55)の部屋に侵入して現金約50万円の入った財布を盗んだ疑いで逮捕され、起訴された。
23件のうち3件(被害総額約74万円相当)は起訴済み。
<9/12(月) 17:15配信 朝日新聞デジタルより>
大浴場のロッカーをドライバーでこじ開けて直接金品を盗む手口、または部屋のカギを盗み、部屋に保管していた財布を盗む手口、両方の手口を織り交ぜながら犯行を繰り返していたようです。
しかも12府県にまたがって風呂や観光を楽しみながら、行く先々の宿泊施設で窃盗を繰り返すという趣味と実益を兼ねたような犯行です。
宿泊客の場合、大浴場と部屋の移動を繰り返そうとも、特にホテル側が警戒することはないでしょう。
旅行先で温泉に何度も入る人は珍しくありませんから、宿泊客を装えば不自然さはありません。
窃盗事件が発生すれば、まず外部からの侵入を疑うでしょうから、泥棒が現場に泊まっているというのは盲点なのかもしれません。
1泊2日で次々と宿やホテルを変えていけば、警察の捜査中に次の場所(ターゲット)に移動できます。
多少景観を損ねますが、旅館やホテルへの防犯カメラ設置は必要です。
受付やクローク、浴場の入口付近、そして各階の部屋の通路など、それぞれに高解像度のカメラを設置し、不審者がいた場合、後から映像で顔を確認できるようにすれば安心です。
宿泊はしないけど入浴だけする客もいますから、誰もが簡単に出入できる場所は警戒が必要です。
また、防犯カメラの存在は、設置した人を守るだけでなく、利用者、宿泊客が安心してその場所を利用できる安心感を与えることにも役立ちます。
貴重品を預けたら、盗まれる可能性がある旅館やホテルを誰が好んで利用するでしょうか。
投稿者: 総合防犯設備士 (2022年10月28日 15:09)
福井 クレーンで車吊り上げる手口で乗用車3台盗む
福井県警は9月13日、窃盗と窃盗未遂の疑いで福井市生まれの住所不定、無職の女(45)を再逮捕したと発表した。県警捜査1課によると、両容疑とも否認している。
無職女の再逮捕容疑は、夫(47)=窃盗、覚醒剤取締法違反などで起訴済み=らと共謀し6月5、29日に、福井市内の駐車場に止めてあった乗用車(時価約50万円相当)と軽乗用車(時価約10万円相当)、タイヤなどを積んだ軽乗用車(時価計約12万5千円相当)をクレーン付きトラックでつり上げて盗んだ疑い。また、夫らと共謀し7月8日、同市内の駐車場で軽乗用車1台をクレーン付きトラックでつり上げて盗もうとした疑い。
県警によると、無職女は7月以降、盗品等処分あっせんや覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕されている。
また県警は7月8日の窃盗未遂事件で、トラックを操作していた福井市の自動車解体業男性(73)を現行犯逮捕したと発表した。同19日に処分保留で釈放され、地検が任意で捜査している。
<9/15(木) 10:55配信 福井新聞ONLINEより>
クレーン付きのトラックで現場に行き、駐車場に停めていた車を吊り上げて持ち去る手口に対して、これを物理的に防ぐ、止めることは難しいでしょう。
停めていた車に防犯対策がされていても、その場から車ごと運ばれてしまってはどうしようもありません。
車を停めている場所が重要になり、駐車場の場合、トラックが中まで簡単に入ることができてしまえば盗むのが楽になります。
防犯カメラがあれば、自分たちの姿、犯行に使用するトラックなどが映る可能性を示すことで、その場での犯行を思い留まらせる抑止力になる可能性はありますが、どちらかと言えば受け身の防犯対策ですから強制的に犯行を阻止することはできません。
この場合は不審者が敷地内に入った時点で発報するような、より能動的、積極的な防犯対策が効果があるでしょう。(駐車場の防犯対策)
投稿者: 総合防犯設備士 (2022年10月21日 11:27)
不用品買取業者が訪問先で貴金属窃盗
不用品買取業者の代表が訪問先で貴金属を盗んだとして逮捕されました。
容疑者(30)は仲間と共謀し、去年8月、不用品を買い取りに訪れた江東区の住宅で、86歳の女性の指輪などを盗んだ疑いが持たれています。
容疑者は当時、買い取り業者の代表で、会社は解散しています。
容疑者:「(Q.社員が窃盗などで逮捕されているが?)それはちょっと、お答えできません」
警視庁によりますと、容疑者は、女性が不用品を探しに行った隙に、家の中を物色したということです。
関連事件の被害女性:「写真を撮るだけでいいから、撮らせてくださいって言ったので。まさかそういうの(訪問買い取り)で取られるとは夢にも思わなかったし、悔しいなって」
同様の手口で社員5人が逮捕されていて、この会社が関連する窃盗事件の被害総額は少なくとも2500万円に上るということです。
<9/2(金) 18:57配信 テレビ朝日系(ANN)より>
業者に訪問買取を依頼し、家の中に招き入れることはあり得る状況ですが、彼らが全員信用できるとは限りません。(ほとんどの業者がまっとうな商売をしているでしょうが、一部の業者が犯した犯罪でマイナスイメージを持たれている面もあるでしょう)
難しいケースもあるでしょうが、業者とは玄関、もしくは扉の外で話しをするようにし、安易に家の中へ招き入れないようにすべきかもしれません。(家の中に物を取りに戻る際も、一旦扉を閉めてから移動するなど)
玄関や部屋の中に防犯カメラが設置されていれば、彼らも警戒するでしょうから、抑止効果が期待できる場合があります。
しかし、犯罪者が訪問している時点で、対面で話しをしていますから、被害者に顔を見られることはリスクとして受け入れている可能性もあります。(記憶力が低下しやすい高齢者宅への防犯カメラ設置は、より効果があるように思います)
私の家のポストに「不用品引き取ります」というチラシが入れられていることが度々あり、個人情報とは関係のない不要な金属類(フライパンなど)は実際に引き取ってもらったことがあります。
ただ、業者の連絡先(電話番号)だけが記載された簡易なチラシを見ると、本当に引き取って処分してくれるのかが心配になったこともあります。
また、パソコンやスマホの場合、個人情報などのデータが悪用される可能性があるのではないかと考えてしまいます。
引き取ってもらう物は、内容に応じて依頼する、依頼しないと分けるべきでしょう。
回収してもらえなかった物があった場合、不法投棄になる可能性もありますから、依頼する側にも注意が必要です。
投稿者: 総合防犯設備士 (2022年10月14日 13:45)
砂の価格も高騰 盗品と証明しにくいものは要注意
男が盗んだのは、建設会社の砂。その目的とは。
愛知県愛西市の建設会社の防犯カメラ映像です。1台の車が資材置き場に入ってきました。
車から降りた男がトランクから取り出したのはスコップとバケツ。
男はそのまま積まれている砂に向かいます。そしてスコップを使いバケツに素早く砂を入れていきます。その後、男は足早にその場を去っていきました。
建設会社・社長:「左官砂とこの辺では言われている」
盗まれたのは「左官砂」と呼ばれるもので、通常の砂よりも細かく主に左官工事の仕上げで使われます。犯行後の写真では、掘られた跡がくっきりと残されていました。
被害に遭った建設会社は怒りを隠しきれません。
建設会社・社長:「(被害額は)バケツ1杯1000円くらい。ほしいならほしいで、ちゃんとこそこそしないで来ればいいだけの話」
盗難が行われた3日後、防犯カメラの映像を確認すると、驚くことに先日来た車と同じと見られる車が再び資材置き場に現れたのです。
車から男性が出てきましたが、人がいるのを確認したからでしょうか、砂には近寄らず去っていきました。
建設会社・社長:「私がたまたま斜め前に立っていて、私の方を見てすごくにらんできた。なんでにらむのだろうと」
なぜ男は左官砂を狙ったのでしょうか。
建設会社・社長:「砂は全体的に高騰している。需要があるにもかかわらず採取できる量が制限されている。(左官砂を)ほしい人は業者。一般の人がほしいものではない。明らかに(左官砂と)知って持って行っている」
建設会社は被害届を提出。警察は窃盗事件として捜査しています。
<8/17(水) 18:12配信 テレビ朝日系(ANN)より>
もし自分の会社や家の敷地内の砂が大量に盗まれた場合、犯人が捕まったとしても、それが盗品だと証明するのが難しいこともあるでしょう。
砂の成分等を比較すれば分かるかもしれませんが、元からあった他の砂と混ぜてしまえば出所の確認が難しくなります。
砂に限らず、泥棒が盗んだものと、泥棒が元から持っていたものと、後で盗品と証明しにくいものは注意が必要です。
泥棒としては、自らが捕まりにくい、犯行が特定しにくい、という条件が揃えば盗むターゲットになりやすいからです。
一時的であっても屋外に保管している重機、資材、工具、道具などは盗難被害が心配です。
防犯カメラだけでなく、赤外線センサーなどを張り巡らし、敷地内に足を踏み入れた侵入者を検知すれば警報ベルやサイレンを鳴動させ、その場から追い払う、より積極的な防犯対策が効果的でしょう。
投稿者: 総合防犯設備士 (2022年10月 7日 10:19)