今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
ライブハウス放火未遂事件 惨劇を繰り返さないために
"東京都渋谷区のライブハウスに8月31日夜、ガソリンがまかれた事件で、殺人未遂と現住建造物等放火未遂容疑で現行犯逮捕された無職の男(23)(大阪府茨木市)が現場で取り押さえられた際、「インターネットの動画投稿サイトの利用者が集まるイベントが行われていたので、狙った」と話していたことが同店への取材でわかった。
警視庁は、男が放火し、無差別大量殺人を行う場面がネット上に公開されることを狙った可能性があるとみて調べている。
同店によると、店内では当時、動画投稿サイトの愛好者がカラオケなどを楽しむイベントが開かれていた。イベントの様子は、店側がビデオで撮影していたという。捜査関係者によると、男は8月20日頃に上京して、都内や川崎市のネットカフェなどを転々とし、事件直前に現場近くのガソリンスタンドでガソリンを購入していたという。"
【読売新聞 9月2日より抜粋】
こういった事件を目にするたびに、歌舞伎町のビル火災事件を思い出します。
あの事件が発生したのは10年前の9月1日。皮肉な事に9月1日は防災の日です。この火災で、44名の犠牲者が出ました。
出火原因は放火説が有力視されているようですが、未だに分かっていないということです。
歌舞伎町ビル火災で問題となったのは、火災報知機の電源が切られていたことと防火扉が作動しなかったことです。
火災報知機は誤作動が多く、電源を切られており、また、一部の店舗では火災報知機ごと天井を内装材で覆っており、作動できない状態であったことが分かっています。
防火扉の周りには酒瓶やおしぼりなどの備品が積み上げられ、階段口もふさがれ避難ルートが全くなかったようです。
この事件を受けて消防法が大幅に改正、こうした雑居ビルにおける火災報知機設置義務や消防署による立ち入り検査が強化され、現在は厳しい基準となっています。
今回のライブハウスへガソリンをまいた男は、その場ですぐに取り押さえられましたが、もしもひと気のない場所にガソリンをまいて放火されていたら・・と考えると、なにごともなく本当によかったと思います。
こういった場所は不特定多数の人々が集まり、出入りもある程度自由にできます。
出入り口や裏口などには防犯カメラを設置し、火災報知機の電池や取り付け場所なども見直しを行い、少しでも早い初期対応ができるような態勢を整えておく必要があります。
投稿者: スタッフ (2011年9月 2日 10:49)
放火未遂容疑で女逮捕 近隣の連続不審火に関与?
親類が済む集合住宅に火をつけたとして、容疑者の女が逮捕されました。
"親類が住む文化住宅にライター用のオイルをかけて火を付けたとして、大阪府警は9日、現住建造物等放火未遂の疑いで、同府茨木市大住町の容疑者の女(34)を逮捕した。府警によると「ほかにも30件くらい火を付けた。(同市内にある)実家との折り合いが悪く、実家近くの家に放火してからは罪悪感を感じなくなった」と容疑を認めているという。
茨木市内では8月以降、夕方から翌朝にかけて、民家玄関先のすだれやごみ、車やバイクのカバーなどを焼く不審火が計35件起きており、府警は容疑者の関与を調べる。"
【9月9日産経新聞より抜粋】
木造2階建て文化住宅1階にある親類男性の部屋の窓にライター用オイルをかけ、ライターで火を付けたとの事で、出火に気付いた男性がすぐに消し止めたとの事で、大きな被害にはならなかったようです。
放火や火災被害に遭わないためには、地域ぐるみの取り組みが大切です。
●地域での総合対策
* 火災は、一人一人の心がけとともに、家族・ご近所との協力体制が必要となります。
日頃からご近所との良好な関係づくりを行うとともに、万が一の場合の協力体制をつくりましょう。
* 町内会などで、防災に関して話し合い、防災訓練を実施する。
* ご近所の火災警報器の音にも関心を持ち、万が一火災が発生した時には消防署への通報や消火活動、
避難などに手助けを行う。
* 自転車や車などの不法駐車などで消防自動車の通路が妨げにならないように日頃より注意する。
避難経路はいつも整理整頓し、物を置かない。特にマンションやアパートの場合、バルコニーや非常階段など。
* 家のまわりに燃えやすいものを置かない。新聞や雑誌の束。段ボール箱など。
* ゴミは必ずゴミ収集日の朝に定められた場所に出すよう徹底する。
前日夜から出すゴミに放火されることがあるので注意する。
* 一人暮らしの老人宅が近所にある場合、防火情報を伝えるなどして注意を呼びかける。
* お年寄りや身体の不自由な人を守るために、隣近所の協力体制をつくる。
* 消火器は1階、2階にそれぞれ各1本ずつ置く。床から1.5m以下の低い場所に置き、
水や油で濡れる位置には置かない。
投稿者: スタッフ (2010年9月10日 10:42)
「降格に立腹」「保険金目当て」「大きな煙が見たかった」・・・放火の目的
現在のような不況で先行きが不透明な状況の中で、急増する犯罪が「放火」です。
むしゃくしゃして・・・といったストレスからの犯行。
借金があり保険金を狙っての犯行。
こんなに「放火」が身近な犯罪として発生していることを知ってください。
●リビング新聞社放火:社員起訴--大津地検 /滋賀
滋賀リビング新聞社(大津市におの浜3)の事務所が焼けた事件で、大津地検は29日、同市大江4、同社社員男(50)を非現住建造物等放火の罪で大津地裁に起訴した。
被告は職場で降格したことなどに立腹し、今月7日午後11時50分ごろ、事務所の床にコピー用紙を敷き詰めた後、着火したろうそくを立てて床や壁など28平方メートルを焼損させた、とされる。
(3月30日 毎日新聞より引用)
●寺を全焼、保険金詐欺図る=容疑で元住職再逮捕-埼玉県警
埼玉県東秩父村の寺が全焼した放火事件で、埼玉県警小川署は28日、寺に掛けていた保険金をだまし取ろうとしたなどとして、詐欺などの疑いで同県小川町小川、元聖岩寺住職の男(53)を再逮捕した。同署によると、容疑を否認しているという。
昨年11月5日、当時住職を務めていた聖岩寺の本堂や自宅、乗用車などを放火し全焼させ、代車分費用約23万円を詐取したほか、約3億円の火災保険をだまし取ろうとした疑い。
容疑者は火災前日、本堂や自宅などを対象に約3億円の火災保険に加入していたという。寺所蔵の文化財は火災前に運び出していた。
(3月28日時事通信より引用)
他にも「京都市右京区で2月、乗用車とバイクが燃えた不審火で、右京署などは30日までに、建造物等以外放火の疑いで、住所不定、飲食店店員男(21)と右京区と左京区に住む私立高1年の男子生徒2人=いずれも(16)、右京区の無職の少年(18)を逮捕した。
2月20日午前3時20分ごろ、右京区竜安寺塔ノ下町の民家ガレージに駐車中の乗用車とバイクに放火した疑い」といった放火があります。
動機は「おもしろ半分でやった。大きな煙を見せたかった」ということです。(3月30日京都新聞より引用)
現在の犯罪を考える時、犯罪者像が以前と大きく変わってきていることを痛感しています。昨日も大麻使用で教頭が逮捕されるというショッキングな事件がありましたが、
警察官、自衛官、教師、弁護士、住職、高校生・・・そういった人が犯罪を起こしているのです。
たしかにそれはほんの一部の特例です。
殆ど多くの人は善良な尊敬すべき人です。
しかし、「どんな職業の人でも犯罪者がいる」というのは長年防犯の仕事をしている私としてはちょっとショッキングであり、奇異に感じる部分です。
その人物の背景を調べても犯罪に結びつく要因が見つけられない。
「なんのため?」「どんなメリットがある?」
失うものが非常に大きいのにも係わらず犯罪を犯すその心理が、従来の泥棒や放火犯とはかなり異なってきているように感じます。
今一般の方に知っていただきたいのは、そんな不条理な犯罪が急増している、ということです。誰が、どこで犯罪に遭遇するとも限らない、ということです。
だからこそ、防犯意識を持って、犯罪者につけいる隙を見せないことが大切です。
そして、多くの人が防犯意識を持って「犯罪が発生しにくい環境」を作る事で、犯罪者を作らない、ということができます。
投稿者: スタッフ (2010年3月31日 10:33)
コインランドリー連続放火犯の理由
大阪でコインランドリーで連続放火をしていた犯人が逮捕されました。
放火をした理由は?
●大阪府警港署は21日、放火未遂の疑いで、無職男(59)=窃盗罪で起訴=を再逮捕した。
8月9日に同区内のコインランドリーで、乾燥機内の衣類に火を付けた疑い。
男は「ブラジャーを盗もうとしたが、いいものがなく腹が立って火を付けた」と供述しているという。
同じコインランドリーで起きた3件の不審火にも関与を認めている。
逮捕容疑は8月9日午後2時ごろ、大阪市港区のマンション1階にあるコインランドリー店で、乾燥機内にライターで火をつけた紙を入れ、衣類に火をつけた疑い。港署によると、男は「ブラジャーを盗もうとしたが、いいものがなく、腹が立って火を付けた」と供述。近くに住む女性がすぐ消し止めた。
焼けた衣類30点のなかにはズボンやエプロンのほか、ブラジャー2枚が含まれていたという。この2枚のブラジャーの色やカップなどは不明だが、2枚とも容疑者の"趣味"には合わなかったらしく、腹に据えかねて放火することに踏み切ったようだ。
逮捕のきっかけになったのはランドリー店の防犯カメラだった。容疑者によく似た男が出入りする姿と、男が店外に出た直後に炎が上がる映像が映っていた。
(10月22日スポーツ報知より引用)
スポーツ新聞なのでちょっとおかしく書かれていますが、マンション1階のコインランドリーで放火となるともし早期発見ができていなかったら大惨事となるところでした。
コインランドリーの場合、
●洗濯物が盗まれる。
●両替機や料金箱が破壊され中の現金が盗まれる。
といった被害が多く発生しています。
実際に以前複数の店舗で、同じ日に連続で料金箱が破壊され中の現金が盗まれる被害が発生しました。犯人はバットを手にして表で見張っている男、実行犯とに別れ、数分で犯行を終えて自動車で逃走。近所の人は気がついても恐ろしくて近づけなかったといった話も聞いたことがあります。
今回、幸いにも防犯カメラが設置されていたためその映像が決めてになって犯人逮捕となりました。
コインランドリーにもぜひ防犯対策を実施することをお勧めします。
コインランドリー向け防犯システム
●防犯カメラを設置し営業時間外に侵入した場合には即その場でベル・サイレンで威嚇撃退するとともに動画映像をオーナーの携帯電話に送信する。
●防犯カメラの映像を自動録画する。パソコンがある場所ではパソコンで、外出先などでない場合には携帯電話から動画で状況確認を行う。
コインランドリーの防犯
投稿者: スタッフ (2009年10月22日 10:38)
廃墟の後が不安。放火や溜まり場に・・。
20日午前4時10分ごろ、千葉県勝浦市部原の木造平屋建て住宅が燃えているのを巡回中の県警勝浦署員が発見。約1時間後に消し止められたが、同1棟約100平方メートルを全焼しました。
この住宅は覚せい剤取締法違反で起訴された女優の酒井法子=本名・高相(たかそう)法子=被告(38)と夫の高相祐一被告(41)が別荘として使用していました。
普段は人は住んでおらず火の気もないうえ、中央の和室付近が激しく燃えていたことから、警察では何者かが室内に侵入して放火した疑いがあるとみて調べています。
酒井法子の別荘ということでマスコミを始め多くの人の注目を浴びていた住宅が放火の疑いで全焼したというのは、地元の住民にとっては非常に不安であると思います。
千葉県南部では19日夕から夜にかけ、鴨川市と君津市でも別荘や空き家が燃える不審火が計3件相次ぎ、県警は関連を捜査しています。
この別荘は廃墟ではありませんが、常日頃は無人でした。
無人建物、廃墟(閉鎖テーマパーク、何年もの間使われず荒れ果てたビルなど)が今人気になっています。「肝試し」などになって若者が見学に行くケースもあるようです。
そうした廃墟が地元で問題になっているニュースがありました。
●閉鎖テーマパークや荒れ果てたビルなどの「廃虚」が、インターネットなどを通じて人気化している。しかし、非行少年のたまり場になるなど問題となるケースは多く、地元では不安の声が聞かれる。
22日午後6時ごろ、新潟県阿賀野市笹岡の閉鎖テーマパーク「ロシア村」の関連施設、「マールイホテル」の1階ホール付近から出火し、コンクリート3階建てのホテル1〜3階の約350平方メートルが焼けた。阿賀野署の調べでは、電気、ガスは止まっており、放火の疑いもあるという。
ロシア村は経営不振で平成16年に閉園し、興味本位で立ち入る若者らに荒らされた。村に通じる道路は入り口の数百メートル手前で施錠された門によって閉ざされているが、近くまでつながる林道から何者かが入り込んでいるらしい。このため、地元の管理団体は、この入り口も廃車でふさいだが、その車はひっくり返されてスプレーで落書きされていた。地元住民は、「夜になると物を壊す音がする」といった不安を訴えてきた。
村内施設のドアはこじ開けられ、窓ガラスが割られて惨憺(さんたん)たるありさま。ネット上には、そんな写真が何枚も出回り、「(原発事故が起きた)チェルノブイリのようだ」などと書き込まれている。
玄界灘に浮かぶ廃虚の島、端島(はじま=長崎市)は、かつての炭坑の町「軍艦島」(通称)として知られ、今年春に観光訪問が解禁されると、ツアー申し込みが殺到した。廃虚人気は、こうした有名スポットだけでなく、甲信越の閉鎖テーマパークやホテル、スキー場跡に及び、ネット上で紹介されている施設も多い。
ただ、廃虚とはいえ無断で入り込めば建造物侵入などの罪に問われる。老朽化して危険な施設もあり、関係者は対策に悩んでいる。
(9月25日 産経新聞)
こうした建物をつぶすにもお金が必要です。
そのために何もできないまま、荒れ果てているうちに放火や溜まり場になるというのは地元にとっては景観の問題だけでなく治安の面でも問題です。
いかに侵入をふせぐか・・・でも電気も何もない状態ですから、少々難しいですね。
別荘などは防犯システムでの遠隔監視が可能です。
侵入や放火などを検知し、すぐに画像やメール、音声でオーナーや地元の管理者に通報することで被害を最小に押さえることができます。
別荘向け防犯システム
投稿者: スタッフ (2009年9月28日 17:17)
元消防団員が連続放火したワケ
元消防団員が放火を繰り返した理由は?
この元消防団員47歳は、平成20年8〜9月にかけて、未遂も含め6件の放火をしたとして起訴されています。自分で放火して、自分で消火。自分の手柄を立てたかったのか?と思いますが、実際にはそんな単純な感情ではなく「言葉では言い表せないくらい不思議な気分だった」と供述しています。
具体的な被告人質問の内容が掲載されていました。
●5月26日の公判の被告人質問で、被告は放火していたときのことを「裏の自分がいた」と表現した。
弁護人「放火のきっかけは」
被告「家庭、お金、仕事、色んな問題のストレスが心の中に蓄積し、現状から逃げたい気持ち」
弁護人「ほかの方法は考えなかったのか」
被告「消防団を長年やって火災のイメージが頭にあり、そっちに逃げた」
弁護人「実際に放火するとき、そうした動機を意識していたか」
被告「意識していなかったと思う。表の自分と裏の自分がいたのかなと思うこともある」
弁護人「やった後、どうなるか考えなかった」
被告「ものすごく反省するが、何日かたつと忘れてしまう」
被告は放火後に消火活動に参加。その様子を撮影し、ブログで公開していた。弁護人の質問が続く。
弁護人「自分でつけた火を消すのはどういう心境なのか」
被告「うーん、言葉で言い表せないくらい不思議な気分。自分でやっておきながら、『ああここ燃えなくてよかった』『こんなに燃えちゃった』と思ったことも何度かあった」
弁護人「ネット上に、放火に気をつけるよう、書き込みもしている」
被告「書き込みの時は表の、正義感のある自分がいて、夜になると正反対の自分がいる。そんな感じ」
裁判官「初めて放火したのはいつ」
被告「3年くらい前。食堂の脇のゴミ」
裁判官「そのとき葛藤(かつとう)はなかったのか」
被告「つけることでいっぱいいっぱいだった」
裁判官「火をつけるたびに反省している。ストレスは解消されたか」
被告「いいえ」
(6月9日産経新聞より引用)
連続放火をした理由はいったいなんだったのか、この裁判官とのやり取りだけでは私は理解できませんでした。多重人格?とも思えるような発言もあったり、結局は「ストレス解消」だったのか?とも感じ取れます。
放火は増えています。
兵庫県尼崎市のマンション物置に火を付けたとして逮捕された無職男(29)
「むしゃくしゃしているときに火を見ると気分がスカッとした」と話し、尼崎市と伊丹市でマンションに止めたバイクなどが燃えた不審火30件について関与を認めているということです。
放火をされてしまうと建物も、場合によっては人命も失われてしまいます。
放火がされにくい環境を作ることが重要です。
●敷地内に入れさせない。
●敷地内に燃えやすいもの、放火しやすいものを放置しない。(ゴミ、ダンボール箱、新聞紙の束など)
●炎センサーを設置し、炎の段階でキャッチし、音声などで放置する。
放火対策
投稿者: スタッフ (2009年6月17日 16:34)
文化財・寺社への放火相次ぐ
全国で文化財や寺社の火災・放火が多発しています。
●白沙村荘茶室を全焼 左京・橋本関雪の旧宅。出火時は無人
31日午前1時ごろ、京都市左京区浄土寺石橋町の白沙村荘・橋本関雪記念館から出火、木造平屋の茶室(約120平方メートル)を全焼し、約20分後に消した。 茶室は、関雪が1932年ごろ妻のために造った「倚翠亭」や「憩寂庵」の2つで、出火当時茶室はいずれも無人だったという。
(3月31日 京都新聞より抜粋)
●小田原市江之浦の「赤沢観音堂」から出火・放火の疑い。仏像4体も焼ける。
29日午前10時50分ごろ、小田原市江之浦の「赤沢観音堂」から出火、木造平屋約50平方メートルを全焼し、内部にあった十一面観音像など仏像4体を焼いた。約6時間後、住所不定、無職の男(57)がJR真鶴駅前の交番に「火をつけた」と自首したため、小田原署は非現住建造物等放火の疑いで緊急逮捕した。出火約1時間前、参拝者が施錠されたはずの堂内で50〜60歳代の不審な男を目撃。同署は特徴が似ていることからこの男とみており、動機などを追及している。
(3月30日 毎日新聞より抜粋)
●国宝火災:奈良の出雲建雄神社拝殿に放火か 格子戸焦げる
12日午前4時半ごろ、奈良県天理市布留(ふる)町にある石上(いそのかみ)神宮の摂社・出雲(いづも)建雄(たけお)神社拝殿(国宝)から出火。火災報知機で気付いた神社当直の男性権祢宜(ごんねぎ)(32)が消火器で消し止めたが、格子戸など7カ所が焼け焦げた。権祢宜は「油のにおいがした」と話しているといい、県警天理署は放火の疑いが強いとみて捜査している。
山辺広域行政事務組合消防本部によると、拝殿の外周を囲むように7カ所に油がまかれていた。拝殿東側にある別の社付近で、油の入った瓶とライターが見つかったという。
消火後、拝殿の敷居や土壁も焦げていることが分かった。
(3月12日 毎日新聞より抜粋)
それ以外にも、
●22日午前6時ごろ、神奈川県大磯町西小磯の旧吉田茂邸から出火。午後零時半すぎに鎮火したが、木造2階建て本邸約1000平方メートルを全焼した。
●15日に国の重要文化財「旧住友家俣野別邸」(横浜市戸塚区)が全焼している。
日本の文化財や寺社はほとんどが木造のため、火災や放火が一旦発生すると消失するものは計り知れません。
これだけ多くの重要文化財や寺社が全国で火災や放火が発生しているというのは、偶然ではなく、ニュースで見た事件を真似たのではないかと私は推測しています。
放火をする人間の心理は、「むしゃくしゃして」といったストレス解消犯や、皆がバタバタして消火活動しているのが面白いといった愉快犯、スリルを愉しむといったものがあります。
いずれにしても社会の不況や閉塞感などに負けた弱い心が行う最も卑怯な犯罪の一つだと思います。
そんな放火被害に遭わないためには、
1)敷地内に不審者を入れないこと。
2)周囲に放火しやすいものを放置しないこと。
3)夜間も明るく死角を作らない。
4)放火をいち早く検知し初期対応すること。
があります。
1)敷地内に不審者を入れないこと。
赤外線センサーなどで外周警備を実施し、不審者がフェンスを越えたり、塀をよじ登ったり、敷地内に侵入した時点でベルやサイレンで威嚇撃退する。
2)周囲に放火されやすいものを放置しないこと。
段ボール箱、ゴミ、古新聞、古雑誌、木材などが敷地内に放置されたままであるとそういうところに放火される可能性があります。寺社では納札所や絵馬などが狙われやすいので注意が必要です。
3)夜間も明るく死角を作らない。
夜間暗闇の中に姿を隠すことができるのは犯人には好都合。防犯灯や人感ライトなどで周囲を明るくし死角を無くすことで犯罪者が犯行しにくい環境が作れます。
4)放火をいち早く検知し初期対応すること。
火災感知器では温度の上昇を検知する方式のためある程度の火の手が上がってから検知することになります。木造建物の場合はそれでは遅いので、放火の危険がある場所には炎センサーを設置することをお勧めします。炎センサーは10メートル先の7センチの炎を検知、音声メッセージでその場で警告したり離れた管理者に連絡することができます。
外周警備の赤外線センサーやや放火検知の炎センサーなどは防犯カメラと連動し、異常発生時の映像を自動録画するとともに、離れた場所にいる管理者の携帯電話に自動通報すると動画で現場状況を把握しながら初期対応ができ、より安心です。
見える自主機械警備システム
寺社の放火対策
投稿者: スタッフ (2009年3月31日 09:19)
社会福祉施設・文化財建造物ともに火災対策が急務
全国で火災被害が相次いでいます。
●19日群馬県渋川市の高齢者施設「静養ホームたまゆら」で入所者ら10人が死亡した。職員は1名で、スプリンクラ−の設置もなく、火災保険も切れており、通路にある引き戸にはつっかい棒をかけて、(入居者が)外に出ないようにしていた、という劣悪な環境であった。禁煙にもかかわらず喫煙をしている入居者もおり長年暗黙の了解となっていた。「タバコの不始末」が原因と見られる。
●22日午前6時ごろ、神奈川県大磯町西小磯の旧吉田茂邸から出火。午後零時半すぎに鎮火したが、木造2階建て本邸約1000平方メートルを全焼した。けが人はなかった。県警大磯署は失火と放火の両面で調べている。旧吉田邸の敷地内には24時間態勢で警備員が常駐、22日午前5時半すぎ、敷地内の巡回点検を終えた警備員が警備室に戻ったところ、漏電警報が鳴った。約20メートル離れた本邸に駆け付けると、2階から煙が出ていた。2階部分が激しく燃えており、同署は2階が火元の可能性があるとみている。その際、2カ所ある入り口はどちらも施錠されていた。火災報知機や監視カメラ、侵入者を検知するセンサーはなかった
●神奈川県内では、15日に国の重要文化財「旧住友家俣野別邸」(横浜市戸塚区)が全焼している。
また、昭和初期の洋館「旧モーガン邸」(藤沢市)でも2007年5月と08年1月、本棟と別棟をそれぞれ全焼する火災があった。旧住友家の出火原因は分かっておらず、旧モーガン邸については県警が放火とみて捜査している。
旧吉田邸は県立公園として保存する計画が進められていながら、国の重要文化財(重文)に指定されていないため、特別な防火対策は講じる義務はなかった。邸内の防火設備は漏電警報器と消火器だけ。重文であれば消防法によって自動火災報知設備と消火器の設置が義務付けられ、放水銃や貯水槽などの設置も促されるが、西武鉄道は「重文ではないので一般の民家と同じ扱いでいいという認識。行政から防火設備の指導を受けたこともない」と説明する。
文化庁はあくまで「重文以外の建物を指導することはない」という立場。防火設備の金銭的負担のほか、建物の増改築が許可制になるなど制限が生まれるため、同庁によると所有者が重文指定を避けるケースもあるという。
重文指定を受けていない建造物は、いわば保護行政の"死角"。では、重文以外で歴史的な価値が認められる建造物をどう守るべきなのか。都市・建築の防災に詳しい東大大学院の関沢愛特任教授は「神社仏閣では内部に手を加えることは難しいが、近代的な建物の場合、スプリンクラーの設置が比較的容易にでき、金銭的負担も少なくて済む」と指摘。具体的には「歴史的建造物を美術館などに転用する活用保存による防火対策が有効。重文指定も含め文化財の保護行政にはもっと柔軟な発想が必要だ」と訴える。
一方で立命館大の土岐憲三教授は文化財建造物への放火が後を絶たないことから、「不審者感知のセンサーの設置など火災を未然に防ぐ対策が必要だ」と強調。県内でも「旧モーガン邸」「旧住友家俣野別邸」の焼失が相次いでいる。横浜市は「いずれも不審火の可能性がある」として改修工事中の「旧伊藤博文金沢別邸」(金沢区)に夜間、警備員を常駐させる対策を取っている。
火災を受け、総務省消防庁と国土交通省は23日、社会福祉施設を緊急点検するよう全国の消防本部などに要請した。火気管理や避難経路の確保などを重点的に調べ、違反があった場合には直ちに是正させる。
同庁はまた、神奈川県大磯町の旧吉田邸全焼火災などを受け、全国の文化財建造物を対象とした緊急点検も要請。防火対策の現状を把握するほか、防犯カメラの設置や敷地内への入場管理の徹底などを求める。
(3月23日時事通信、カナロコより一部引用)
火災は発生すると人命はもちろんのこと、歴史的な価値も、文化財も何もかも灰と化してしまいます。
そういう火災の原因としては、
● 放火
● 失火
● 漏電
などがあります。
「放火」「放火の疑い」という原因での火災発生がもっとも多く、この「放火対策」を十分に行うことこそ火災被害から身を守ることになります。
「放火」を防ぐためには、
● 不審者を敷地内に入れさせない。・・・赤外線センサーによる外周警備で不審者を音と光で威嚇撃退、人感ライトや防犯灯の追加、フェンスなどによる境界線の明確化。
● 不審者に「放火」させるものを提供しない。・・雑誌・新聞・ダンボール箱など燃えやすいものを屋外に放置しない。
● 犯行を早期発見する。・・・炎センサーで10メートル先の7cmの炎を検知し、音声威嚇。防犯カメラで炎の発生や不審者侵入を画像で確認・自動録画。異常発生を離れた場所にいる管理者のFOMA携帯電話に画像通報・動画で状況把握し、早期対応。
● 老人保健施設などでは119番自動通報装置などを設置し、押しボタンを押すと119番に自動通報する。徘徊防止は施錠やつっかい棒ではなく、電気錠を使用し、通常は徘徊者のみ施錠、職員・入居者は自由に出入り可能・火災発生時には自動的に開錠するシステムを導入する。
こうした物理的な防火対策に加えて、防火責任者を設置し、常に防火時の対応に関して関係者と協議する、消火器、火災感知器、スプリンクラーなど防火対策機器の定期点検、防火訓練などを実施するといったソフト面の防火対策も徹底して実施することが大切です。
被害が発生している建物の中には、何も防火対策もされず、防火訓練もしていないところや、施錠やつっかい棒で外に出れない状況のままのところも多かったのが印象に残ります。
火災の被害が大きくなるか、ボヤなど最小で押さえることができるかは、そこを管理する人間の防火対策やリスクに対する常日頃からの認識により大きく左右されます。
「法律に縛られていないからなにも対策をしない」という考えでは被害を防ぐことはできません。
どこも予算は厳しいでしょうが、失ってからでは遅すぎるのであるということを、高齢者施設「静養ホームたまゆら」や旧吉田邸の無残な焼け跡が教えてくれます。
この教訓を関係者は活かしていただきたいと願います。
文化財・老人保健施設・寺の放火対策
投稿者: スタッフ (2009年3月25日 09:35)
重文の旧住友邸全焼 放火の可能性も。
115日午前5時ごろ、国の重要文化財に指定されている横浜市戸塚区東俣野町の「旧住友家俣野別邸」が燃えていると、近所の住民から119番があった。同6時20分ごろに鎮火したが、木造2階建ての母屋延べ約650平方メートルを全焼し、隣接していた資材置き場のプレハブ小屋2棟も焼けた。けが人はなかった。
5隣接する工事用のプレハブ2棟も焼けました。
人は住んでおらず、けが人はありませんでした。
神奈川県警戸塚署は放火の可能性もあるとみて原因を調べています。
俣野別邸は改修補強のため、昨年1月から工事中でした。
周囲は高さ約3メートルのアルミ製フェンスで囲まれ、侵入者を探知する赤外線センサーも設置されていたが、警報装置が設置されていたが反応はなかったということです。
(3月16日 産経新聞・時事通信より抜粋)
現場は横浜市の西南端で、藤沢市との境。藤沢市では昨年1月、昭和初期の洋館「旧モーガン邸」が全焼する不審火があり、県警は関連を調べています。
歴史のある建物が全焼・・ということで、関係者は相当ショックを受けておられると思います。
外部からの侵入者を検知する赤外線センサーが設置されていたにも係わらず、警報が出ませんでした。
火災も近所の人が通報していますので、火災感知器なども作動しなかったと見られます。
放火犯がなんらかの事前の対応をしたのでしょうか?
ニュースでは詳細が記載されておらず、わかりかねます。
ただ、赤外線センサーを設置する場合でも、センサーの赤外線の方向を侵入者にわからないようにカムフラージュして設置する必要があります。フェンスに設置する場合や塀の上、下に設置する場合などにより赤外線センサーの取付場所は異なります。
又、1本の警戒ラインに頼るのではなく、最低二重の警戒ラインを設定し、もし万が一不審者が1本目の警戒ラインを超えて侵入したとしても次の警戒ラインで検知できるようにすることが重要です。
室内用の立体センサー(パッシブセンサー)、窓・扉開閉検知センサー(マグネットセンサー)も合わせて設置することで隙がなくなりより安全なシステムを組むことが可能です。
お寺や今回のような重要文化財の建物は、放火や火災などが発生すると取り返しが付かない事態となります。
放火対策としては、
● 不審者を敷地内に入らせないための防犯システムを設置する。
● 炎の段階で検知し知らせる炎センサーを設置する。
● 侵入や火災・放火などの異常発生時にはあらかじめ設定した5カ所の携帯電話にメール・音声・動画で通報する。
投稿者: スタッフ (2009年3月16日 10:07)
盗みの証拠を消すために放火。
全国で放火が相次いでいます。
京都でも伏見区で民家が3件放火と見られる不審火で焼失しています。
●放火:金盗み、ラーメン店に火 韓国籍・元従業員の容疑者を再逮捕 /東京(3月9日毎日新聞)
かつて勤務していたラーメン店に火をつけたとして、戸塚署は8日、韓国籍で新宿区西早稲田2、無職、T被告=窃盗罪で起訴=を現住建造物等放火容疑で再逮捕した。
Tは、2月5日午前6時ごろ、新宿区西早稲田2のラーメン店2階の一室で紙類にライターで火をつけ、同室約20平方メートルと隣接の書店2階の一部を燃やしたとしている。「金を盗みに入り、ばれるのが怖かった」と容疑を認めている。
店から現金約20万円を盗んだとして窃盗容疑で逮捕され、その後の調べに放火も認めたという。
●大阪・西成の死亡火災、窃盗罪の男が放火も自供 「ライター使った」逮捕へ(3月7日産経新聞)
大阪市西成区で昨年12月、店舗兼住宅が焼け、住人の女性が死亡した放火事件で、府警捜査1課と西成署は7日、現住建造物等放火の疑いで、西成区鶴見橋、無職、A(44)=別の窃盗罪で起訴=を逮捕した。足立容疑者は今年2月に窃盗容疑で府警に逮捕された際、任意の調べに対し、西成区の火災について「同居女性とけんかになり、いらいらしてライターで火をつけた」と自供していた。
府警の調べによると、足立容疑者は昨年12月11日未明、西成区鶴見橋のキムチ製造販売店のわきに置かれていた空き箱などにライターで放火し、木造2階建て店舗兼住宅延べ約200平方メートルを焼いた疑いが持たれている。
この火災で住人で韓国籍の康春伊さん(63)が逃げ遅れ、一酸化炭素中毒で死亡した。店内に火の気はなく、1階のシャッター外側とそばに置かれていた空き箱などが激しく焼けていたことから、府警は放火事件とみて捜査。店の向かいのアパートに住むA容疑者が浮上していた。
府警によると、A容疑者は放火事件後、天王寺区の路上で酔って寝ていた男性から現金数千円が入ったかばんを盗んだとして、2月4日に天王寺署に窃盗容疑で逮捕された。
けんかをしてむしゃくしゃしたという自分勝手な理屈での放火で、死亡者まで出ているのですからなんともあきれます。
放火は社会世相も反映します。長引く不況、派遣切り、政治不信・・・もっていくところのない負のエネルギーが放火など犯罪の一因になっているのでしょうか?
いずれにしても「自衛・・自分の安全は自分で守る」ということしかありません。
放火対策としては、
● 不審者を敷地内に入れない→外周警備システム● 建物外に放火されやすい物を置いておかない。
● 放火犯が隠れるようなスペースをなくし、死角をなくす。外灯などで明るくする。→防犯カメラ、人感ライト
● 放火をすぐに検知しベルやサイレン、音声で報知する→炎センサー、自主機械警備システムNEXT。
投稿者: スタッフ (2009年3月 9日 15:04)