今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
カード販売店の窃盗被害 被害者を責める風潮に疑問
ゲームやアニメで人気の「ポケットモンスター」のトレーディングカード「ポケモンカード」(ポケカ)を販売する熊本県荒尾市の専門店で、店内にあった商品約600枚が盗まれる被害があったことが、店への取材で判明した。販売価格が1枚60万円のカードも含まれ、被害総額は約650万円に上るという。熊本県警が窃盗事件として捜査している。
店長によると13日午前10時半ごろに店に出勤した際、店舗の窓ガラスが割られ、店内のショーケースなどが壊されているのに気付き110番した。店内には約800枚のカードがあり、大半が盗まれていた。
ポケカは近年人気が高まり、希少性の高いカードは高額取引されるなど投資対象にもなっている。店は今月1日にオープンしたばかりだった。店内外に防犯カメラが設置してあり、県警で解析を進めている。店は13日から休業している。店長は「残念な気持ちで犯人への怒りもあるが、今は一日も早く再オープンできるよう頑張っていきたい」と話した。
<5/16(火) 21:03配信 毎日新聞より>
トレーディングカード専門店でオープンして2週間で窃盗被害に遭い、約800枚の商品のうち約600枚が盗まれてしまったという状況です。
ニュースのコメントで、ただのガラスケースは危険だ、セキュリティ対策が甘い、相場よりカード価格が高いなど、被害者を「叩く」ような内容が多かったことに驚きました。
被害に遭ったのは自作自演の可能性をにおわすようなコメントもあり、被害者を責める風潮に疑問を感じました。(私が見た段階ですが、加害者を責めるコメントが一つもなかったことはさらに疑問でした)
加害者、被害者関係なく、何か問題点や疑問点を見つけたら、皆で一斉にそれを指摘する、攻撃する、ある種の連帯感を求めるのか、一部の人にそのような傾向があるように感じます。
また、昨年11月からYahoo!ニュースのコメントへの投稿時、携帯電話番号設定を必須にしたようですが、その効果が薄いのか(もしくは何か抜け穴がある?)、このような考え方をする人が多いのか、今後も見直しが必要ではないでしょうか。
コメントの中で、「60万円のカードを陳列棚のままに入れておく、これが現金だったらそのままにしないでしょう」という意見だけは参考になりました。
確かに現金60万円を置いたまま店を閉めることはありませんから、閉店後、高額なカード(商品)はきちんと施錠できるところへ移すべきだとあらためて感じました。
投稿者: 総合防犯設備士 (2023年7月28日 13:09)
無施錠の建設会社から現金3千万円入り金庫盗まれる
建築会社に侵入し約3150万円の現金が入った金庫を盗んだとして京都府警は17日、建造物侵入と窃盗の疑いで大津市下阪本の建築業の男(37)と京都市伏見区醍醐折戸町の無職の男(46)の両容疑者を逮捕した。府警は2人の認否を明らかにしていない。
逮捕容疑は昨年8月5日、京都市山科区内の建築会社に侵入し、現金約3150万円などが入った金庫を盗んだとしている。
府警によると犯行当時、社内に人はおらず、無施錠だった。会社に戻った男性社長(61)が金庫がないことに気づき、110番した。その後、金庫はこじ開けられた状態で発見されたが、現金は残っていなかった。
<5/17(水) 21:43配信 産経新聞より>
無施錠、そして金庫への大金保管、この2点に問題があったことは容易に考えられます。
被害者の方が金庫を過信していたのか分かりませんが、結局は金庫ごと盗まれ、こじ開けられて中の現金が盗まれてしまいました。
また、もし施錠していたら侵入を防ぐことができたか?という質問に対する答えは、正直なところ分かりません。
但し、無施錠に比べると侵入するために時間が掛かりますし、鍵や扉を開けるための工具等も必要になり、侵入者にとって手間が増えることは明らかです。
侵入する時間帯にもよりますが、人目を気にせずゆっくり時間を掛けて侵入できる環境でない限り、一秒でも早く犯行を終えてその場から逃げたいと考えるのが普通ですから、時間の掛かる犯行は避ける傾向にあるでしょう。
施錠されていることは想定済みでしょうから、施錠自体の防犯対策はそれほど高いものとは思えません。(無施錠でラッキー!と思ったはずです)
もし、自宅や事務所、店舗に価値の高いものを置くのであれば、それを守るために防犯システムや防犯カメラなどのプラスアルファの対策があった方が安心です。
ただ、現金等は出来る限り銀行などの金融機関に預け入れるべきです。
利息が少ないから預ける意味がないと考える人もいるかもしれませんが、利息目的ではなく、安全面で考えるべきです。
また、金融機関の破綻を心配する人に対しては、破綻する可能性よりも、自宅保管での盗難被害に遭う可能性の方が高いことを知ってもらいたいです。
投稿者: 総合防犯設備士 (2023年7月21日 11:00)
韓国 犯罪件数トップは「窃盗」ではなく「詐欺」
世界の各国では、犯罪件数トップは「窃盗」だが、唯一韓国では「詐欺」が1位を占めている。しかも、毎年急増する勢いだ。
詐欺犯罪の件数は、2011年の22万件から2020年には35万件と、10年間で60%も増えた。
経済協力開発機構(OECD)加盟国の中では韓国が詐欺犯罪率1位で、14歳以上の国民100人に1人の割合で毎年誰かが詐欺に遭っているという統計もある。
詐欺罪での告訴があまりに容易な状態が誇張されているとの説明もあるが、他人をだまし、うそをつくことを大したことだとは思わない文化に原因を求める人も多い。
<5/7(日) 6:13配信 朝鮮日報日本語版より一部抜粋>
お隣の国韓国では、窃盗よりも詐欺の犯罪件数が多いということです。
他人の家や店舗に侵入して手っ取り早く金品を盗む犯罪よりも、時間を掛けて相手を騙す、騙そうとする犯罪の方が多いのがとても意外でした。
ほとんどの家や店舗の防犯対策がしっかりしていて、侵入窃盗の成功率が低いのなら話は分かりますが、おそらく日本の防犯対策の普及率と比べて特段高いということはなさそうです。
窃盗より詐欺の方が多いのは、量刑が軽いのが理由とも言われていますが、正確なところは分かりません。
長年に渡る若者の就職難等もあり、社会全体が不安に包まれているため、必ず儲かるという投資詐欺や仮想通貨による儲け話に騙されてしまう人が多いのでしょうか。
国全体の未来が明るいと、そのような不安感も減るでしょうから、必然的に詐欺という犯罪手口自体がうまくいかなくなるはずです。
それぞれの詐欺事件を解決に導き、量刑を重くして抑止力にするとともに、国が社会を明るくする、不安を払拭させるような政策・施策が求められています。
日本も例外ではなく、経済の落ち込みや失業者の増加など社会全体が不安になると、次第に犯罪件数が増え、そして様々な悪循環に陥る可能性があります。
犯罪自体が起こりにくい環境を作り上げることで、国民一人一人が犯罪被害に遭う可能性を減らすことにつながるでしょう。
投稿者: 総合防犯設備士 (2023年7月14日 09:33)
銀座強盗事件にみる今の若者の考え方
東京・銀座の時計店で起きた強盗事件で、逃走したレンタカーの中から事件に使われたとみられるナイフやバールなどが見つかったことがわかりました。
8日午後6時すぎ、中央区銀座の高級時計店に覆面姿の男3人が押し入り、刃物で店員らを脅して、腕時計およそ70本を奪って車で逃走しました。
捜査関係者によりますと、逃走したレンタカーの中からナイフやバール、手袋が見つかったことがわかりました。強盗事件に使われたものとみられています。
逃走車両は、港区内でみつかり、近くで4人が邸宅侵入などの疑いで現行犯逮捕されています。
また、強盗事件の被害品とみられる腕時計や使用されたものと似た覆面が車やその近くから回収されていて、警視庁は4人と強盗事件との関連を調べています。
<5/11(木) 11:07配信 テレビ朝日系(ANN)より>
白昼堂々に行われた銀座の強盗事件。
現場でスマホで撮影している人、出口から逃げようとする犯人をドアで押し戻そうとする人、まるでテレビや映画の撮影のような非現実的な犯行に衝撃を受けた人も多いでしょう。
最近発生した強盗、窃盗事件で逮捕された若者のほとんどが10代~20代だったという情報もありますが、実行犯役の若者たちが使いやすい駒のように利用されているように感じます。
事件の黒幕や計画者たちは(存在する場合)、自分の手は汚さず、危険性も冒さず、安全なところで成果(奪った金品)が届くのを待つだけ。
ずる賢いというか、単にずるいと思うのは私だけでしょうか。
目撃者がいる白昼堂々の犯行なんて捕まるのは明らかなのに、なぜ実行犯は気付かないのだろう?という意見もありますが、「当たり前」と考える我々の認識や感覚がそもそも間違っている(古い?)ような気がしてきました。
一部の若者にしてみれば、仮面をつけているからバレないだろう、逃げれば大丈夫だろう、という単純な考えだけで、こうなったら(自分の身が)危険だとか、この状態はまずい、という考えには至らないのかもしれません。
また、罪悪感、人を傷つけない、人の財産は奪わない、という「当たり前」と言われていた感覚や考え方が欠如(変化)している人が増えているのかもしれません。
これは生活環境の変化、教育水準や環境の変化など価値観そのものが変わりつつあることも影響しているのでしょうか。
例えば、ハラスメント被害に関して。
今の時代、もしパワハラ、セクハラ被害に遭った場合、我慢して耐えなくても、スマホで音声・写真などの証拠を集め、それをSNSに掲載するだけで世界中の人に知らせる、訴えることができます。
SNSという相手と戦うための武器・手段が存在します。
我々のような古い年代にはそもそもSNSのような武器はなく、パワハラ、セクハラの被害に遭っても我慢する、もしくはその場から逃げるなど選択肢が限られていたので、今の年代の人とは考え方自体が異なるのかもしれません。
当時でも新聞やテレビを味方につけられたら、一緒に相手と戦うことができたかもしれませんが、よほど大きな事件やスクープでなければ難しい手段だったでしょう。
今は1人で戦わなくても、情報の拡散などで多くの人が味方になって、援護射撃して一緒に戦ってくれます。
相手にとってこれほどの数の脅威はありません。
様々な考え方や価値観を正しい、正しくないという二択で判断するのではなく、多様な人たちがそれぞれ多様な意見を持っていることを認識し、お互いにそれを尊重する気持ちが大切だと思います。
自分の考え方、常識だけを基準にして、これはおかしい、これは古いと判断すること自体が今の時代には合っていない気がします。
老害という嫌な言葉がありますが、まさに柔軟性に欠けた、自己中心的な人たちの言動を示す言葉です。
誰もが年を取りますが、そのことを忘れずに、いつになっても柔軟な考えを持つことができれば老害とは呼ばれなくなるでしょう。
投稿者: 総合防犯設備士 (2023年7月 7日 09:01)
