今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
阪神負けて腹立った・・・ 中年カップル万引きで逮捕
プロ野球阪神タイガースのグッズを盗んだとして、兵庫県警甲子園署は4日、窃盗容疑で愛知県あま市七宝町桂河原の自称解体工の男(49)と兵庫県姫路市南車崎の自称会社員の女(40)を現行犯逮捕しました。
「阪神が試合に負けて腹が立った」と容疑を認めているという。
逮捕容疑は4日午後5時25分ごろ、同県西宮市の甲子園球場内のショップで、Tシャツや帽子など阪神グッズ計5点(1万500円相当)を盗んだとしています。
同署によると、2人は交際しており、この日は一緒に観戦。試合後、グッズをかばんの中に入れるのを、ショップの男性店長(62)が目撃し、声をかけたところ容疑を認めたという。
阪神はこの日、中日に敗れて3連敗を喫した。
<産経新聞 5月4日(月)23時45分配信より>
スポーツファンが興奮のあまり犯罪を犯してしまうのは珍しいことではありません。
サッカーのフーリガンをはじめ、自分達が応援する選手、チームが思っていたような活躍ができなかったり、結果が気に入らない場合、その腹いせに相手チームのファンを攻撃したり、また、全く無関係の物や人、店に八つ当たりすることがあります。
今回の阪神ファンの中年カップルの万引き事件もその一つです。
ただ、被害に遭ってしまった、八つ当たりされた店側にすればたまったものではありません。
自分達には何の責任がないにも関わらず、店の商品が盗まれたり、壊されたりするのは納得がいかないでしょう。
こういう人達はファンとは呼べないのかもしれません。
万引きをはじめとする犯罪の動機というのは、単にその物が欲しいというだけでなく、別のことで腹が立った、ストレス解消目的など様々です。
戦後の貧しい時代に物を欲した結果犯す犯罪とは動機が変わってきています。
投稿者: 総合防犯設備士 (2015年5月 8日 15:19)
1回の万引きの補填には6倍の売上が必要? 深刻な万引き事情
25万円のブリキの玩具を万引きされた古書店「まんだらけ」(東京都中野区)が、「期間内に盗品を返さなければ犯人の顔写真を公開する」と警告していた問題は、同社は13日、ホームページでの警察からの要請で顔写真の公開を取りやめたことで収束をみせつつあります。
しかし、今回のような問題が起きる背景には、「万引き」の無視できない深刻な状況があります。
今回の問題で焦点を当てるべきは、小売店が万引きによって多くの被害を受けており、それが放置できないレベルだということです。
しかし警察も法曹界も万引きの被害が出るままに放置しているように見えます。
警察庁は全国の万引き認知件数は2004年の15万8020件をピークに減少傾向に入り、13年は約12万6000件で、被害額は約27億円に達しています。
だが「全国万引犯罪防止機構」が全国550社から回答を得た実態調査では、推計被害額は13年度だけで837億円です。
万引きの検挙率は7割に達するという話もありますが、これは極めて疑わしい。
多くの小売店は万引きをいちいち警察に報告しません。
報告しても捜査がされることは殆どありません。
時間を使って報告するだけ無駄と諦めているからです。
特に書店のように利益率が低い業界は大変です。
書店の利益は一冊あたり2割程度です。
1冊盗まれたら、元を取るのに5冊売る必要があり、利益を出すためにはもう1冊、つまり6冊、6倍も売る必要があります。
万引き1回に対して6倍の売上、努力が必要なのです。
テレビに出演している弁護士はこのような現状を認識しているのでしょうか。
仮に自分の弁護料がいつの間にか盗まれ、それを補填するために6倍も仕事をしなければならない立場に自分がなったとしても、さらっと、容疑者の顔を晒すのは名誉毀損だ、脅迫だ、違法は違法ですと涼しい顔をしていていられるでしょうか。
実際に小売店では万引きが原因で廃業に追い込まれるケースもあります。
近年、ネットの発達によって万引きした商品の売買が極めて容易になっていることも問題です。
昔ならば古物商に直に持ち込む必要がありましたが、現在はネット上で古物商のみならず、より警戒心が薄い個人に販売することが可能であり、換金し易くなっています。
つまりカネ目当ての万引きがかなり増えている可能性が高い。
現行法では万引きは現行犯でなければほぼ検挙できません。
また検挙されても罰則が極めて弱い。
店舗側が懲罰的な罰金を犯人に課すのは違法であると主張する弁護士もいます。
「バレたらカネを払えばいい」と居直る犯人が増えるわけです。
弁護士は犯罪者の人権保護には熱心ですが、被害を受けた店舗側の人権には極めて鈍感です。
実際まんだらけ関係者によると、抗議も来ましたが、励ましの連絡も多かったらしい。
特に小売店からはよくぞやってくれたという激励が極めて多かったという。
上場企業である「まんだらけ」がこのような行動に出るにはリスクも高く、それでも恐らくは顧問弁護士と相談した上で、敢えて法的なリスクを犯しても、世にこの問題を問いたかったのでしょう。
それだけ小売店にとって万引きは大きな問題なのです。
無論悪法でも法は法であり、これらの弁護士の主張は妥当であるとは思う。
だが悪法であればそれを正していく、少なくとも現在の法の問題点や欠陥を指摘するのが、法曹関係者の役目ではないでしょうか。
そもそも「万引き」という呼び名が、脱法ドラッグ同様、軽いイメージを与えているのではないでしょうか。
例えば「店頭窃盗」とか、より犯罪であることを惹起できる呼び名に変えることも必要ではないでしょうか。
現在、罰金などのペナルティが極めて軽い。これをもっと重くするなど、抑止の方法を改善すべきでしょう。
<8月14日(木)23時42分配信より>
まんだらけの事件は様々な反響がありました。
万引き被害に関して、多くの人が真剣に考える良い機会になったのではないかと個人的には思います。
今回紹介された記事でも万引き被害の深刻さが訴えられています。
1回万引き被害に遭ってしまった場合、その被害分を補填するには6倍の売上が必要ではないかという予測です。
万引き=盗難ですから、お金を掛けて仕入れた商品がなくなり、売上は0円ですから、そのような試算もうなずけます。
薄利多売の商品の場合、より深刻です。
万引き被害に対して、人の力だけでなんとかしようとするのは大変です。
人の目による監視には限界があります。
いくら人を増やして、全員で集中して監視しても、全ての犯人を捕まえる、全ての犯罪を未然に防ぐことができるわけではありません。
これが機械なら、より正確で、疲れることを知らずに監視することができます。
もちろん、防犯カメラは完璧ではありませんから、犯罪被害に遭う可能性がゼロになるとは限りません。
ただ、人と比較すると、より大きな働きが期待できます。
防犯カメラで映像を記録すれば、今回のまんだらけのように犯人を示す大きな手がかり、そして証拠にもなります。
人の目に焼き付けても、それを形に表現するのは至難の技です。
似顔絵でどこまで犯人に近づくでしょうか。
似顔絵を描く人の技術が高くても、顔の特徴などをうまく伝えられなければ、結果としては全然別の人相になってしまいます。
また、人の記憶は薄れてしまいます。
その瞬間はっきり覚えていた顔も時間と共にあいまいになってしまうことがあります。
ここが防犯カメラで記録した映像との違いでしょう。
防犯カメラの場合は死角というものはありますが、人のような油断とか隙というものはありません。
経年劣化や消耗ということはありますが、機能を発揮できれば、疲れや集中力欠落のような不安定なものではなく一定の力を継続することができます。
現金で購入する場合は、導入費用が掛かりますが、リースやクレジットなら毎月いくらという分割した費用になります。
長期的に考えると、人件費と比較すると、防犯カメラの方がかなり安い費用となることも多いでしょう。
万引きに悩んでいる経営者の方は、一度費用を算出してみるのはいかがでしょうか。
投稿者: 総合防犯設備士 (2014年8月28日 19:24)
台湾 60歳の僧侶が戒律破りスーパーでビーフジャーキむさぼる
台湾中部の南投県で17日までに、60歳の僧侶がスーパーの店内に陳列されていたビーフジャーキーをその場で食べたり盗もうとしたために、逮捕されました。
台湾では「肉食をしない」などの仏教出家者の戒律が厳格に守られています。
同ニュースを知った台湾人は、僧侶が商品を盗んだことよりも、「肉を食べた」ことに大きな衝撃を受けました。
環球網などが報じました。
店側はまず、売り上げ記録がないにもかかわらず、袋入りのビーフジャーキー数点がなくなっていることに気づきました。
防犯カメラの映像を確認したところ、僧侶の姿をした高齢者が商品棚のそばの床に座り、人目につかないようにして食べている姿が映っていました。
その後、同一の「僧侶姿の男」が再び来店し、前回と同じビーフジャーキーを陳列する棚にまっすぐ向かいました。
店側はただちに警察に通報。
僧侶の荷物を調べたところ、前回食べていたのと同一のビーフジャーキーが入っていました。
警察は同僧侶を、窃盗の容疑で逮捕しました。
僧侶は戒律を破ったことと盗みをしたことを謝罪しました。
警察の取り調べに対しては「どういうわけか分からないが最近になり、肉を食べたい気持ちがこみ上げるようになった」と話しているという。
台湾の仏教界では、出家者の「酒を飲まない」、「肉を食べない」、「殺生をしない」などの戒律が厳格に守られています。
そのため、多くの人は僧侶の窃盗行為に対してではなく「盗みまでして、肉を食べた」ことに衝撃を受けたという。
◆解説◆
日本でも江戸時代までは、戒律を設けなかった浄土真宗が肉食や妻帯を認めていた以外は、仏教出家者は公然と妻を持つことや肉類を食べることができませんでした。
日本以外の仏教界では出家者が戒律にもとづき、肉食や妻帯をしないことが一般的です。
そのため、日本における僧侶の生活ぶりを知ると、驚くことが多いという。
なお、仏教でも早い時期には出家者の肉食が完全に禁止されていたのではなく、肉食は好ましくないとされながらも、「わざわざ自分に供するために殺された肉と、その疑いがある肉」を食することが認められなかっただけとされます。
チベット仏教では、肉食についてはかなり「大らか」な場合が多い。
ただし、出家者の妻帯は認められていません。
<サーチナ4月25日(金)17時29分配信より>
台湾でのニュースです。
60歳の僧侶がスーパーで万引きし、戒律では禁止されている肉類をむさぼり食べているところが防犯カメラに映っていたという事件です。
物を盗んだという窃盗行為に加え、肉を食べたという戒律破りの二重での衝撃を与えた事件のようです。
日本でも「生臭坊主」という言葉がありますが、戒律を守らず、肉や魚などの生臭物を口にする怠け者の坊主を指します。
また、本来の主な仕事である修行やお勤めをさぼり、さらにはお金のことばかり考える僧侶のことも指すようです。
万引きしたスーパーには防犯カメラが設置されており、その映像がもとで犯行が発覚したようですが、その場で食べたぐらいですからよほど食べたかったのでしょう。
聖職者が万引きし、戒律を破って肉食するという心理状態を考えると、防犯カメラがあろうとなかろうと関係なかったのかもしれません。
本来は犯罪の抑止効果として役立つ防犯カメラですが、犯罪者が極限状態、追い詰められた状態だと残念ながら犯罪を思い留まらせるには至りません。
ただ、犯行後の犯人特定や犯罪の証拠としては活用できますから、設置したことは決して無駄にはならないでしょう。
投稿者: 総合防犯設備士 (2014年5月 2日 18:11)
万引き一家 夫婦で子供2人に電化製品の万引き指示
子供2人に万引きさせたとして、埼玉県警蕨署は29日、埼玉県川口市の女(26)と内縁の夫(25)を窃盗容疑で逮捕しました。
発表によると、両容疑者は7月14、15の2日間にわたり、同県蕨市内の電器店で、女の長男(9)と長女(5)に液晶テレビ1台とブルーレイディスクレコーダー4台(計20万8400円相当)を盗ませた疑いです。
段ボールに入った商品を店内で子供に手渡し、外に持って行かせたという。
調べに対し、「生活に困っていて、盗んだ商品は換金した。子供は何も知らず、責任はない」と供述しているという。
<読売新聞10月30日(水)11時58分配信より>
このような事件が時々報道されますが、子供が不憫でなりません。
9歳と5歳の子供が自分の意思で盗もうとするはずもなく、親の指示、命令でやっただけのことです。
持ち出してはいけない商品を、誤って店の外に持って出たのとは話が違います。
また、報道において、不思議なのが、両被害者名が伏せられて報道されていることです。
万引きも含めた軽微な犯罪については、実名報道が避けられることがあるようですが、他の事件で万引きの容疑者が実名で報道されることが度々あります。
例えば、公務員であったり、芸能人や有名人なら間違いなく実名で報道されます。
何も実名で報道する必要はないのでは?と感じるケースもあります。
今回のような両親が子供に万引きをさせるような悪質なケースこそ、実名で報道するなら、それが適用されてもおかしくないと感じます。
万引きという窃盗犯罪の質や手口、加害者の年齢や性別、動機などは様々ですが、結果としては、等しく被害者の財産や商品を盗むという行為に変わりはありません。
相手が何であれ、結果が同じですから、被害者にとっては関係のないことです。
つまり、いつ、誰が、どのように万引き犯となるか予測ができないということです。
商品を盗む気がなくても、店内に店員がいない、忙しくて気がまわらない、商品が繁雑に置かれているなど、もし盗んでも分からない、ばれないのではと思わせるような何かがあると、人は良からぬ考えが浮かんでしまうことがあります。
それは人の勝手とも言えますが、少なくともそのような良からぬ考えを起こさないような環境を整えることが必要です。
店員による監視、防犯カメラによる監視、万引き防止機による物理的な対策など、人と機械両面での防犯対策をとることをお勧めいたします。
投稿者: 総合防犯設備士 (2013年11月 8日 16:31)
万引き犯の写真を公開し店内に掲示 効果は絶大!
万引した人物を警察に通報せず、顔写真を店内に無期限で掲示するという、大阪市の鮮魚店の「万引防止策」が波紋を広げています。
頻発した被害をなくすための"苦肉の策"で、店側は「悪いのは万引した人。(貼り出しを)やめるつもりはない」と強気です。
法律の専門家の間では「強要罪や名誉毀損(きそん)罪にあたる」「違法性はない」と意見が分かれ、法やモラルの線引きの難しさが議論を呼んでいます。
大阪市北部の市場にある鮮魚店。
一見普通の店ですが、レジ横の「警告!」と書かれた貼り紙が目に飛び込んできます。
《当店で万引き等の行為を発見・確認した場合、警察には通報せず、犯人の顔写真を撮影し、店頭に貼らせていただきます(無期限)》
《当店内の商品を無断で当店外へ持ち出した方は万引きとみなし、体罰でつぐなっていただきます。しばかせてもらいます》
さらに《お小遣いかせげます! 万引き犯の罰金(1品につき1万円)をそのままお渡しいたします》と、客にも"万引摘発"を推奨。
別の貼り紙には《万引き ドン引き》などと書かれています。
貼り紙の近くには、中高年の男性2人と女性1人の顔写真6枚が貼り出されています。
表情はみな険しく、泣き出しそうな男性の写真もあります。
同店は平成17年に開店。
年間数十件の万引被害に悩んでいましたが「現行犯」として目撃できませんでした。
だが23年12月、歳末の買い物客らでごった返す店内で、中年男性が魚を手に持ち出すのを発見。
追いかけて問い詰めると、男性は「いま代金を払おうと思ってたんや」と開き直りました。
その場で顔写真を撮り、店内に貼り出したのが第1号になりました。
以降、被害は年間数件に減り、効果は絶大でした。
それでも、商品をかばんに入れて持ち去ったり、上着の袖に隠したりした30~70代の男女計4人の顔写真をその後貼り出しました。
うち30代女性は罰金1万円を支払ったため写真をはがしました。
男性店主(31)は「もちろん万引した人に手は出さないが、しばきたいほどの思い。毎日休みなく朝から晩まで働き、お客さんに喜んでもらおうと出した魚を盗まれるのは許せないし、店が潰れてしまう」。
店主は「自分の写真を見て、万引の重大性や罪悪感を感じてほしい」と話し、独自の万引防止策をやめるつもりはないという。
◆冤罪の恐れ/違法性なし...法律家も見解分かれる
警察庁によると、昨年の全国の万引認知件数は13万4876件。
NPO法人・全国万引犯罪防止機構(東京)の調査では、全国のスーパーや百貨店など296社での平成23年度の万引被害額は計約360億円に上ります。
この鮮魚店が入る市場では、別のスーパーも約5年前、当時の経営者の発案で万引犯の顔写真を店内に掲示しました。
しかし、顧問弁護士から訴訟の可能性を忠告され、掲示をやめました。
ただ、法律家の間でも見解は分かれます。
大阪弁護士会のある弁護士は「プライバシー権や肖像権の侵害として、訴訟が起きてもおかしくない」と指摘。
身近な法律問題に詳しい愛知県弁護士会の弁護士は「顔写真の撮影に無理に従わせようとすると強要罪、写真を店内に貼り出すのは名誉毀損罪にあたるおそれがある」とし、「店が一方的に万引と判断すると冤罪(えんざい)につながる可能性もある。警察に通報すべきだ」と話します。
一方、人権問題に詳しい札幌弁護士会の弁護士は「違法性はない」と判断。
「店が警告しているのに万引するのだから、顔写真の貼り出し自体はプライバシー権の侵害にあたらない。罰金も民事上の損害賠償にあたる」とみます。
万引は窃盗罪で、10年以下の懲役か50万円以下の罰金が科されますが、初犯や被害が少額などの場合、穏便な処分となることもあります。
だが、被害店舗にとって万引は死活問題です。
鮮魚店の店主は「今回、うちのやり方が注目を集めたけど、これを機に万引の重大性を社会全体で考えるきっかけになってほしい」と願っています。
<産経新聞 6月27日(木)14時35分配信より>
店で万引きした人の顔写真を店内に掲示、罰金1万円を支払ったらはがす、さらに万引き摘発に協力した人に、その1万円を渡すという協力体制もつくっています。
賛否両論、違法か合法か、とかなり議論になりそうな内容です。
万引き犯として確実でなければ、写真の掲示はえん罪の可能性もあり、その判断には慎重さが求められます。
ただ、警察に通報するということが万引きという犯罪の抑止力にならない場合、このように顔をさらされることは「恥」という別の罰を与えることとなり、効果は絶大なのも分かります。
警察に捕まることは何でもないと考えている者でも、自分の顔が犯罪者としてさらされ、人の噂になることは決して好まないでしょう。
1万円の罰金を払った万引き犯の女も、他人に知られるのは恥ずかしい、それが身内や知り合いに知れたら、と考えてその店で万引きしたことは後悔したはずです。
犯罪者、特に泥棒に対しては、新たな防犯対策と言えます。
ただ、以前、書店で万引き犯が逃走し、電車にはねられて死亡するという事件がありました。
書店店主は世間に非難、批判され、結局廃業に追いやられるという結末でした。
被害者であるはずに書店店主は何も悪いことはしていないと思いましたが、加害者である犯人の死亡という結末だけが問題でした。
暴力を振るったわけでも、脅したわけでもないはずです。
このケースと比べると、今回の鮮魚店主の試みはより過激です。
実際にはしないと言っていますが、体罰でつぐなっていただきます。しばかせてもらいます。と張り紙で掲示しています。
おそらく色々な人が色々な意見を持ち、それぞれ考えさせられる事件と言えます。
ただ、万引きは犯罪ですし、お金を払って仕入れた商品が無断で盗まれるという犯罪行為が店の経営に深刻な影響を及ぼすという現状もよく理解できます。
得られるはずの利益が、泥棒によって盗まれる訳ですから、それらが多発すれば商売として成り立つ訳がありません。
万引きという犯罪がなくなれば、このような問題が起こらないのですが、そうするまでが大変なことです。
投稿者: 総合防犯設備士 (2013年7月 4日 14:28)
万引き事件で誤認逮捕 防犯カメラの映像が人違い
岡山県警は14日、万引き事件で同県津山市の70代の男性を津山署が誤認逮捕し、10時間以上たって釈放したと発表しました。
防犯カメラの映像を基に逮捕しましたが、別人でした。
同署は男性に謝罪しました。
県警刑事企画課によると、県内のスーパーで今月7日、育毛剤が盗まれる事件が発生。
防犯カメラに写っていた犯人に似た男性が13日午前に来店したため、店の保安員が津山署員に知らせました。
男性はその場で「身に覚えがない」と話しましたが、署員はカメラに写った男と判断し、窃盗容疑で逮捕しました。
しかし、男性宅の捜索で被害品が見つからなかったことなどから、13日夜に釈放。
翌14日に防犯カメラの映像解析で別人と確認しました。
<時事通信 6月14日(金)22時6分配信より>
防犯カメラは設置場所や設置方法によっては様々な効果があります。
その映像から犯人の身体的特徴や犯行の足取り、犯行時刻の特定などができ、さらに設置していることで、犯罪の抑止効果(犯罪者に対して、その場での犯行を思い留まらせる効果)もあり、使いようによっては非常に役立ちます。
しかし、それを使う側の人間が誤ると、充分な効果を発揮できない場合があります。
防犯カメラ自体の機能が現場や実際の用途と合っていない(照度変化を調整する機能がないカメラ、カラーと白黒の違いなど)。
防犯カメラの向きや設置場所が悪く、死角が多い。
防犯カメラの台数が少なく、重要な箇所をカバーしきれていない。
これらの問題は防犯カメラが悪いのではなく、設置した側、つまり購入者や設置業者に問題があるということです。
もちろん、予算や現場の都合により、そうしなければならない、それで運用しなければならないという事情もあるでしょう。
ただ、今回のように、防犯カメラの映像を見た人の判断ミスとなると、完全に人の側の問題です。
人違いで逮捕され、10時間以上も拘束されていたというのは許されない間違いです。
それだけの無駄な時間を費やす前に、防犯カメラの映像解析を急ぐべきでした。
判断ミスに続き、順番も違っていたのでしょう。
もし、身に覚えがない犯行で、10時間以上も拘束され、犯行を認めない限り、〇〇日間は家に帰さないと言われたら、やっていない犯行でも認めてしまった方が楽だと考えてしまう人もいるでしょう。
えん罪などで、実際の取り調べに関して、テレビなどで取り上げられることがありますが、今回の事件も含めて、警察に対する信用度・信頼度が大きく影響してくる問題です。
今回の事件では防犯カメラ自体には何の問題もありません。
使う側、利用する側がもっと賢くなるしかありません。
投稿者: 総合防犯設備士 (2013年6月21日 15:41)
日本の万引き被害額は世界第2位!
今月2日に公表された警視庁による2012年上半期の犯罪情勢によると、子どもが加害者となる犯罪の約7割が、万引きやオートバイ・自転車盗、拾得物横領といった初発型非行だといいます。
しかし、検挙人員は過去10年間で見ると減少傾向で、上半期は前年同期比で19.1%減に。
特に万引きは25.2%と大きく減少したようです。
とはいえ、日本の万引きの被害額は4500億円以上(2011年度)。損失総額は世界で2番目に多いのです。
書籍『万引きの文化史』では、アメリカでの万引きの実態を中心に、16世紀から始まった「万引き」行為について紹介しています。
万引きの形態は国や地域によって異なります。
日本では、これまで"家族"を守ってきた社会構造が崩れ、高齢者による万引き率が過去最大となっています。
万引きした4人のうち3人はお金を所持していたというデータもあり、単純に商品を購入できないといった理由だけではなく、ストレスなどの心理的な部分も大きく影響しているのではないでしょうか。
海外の万引き事情はどうでしょう。
共産主義体制が崩壊したロシアでは、ようやく万引きができるだけの商品がお店に揃うようになりました。
そこである興行家が万引きを競うゲームを企画。
参加料を払ったビジネスマンが、スーパーマーケットで30分間つかまることなく万引きを行い、最も高価な商品を盗んだ者が優勝者となるのです。
シンガポールでは万引きの罪で7年の刑を受けることがあり、ドバイとアブダビは昔から万引きが少ないと言われています。
パキスタンの高級ショッピング街では、ブルカ(女性のヴェールの一種)を着た女性万引き団が宝石店を襲っています。
深いポケットをブルカにつけ、万引きを繰り返すのです。
イラン、サウジアラビア、ソマリアなどアラブ世界の一部では、窃盗犯の手首切断刑がいまでも実施されているとか。アメリカでは映画スターやセレブたちにより万引きが続いています。
根絶することのできない万引き行為。
人が万引きを行う理由はどこにあるのでしょうか。
貧しい者が行うのならともかく、裕福な人物が地位も名誉も危険にさらして万引きに及ぶ場合もあるのです。
人の心の底にある闇とは、なかなか解明できないもの。
心理学や精神分析、精神医学、犯罪学の専門家は、現在もなお、この問題について議論を重ねているのです。
<WEB本の雑誌 10月20日(土)11時0分配信より>
日本は物価が高いとは言え、万引きの被害額4500億円以上というのは多く感じます。
人口や治安の良さを考えると、世界第2位という結果は非常に不名誉ですし、何か原因があるのだろうと考えさせられます。
このニュースを見るとよく分かります。
ロシアで万引きが少ないのは、最近、万引きができるだけの商品がようやく揃うようになったからということです。
これから日本のような経済大国となり、物資が豊富になれば、万引件数が増えてくると思われます。
シンガポールの万引きの罪が7年の刑、イラン、サウジアラビア、ソマリアでは窃盗犯の手首切断刑という厳罰を恐れて万引きが少ないのが分かります。
万引きという犯罪が命がけですから、日本の万引き犯とは明らかに違います。
また、自分や家族が食べるため、生きるために行う万引きと、日本やアメリカのようにお金は持っているけど万引きを行うというのも意味が違います。
商品は欲しいけどお金は払いたくないという自分の利益しか考えていない者が行う万引き、ストレス解消やスリルを味わうための万引き(商品は何でもよい)、自分の趣味や好みのために欲しい商品を盗む万引き(生活必需品ではない)、高齢者が家族に構ってほしくて行う万引きなど、一口に万引きといっても動機、手口は様々です。
万引き行為が見つかると、お金を払えばいいのだろうと逆に開き直る者もいます。
全ての万引き犯に有効な対策というのは難しいでしょう。
警察に捕まること、家族や周囲の人に気付かれるというのが抑止力にならない動機もあります。
万引き対策を行う場合は、万引き犯の傾向、動機や手口なども考えての対策が効果的です。
投稿者: 総合防犯設備士 (2012年10月30日 19:20)
16歳万引きカップル? 食料品75点盗む
大型量販店の食料品売り場から食料品75点を盗んだとして、県警草津署は30日、窃盗の疑いで、草津市内の無職少年(16)と京都市内の高校1年の女子生徒(16)を現行犯逮捕しました。
同署によると、2人は容疑を認め、「夕食にするつもりだった」などと供述しています。
逮捕容疑は、30日午後2時10分ごろ、草津市内の大型量販店の食料品売り場から弁当や調理パンなど75点(約9800円相当)を盗んだとしています。
同署によると、2人は買い物カートに商品を入れた後、持ってきたポリ袋に入れ替え、レジを通さず店の外に出たところ、保安員が見つけ同署に通報。
駆けつけた署員が現行犯逮捕しました。
<産経新聞8月1日(水)7時55分配信より>
スーパーでは、エコバッグ、マイバッグ持参が珍しくありません。
レジ袋不要のカードを出す人が増え、スーパー側もレジ袋を有料にするなど、積極的に推進しています。
ただ、良い面ばかりではなく悪い面もあります。
不自然な怪しい袋やバッグを持っていてもとがめられません。
少し前は、大きなバッグは持ち込みを遠慮願います、という張り紙やアナウンスが流れるスーパーもありましたが、これがマイバッグだと言われれば何も言えません。
それを利用して万引きを行う者も増えているでしょう。
今回のスーパーのように保安員、店員、警備員が居て、常に目を光らせていれば、ある程度の犯行は防げるでしょう。(決してゼロではありませんが)
小さなスーパーや経費的に余裕のない店舗ではそうはいきません。
どこかで穴ができるというか、弱くなったところを狙われてしまいます。
スーパー側も万引き犯に狙われない、敬遠される環境を作らなければなりません。
さきほど述べた店員、警備員による巡回、監視だけでなく、防犯ミラーや複数台の防犯カメラ設置による映像の記録など、いくつもの防犯対策を組み合わせ、より犯行が行いにくい環境にしなければなりません。
あそこの店は万引きがしにくい、捕まるぞ、と万引き犯同士が情報交換するような環境になれば大成功です。
あそこはやめて別の手薄な店を探そう、そっちを狙おうということになります。
今回捕まった16歳の男女もそのスーパーを狙ったのは理由があったのかもしれません。
防犯カメラがついていない(または少ない)、店員の監視がない、などです。
食料品75点の万引きというのはとても大胆な犯行です。
ちょっと欲を出しすぎでしたか・・・。
投稿者: 総合防犯設備士 (2012年8月16日 08:47)
万引き男 飼い犬を現場に置き去りにして逃走
コンビニでガスボンベなどを盗んだとして兵庫県警西脇署は4日、窃盗の疑いで兵庫県西脇市日野町の無職の男(51)を逮捕しました。
事件があったコンビニの店外には、ダックスフントがつながれたままになっていて、同署は周辺の聞き込み捜査から、飼い主の男を割り出し、行方を追っていました。
逮捕容疑は4月27日午前6時15分ごろ、西脇市寺内のコンビニで、ガスボンベやチョコレートなど5点(約2千円相当)を万引したとしています。
同署によると、男は容疑を認めているという。
男は犯行を店長に見られ、店外につないでいた飼い犬のダックスフントを置き去りにして逃走。
犯行後は、自宅に帰らず野宿を続けていたといい、4日に社署に出頭しました。
<産経新聞 5月4日(金)23時51分配信より>
間抜けな万引き犯の犯行です。
万引きを行った店舗で、犯行を見られたため、愛犬(?)を置き去りにして逃走、その後、周辺の聞き込み捜査から、飼い主が割り出されてしまったという事件です。
衝動的な犯行なのでしょうか、犬を店外につないでいたぐらいですから、大事な愛犬だと思います。
それを置き去りにして、ガスボンベやチョコレートなど2千円相当を盗みました。
結果として、損をしてしまったような犯行結果です。
最終的には、愛犬は失わなかったものの、逮捕されてしまったわけですから、2千円で逮捕されるというのは割に合わない結果でしょう。
普通、犯罪者は、危険性とその成果を比較します。
逮捕されるかもしれないという危険性と、その犯罪を犯すことで得られる成果、対価(現金や商品など)を比較し、それだけの価値があるかどうかを常に見極めます。
今回の場合は、明らかにその価値が無かった、衝動的な犯行と言えるでしょう。
しかし多くの場合、犯行はより計画的に、よりち密に行われます。
事前に犯行現場の下見を行い、自分が捕まる危険性があるかどうかを確認します。
すなわち、防犯カメラや防犯センサーなどの障害があるかどうかを確認するのです。
防犯カメラがあれば、仮に犯行が成功しても、自分の映像が記録されている可能性がある訳ですから、結果として逮捕される危険性が高まります。
防犯センサーの場合は、ベルなどの威嚇装置が働き、その場での犯行が継続できないだけではなく、周囲に知られてしまいます。
不審者として顔や姿を見られてしまう危険性が高まります。
このような「障害」はできるだけ避けようとします。
泥棒だって捕まるのは嫌だからです。
防犯対策が効果を発揮するのは、実際に泥棒の犯行を直接阻止することだけではありません。
防犯対策が行われていることによって、見えない部分で、泥棒がその場での犯行を思い留まっているケースも多くあると思われます。
それが目に見える部分、成果として現れることは少ないので、防犯対策の効果が分かりにくいということもあります。
実際には防犯対策を行うことで、まだ犯行として行なわれていない犯罪者から守られているということもあるのです。
投稿者: 総合防犯設備士 (2012年5月 7日 18:41)
万引き容疑者、約4割が「お金もったいない」 京都
"万引き(窃盗)の疑いで府警が取り調べた容疑者203人の40%に当たる80人が「お金を払うのがもったいなかった」と犯行動機を供述していることが、府警がまとめた容疑者の意識調査で分かった。
府警犯罪抑止対策室によると、調査は今年1~3月に万引きの疑いで府内14の警察署に検挙された全容疑者203人から事情聴取した内容を整理する形でまとめた。年代別では20歳未満の少年が64人(32%)▽20~64歳が89人(43%)▽65歳以上が50人(25%)だった。
全年代で「お金がもったいない」に次いで多かった犯行動機は「生活が苦しかった」43人(22%)▽「何となく」35人(18%)の順。犯行場所を選んだ理由は、115人(58%)が「特に理由なし」だった一方、16人(8%)が「店員や警備員が少ないから」▽10人(5%)が「死角が多いから」だった。
少年に限った調査では、万引きについて37人(61%)が「絶対やってはいけない」と答える一方、19人(32%)は「やってはいけないことだが、そんなに大きな問題じゃない」との認識を示していることが分かった。
府警は、このほど開催した「万引き防止官民合同会議」で調査結果を公表。会議に出席した小売事業者からは、防犯カメラの増設や、店員のこまめな巡回など、積極的に万引きを減らすための取り組みの報告もされた。
府警の担当者は「増加傾向にある万引きが、売り上げや経営に影響を与える事例もあり、店側にも万引きを減らそうという機運が高まっている。将来的には協議会を立ち上げ、犯罪の起こらない店舗設計にも取り組みたい」と話している。"
【毎日新聞 9月29日より】
京都府警が行った万引きに容疑者に対するアンケート結果が公表されました。
結果は上記の記事の通りですが、恐らく他の地域で同様のアンケートを実施しても同じような結果となるのではないでしょうか。
それにしても、万引きを軽い犯罪と考えている人は結構多いのでしょうか。
上の記事のアンケート結果を見てみても、「やってはいけないことだが、そんなに大きな問題じゃない」と回答した若者が3割もいたようです。
万引きは窃盗の一種であり、れっきとした犯罪行為にあたります。
また、万引き時の状況によってはさらに重い罪に問われるケースもあるようです。
例を挙げますと、店員や警備員が万引きを止めようとした際、彼らに対して暴力を振るえば強盗罪成立となり(事後強盗)、その際に店員や警備員にかすり傷でもつけてしまえば強盗致傷罪が成立する場合もあります。さらに、店員や警備員が倒れこみ、当たり所が悪く死亡してしまった場合には、強盗致死罪となります。
そのほかに気になる点として、上記の万引き容疑者が「店員や警備員が少ないから」「死角が多いから」と回答しているケースが見られますが、これは憂慮すべき事態です。
こういった「狙いやすい店」というのは万引き犯同士でも話題になるようで、そのままにしておくとターゲットになり続けてしまう恐れがあります。
死角を減らすために防犯カメラや防犯ミラーを設置するなどして、狙いにくい環境と整えていきましょう。
被害を減らすためには店舗側の努力だけなく、家庭や学校の協力も不可欠です。
「やってはいけない行為」として理解させるよう、目につく場所への掲示物などを貼るのも効果があるかもしれません。
◆万引き
投稿者: スタッフ (2011年9月30日 13:20)