今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
「捕まらないから繰り返す」 福山大教授 万引き犯の心理分析
"福山大の平伸二教授(犯罪心理学)は、福山東署が万引の容疑者に実施したアンケートを基に動機や規範意識を分析した。主に「捕まらない」との理由で犯行を繰り返す実態や各世代の動機の特徴が浮かび上がり、同署は万引の抑止に生かす。
アンケートは昨年1~6月に実施した。万引の犯行を認めた少年84人、20~59歳の成人24人、60歳以上の高齢者27人の計135人を対象に調べた。
中国新聞に興味深い記事が掲載されていました。
犯罪心理学の教授による、万引き犯へのアンケート分析です。
少年(84人)、成人(24人)、高齢者(27人)の3グループ(計135人)に分けてアンケートを実施、世代ごとの回答を分析したところ、動機の特徴などが見えてきたそうです。
紙面から「万引きの犯行動機」を抜粋してみると、下記のようになります。
【少年(19歳まで)】
「所持金が足らなかった」(48.8%)
「所持金を使うのがもったいなかった」(30.0%)
「スリルなどのゲーム感覚」(10.0%)
「友人に誘われて断れなかった」(8.8%)
「盗んだものを売って現金を得たかった」(2.5%)
【成人(20~59歳)】
「所持金を使うのがもったいなかった」(48.0%)
「所持金が足らなかった」(36.0%)
「盗んだものを売って現金を得たかった」(12.0%)
「スリルなどのゲーム感覚」(4.0%)
【高齢者(60歳以上)】
「所持金を使うのがもったいなかった」(79.2%)
「所持金が足らなかった」(12.5%)
「スリルなどのゲーム感覚」(8.3%)
"動機についての問いでは、少年は「所持金が足らなかった」が48.8%で最多だった。「所持金を使うのがもったいなかった」(30.0%)の割合がほかの世代より低い一方、「スリルなどのゲーム感覚」(10.0%)が目立つ。3世代で唯一「友人に誘われて断れなかった」(8.8%)との回答もあった。
成人と高齢者はいずれも「もったいなかった」が最多で、高齢者は8割近くに上った。平教授は「少年は友人との遊び感覚、高齢者は生活への不安がうかがえる」とみる。
万引への考え方を聞くと、「犯罪だとは思っていない」の回答は全世代でゼロ。繰り返す理由は、「捕まらないから」が少年73.4%、成人39.1%、高齢者41.7%と各世代とも最多だった。"
【中国新聞 2月12日より】
教授の分析結果は非常に興味深いものです。
これは広島で行われたものですが、全国規模で同様の事を行っても同じような結果が出るのではないでしょうか。
特筆すべきは成人・高齢者の回答で一番多いのが、「所持金を使うのがもったいなかった」という動機です。
手元にお金があるにも関わらず、「捕まらないから」と万引きをしている事がうかがい知れます。
万引きに対しては、防犯カメラ、万引き防止システム、防犯ミラーなど防犯装置・システムによる対策と併行して、店舗側の防犯に対する姿勢や従業員教育などソフト面の対策も実施することが大切です。
投稿者: スタッフ (2011年2月12日 09:58)
万引き、65歳以上の検挙最多に
"万引きをしたとして逮捕・送検された65歳以上の高齢者が、昨年は2万7362人と、統計を取り始めた86年以降で最多となったことが27日、警察庁のまとめで分かった。万引きの検挙者全体に占める年齢層別の割合も、高齢者と少年がほぼ拮抗(きっこう)している。
同庁によると、万引きで検挙された高齢者は、65歳以上の年齢層に区切った統計を取り始めた86年に4918人だったが、99年に1万人を超え、04年には2万人を突破した。
万引きの検挙者に占める高齢者の割合は、86年は5.1%だったが、昨年は26.1%に達した。
少年(14~19歳)が占める割合は、00年は42.5%だったが、減少傾向が続き、昨年は27.1%になっている。
昨年、全国の警察が認知した万引きは14万8375件(前年比1517件減)、被害額は約31億5546万円(同3億3641万円減)、
検挙者は10万4827人(同401人減)だった。全国の刑法犯全体の認知件数は減少傾向にある一方、万引きの件数は微減にとどまる。このため、刑法犯全体に占める万引きの認知件数は、00年の4.6%から、昨年は9.4%と10年で倍以上になった。"
【1月27日 毎日新聞より抜粋】
以前は万引きというと、未成年者の犯罪というイメージがありました。
ところが警察庁のまとめによりますと、万引き犯の年齢層は、高齢者と少年の割合がほぼ同じであるとの事です。
確かに以前よりも高齢者の万引き事件がよく報道されるようになったと感じます。
このブログでも以前に何度か高齢者の万引きについて取り上げてきましたが、換金目的やゲーム感覚で万引きをする少年に比べ、生活に困窮し、または孤独に耐えられなくなって万引きをするという動機が多いようです。
人と話がしたくて万引きをする、というのはあまりにも悲しい動機ですね。
警視庁が万引きした高齢者に、ボランティアへの参加を勧めるなど、各都道府県で対策に乗り出しているという事で、官だけでなく民間でも何らかの対策を取っていく必要があります。
投稿者: スタッフ (2011年1月27日 13:27)
万引きした本を盗んだ店に売って逮捕
何も考えていなかったのでしょうか。
呆れかえるような事件です。
"本を万引きしたとして和歌山県警岩出署は4日、容疑者の男(21)を窃盗容疑で逮捕した。
容疑者は、古本の買い取りも行っている店で新品の本を盗み、直後に古本として売却。店側がなくなっている本と同じものを持ち込んでいることに気付き、犯行が発覚したという。
発表によると、容疑者は、8月22日午前9時30分頃、岩出市内の書店で文庫本など8冊(計約4650円)を盗んだ疑い。
盗んだ18分後に、同じ店に盗んだ本を売りに来ていた。それまでにも数回、同店に本を売りに来た記録が残っており、同署は余罪を追及する。"
【2010年10月5日 読売新聞より抜粋】
ある意味大胆不敵な犯行です。盗んだ店にそのまま盗品を売りつけるなんて、なかなかできる事ではありませんよね。
新品の本も古本も扱っているお店というのは限られているでしょうから、どちらもしっかりとした商品管理が必要です。
被害に遭ったお店は、商品管理がしっかりしていた為、万引きから本を持ち込みに来るまでの短時間に発見する事ができたのだと思います。
全国の書店で組織する日本書店商業組合連合会は「書籍は利幅が少ない。万引き1冊分の損害は10冊程度売らないとカバーできない」と話しており、厳しい現状が浮かび上がります。
万引きは窃盗罪にあたります。やってしまった後に代金を払って終わり・・というような簡単なものではありません。
刑法第235条「窃盗」には、『他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役または50万円以下の罰金に処する』とあります。
決して安易な気持ちで起こしてはいけません。
また、万引き対策は大掛かりなものとなり、かなりの金額がかかります。
下記の対策全てを実施する事は難しいですが、できる範囲での対策を行っていきましょう。
・防犯カメラ、防犯ミラーを設置し、死角を作らないようにする
・話題作や最新作等は、レジ付近に陳列する
・『万引きを発見した場合、身分、年齢に問わず全て警察に通報します』など、抑止となるような掲示物を掲げる。
・棚卸し時に、不明ロス額の多い商品には万引き防止タグを取りつける。
・出入り口に万引き防止装置を設置する。
投稿者: スタッフ (2010年10月 5日 14:37)
「万引で逮捕納得いかない」「親が弁償すれば済む」少年グループを逮捕
信じられない程のモラル低下を実感する事件です。
"たばこを万引したとして、警視庁少年事件課と大井署は窃盗容疑で、東京都大田区の区立中学3年の少年(14)ら少年グループ計8人を逮捕した。同課によると、少年らは深夜帯を狙ってスーパーでたばこなどの万引を繰り返していたとみられ、中には「数十回万引した」と供述している少年もいるという。
同課によると、少年らはいずれも容疑を認めており、「万引くらいで逮捕されるなんて納得いかない」「捕まっても親が弁償すれば済むと思っていた」などと話している。盗んだたばこは自分たちで吸っていたという。
逮捕容疑は5月3日午前2時45分ごろ、品川区南大井のスーパー地下1階売り場で、施錠されたショーケースの中に保管されていたたばこ約90箱(計約2万7千円相当)を盗んだとしている。
同課によると、同店は24時間営業で、深夜帯は地下1階の食料品売り場はほぼ無人になっていた。"
【8月31日MSN産経新聞より抜粋】
ショーケースのカギをこじ開けてたばこを盗んだとの事で、かなり悪質な事件です。
また、中には「万引はやめるが、たばこはやめられないかもしれない」と供述している者もいるそうで、全く反省の色が見られません。
万引きをかなり軽く考えている発言ばかりですが、万引きは窃盗罪です。
「窃盗罪を犯した者は、刑法235条により、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられる。」(wikipediaより)
盗んだ物のお金を支払えば許してもらえるというものでもありません。
スリルを味わいたい、あの店は人がいないから盗ってもバレない等、安易な気持ちで万引きしてはいけません。
また、来月からたばこ税が大幅に増税となり、たばこの販売価格が1箱最大140円値上がりする事が発表されています。
たばこを狙った万引き事件は、今後も増加が懸念されます。
既にカメラを取りつけている店舗であれば、映像を確認して死角のないように調整する等の見直しが必要ではないでしょうか。
■防犯のセキュリティハウス:万引き防止システム
投稿者: スタッフ (2010年9月 1日 16:56)
千葉 家族4人の万引き一家逮捕
ディスカウント店で日用品を万引きしたとして千葉北署は15日、千葉市若葉区の自称建築土木業の男(53)と内縁の妻(48)、長女(28)、次女(18)の4人を窃盗容疑で逮捕したと発表しました。
長女と次女は「他にも(家族で万引きを)やった」と容疑を認めているという。
同署によると、長女と次女は会計をせずに店外へ出たところを現行犯逮捕され、7日千葉区検へ送検されました。
その後の捜査で男と妻も入店し万引きにかかわっていた疑いが強まり、同署は15日、2人を逮捕しました。
男は「店に入った後のことは知らない」、妻は「娘たちのやったこと。私は関係ない」と、いずれも容疑を否認しているという。
逮捕容疑は、4人は共謀し7月5日、千葉市稲毛区長沼町のディスカウント店「スーパーセンタートライアル長沼店」でヘアカラー1箱、靴下2足、入浴剤1箱、洗剤1本の計4点(計3815円)を万引きしたとしています。
<7月16日11時18分配信 毎日新聞より>
驚くべき万引き一家の犯行です。
母、娘という組み合わせの万引き親子や父、息子という万引き親子の組み合わせは時々ニュースで目にしますが、父、母、長女、次女という万引き一家の犯行は非常に珍しいでしょう。
しかも、長女(28)、次女(18)という年齢ですから、善悪やそれが犯罪かどうかの判断はできると考えるのが普通です。
父、母に強要されたのか、生活のためなのか、真相は分かりませんが、一体どういう家族なのでしょうか?
誰も止めようという者がいなかったのか、悪いことをしているという実感がなかったのか、どちらにしても不幸な一家です。
この被害に遭った店にも何か狙われるポイントがあったのかもしれません。
防犯カメラや万引き防止器がついていない、客に対して店員が少ない、店内に死角が多い、商品などが雑に陳列されており盗んでも犯行が発覚しにくいなどです。
万引きの多い店というのは、何か狙われるポイントがあるという場合が多いようです。
そのような弱点を一つずつ消しこみ、犯罪を起こしにくい環境を作り上げることが再発防止策として必要です。
投稿者: スタッフ (2010年7月21日 18:18)
万引き補導少年への聞き取り調査。66%が「巡回ならしなかった」
警視庁によると、書店やスーパーなど万引が予想される都内の小売事業者の19年の販売額は約14兆2700億円。ここに万引による損失率などをかけて計算すると、万引の被害推定額は約670億円に上ります。18年の振り込め詐欺被害額は約60億7千万円で、約11倍にもなります。
これが東京都内だけの数字ですので、全国となるとどのくらいか想像がつきません。
そんな万引きに対して埼玉県警では補導少年への聞き取り調査を実施しました。
●万引き:「店員の目」防犯効果 巡回ならしなかった66%
◇県警「短絡的な動機目立つ」
県警少年課は、万引き容疑で逮捕、補導された少年へのアンケート調査を初めて実施し、結果を公表した。
・53%の少年が「見ているうちに欲しくなった」と回答し、県警は「短絡的な動機が目立つ」と分析している。
・66%は「店員が巡回したり、声を掛けられたらやらなかったと思う」と回答しており、店側の対策のヒントになりそう。
県内で逮捕、補導された少年196人から回答を得た。内訳は中学生59%、高校生26%。75%が男子。71%は万引き時に現金を持っていた。
場所はスーパーが24%で最多。次いで多いホームセンター、デパートを合わせると60%に上った。
・75%が店員や他の客の目が届きにくい「店舗奥」で万引きしていた。
・店を選んだ理由は59%が「買い物中にほしくなった」としているが、中には「友達から万引きしやすい店と聞いた」「店員や警備員が少ないから」との回答もあった。
「どのようなことがあったら思いとどまったか」との設問には、
▽「店員から声を掛けられる」(28%)
▽「どこにいても店員から見える」(21%)
▽「店員が巡回している」(17%)
としており、「店員の目」の防犯効果が大きいことが分かった。
県警によると、万引き犯全体での少年の割合は、99年の51%から08年には29%と減少傾向にある。だが、少年の内訳は、99年が高校生46%▽中学生35%だったのに対し、08年は高校生34%▽中学生46%と逆転している。
(12月5日 毎日新聞より引用)
●万引は被害届などの処理に時間がかかることから、店舗側が被害を申告しないケースも多く、警視庁幹部は「警察が把握している被害は、ほんの一部」と話す。
このため、警視庁は今年11月から、被害届の様式に「穴埋め方式」を導入。
さらに警察官が店舗に出向いて処理をするなどして、手続きを簡素化した。
2日に警視庁で開かれた官民合同会議には、書店やドラッグストア、スーパーなどの業界17団体が参加。米村敏朗警視総監が「社会総ぐるみの取り組みを展開し、万引をさせない社会を作っていきましょう」と呼びかけた。
今後は、広報、調査研究、教育研修など5つの委員会を同会議の下部組織として設け、少年向けの倫理教材作りなど具体的な対策を検討していく。
(12月2日 産経新聞より引用)
「万引きをいかに予防するか」は店舗の利益を確保するために絶対に必要です。
「万引き倒産」といったことが実際に発生するようです。
現在のように、売上が毎月前年割れ、縮小傾向にあり、売れる物の値段も安いものが売れるという時代では、万引きによるロス率をいかに下げるかが死活問題になってきます。
一方では、従来中学生、高校生が主体であった万引きに高齢者層が急増しているといったことがあります。
いずれにしても店舗での巡回や声かけ、又死角のない店舗レイアウト、防犯カメラ・防犯ミラーの設置など防犯対策を実施することが大切です。
万引き防止対策
投稿者: スタッフ (2009年12月 8日 09:46)
滋賀 ドラッグストアで化粧品万引き被害 3店で110万円被害
24日午後8時15分ころ、滋賀県甲賀市水口町暁のドラッグストア「ドラッグユタカ水口暁店」から甲賀署に「万引の被害にあった」と通報がありました。
同署が調べたところ、口紅やクリームなど化粧品127点(約33万円相当)がなくなっていました。
また、23日夕から24日午後にかけ、同市土山町大野のドラッグユタカ土山店で化粧品250点(約70万円相当)、湖南市平松北1丁目の同甲西中央店でも化粧品33点(約7万円相当)がなくなっていたことがわかりました。
甲賀署によると、3店の防犯カメラには、えんじ色シャツ、ジーパン、白色スニーカー姿の男がショルダーバッグに化粧品を入れる姿が映っていたといい、窃盗容疑で捜査しています。
<11月25日13時9分配信 京都新聞より>
店内には防犯カメラも設置されており防犯対策はされていたようです。
しかし、万引き犯がその場での犯行を止めておこうと思わせる抑止力にはならなかったようです。
防犯カメラの台数や死角などにも注意しなければなりません。
せっかく設置されていても犯人が映っていなければ意味がありません。
防犯カメラの映像をモニターなどに映し出し、映像を記録していること、カメラに映っていることを視覚的にアピールする方法も効果的です。
そのような場で堂々と商品を盗もうとする犯人は少ないでしょう。
この店はやめておこう、他の防犯対策がされていないところを探そうと思わせることができれば成功です。
防犯カメラや万引き防止器を設置するのに多額のお金がかかると考える人も多いでしょう。
しかし、月額の分割払いやリース支払いなどにすると、月々2〜3万円支払うことで利用することができます。
もし万引き被害額が月2〜3万円あるとしたら、それを防ぐためのセキュリティシステムに同金額費やすというのは理にかなった方法だと言えるのではないでしょうか。
投稿者: スタッフ (2009年11月26日 18:26)
ズボンの下に米袋2つと缶ビール。万引きのペルー人。
この姿を見たら、ちょっと笑ってしまう・・・そんなドジな万引き犯です。
●茨城県警つくば中央署は23日、ペルー国籍で下妻市下妻戊、無職S容疑者(49)を窃盗の疑いで現行犯逮捕した。
23日午後7時20分頃、つくば市豊里の杜のスーパー「ヨークベニマル・カドヤ豊里店」で、食料品5点(計6376円相当)を万引きした疑い。
下着、スパッツ、ももひき、ズボンをはき、下着とスパッツの間に、5キロの米袋と、2キロの米袋二つ、500ミリ・リットルの缶ビール2缶を入れていた。
胴回りの不自然な膨らみに気づいた警備員が呼び止め、取り押さえた。一緒にいた男は逃走したが、容疑者は、下半身が重くて逃げられなかったらしい。
容疑者は「3、4か月前に工員をリストラされ、金がなかった」と容疑を認めているという。
(7月25日読売新聞より引用)
こうした、「リストラされて金がない」「生活が苦しい」といった理由での強盗やひったくりといった犯罪が全国で急増しています。
北海道では、「万引き」や「ひったくり」「自販機荒らし」などが急増というニュースが掲載されています。
●犯罪件数:万引き、ひったくり…“不況型”が増加 手っ取り早く「カネ」 /北海道(7月25日毎日新聞)
◇万引き、ひったくり、自販機荒らし
「万引き」や「ひったくり」「自販機荒らし」など、被害者と直接対面せず、格別の技術も必要としない犯罪の発生件数が今年に入り、増加していることが道警の調べで分かった。その一方で灯油盗などは減っており、道警の野田敏夫生活安全部長は「景気の動向を反映する罪種」と分析しており、道警は長引く不況が犯罪増加につながっているとみて対策に乗り出す。
道警生活安全企画課によると、道内の万引きの発生件数は今年上半期(1〜6月)で2785件に達し、昨年同期から121件増。ただ、未成年者の万引きは今年上半期が446件で、昨年同期から96件も減っており、成人の万引きが増加していることが分かる。同課では「特に、高齢者の万引きが増加傾向にある」としている。
ひったくりは今年上半期で73件発生し、昨年同期から24件も増えた。「ひったくりも万引きも特別な技術や下準備がさほど必要でなく手っ取り早い。目先の金欲しさに手をつけるケースが増えている」(同課)という。
「自販機荒らし」や、乗り捨てられた自転車を勝手に使うケースがほとんどの「占有離脱物横領」も発生件数が増えている。
自販機荒らしは深夜の住宅街で、バールなどで壊し売上金を盗む手口が多いという。占有離脱物横領は他の誰かが盗んで乗り捨てた自転車を拾って勝手に使うケースが多く、不況が続く中、「自転車を買う金がもったいない」といった意識が作用しているようだ。
万引き、ひったくり、強盗・・・いずれも、簡単。特別な道具も必要なく、技術もいらない・・という手口で、
不況下で職を失い、現金もなくなり、生活が苦しくなっての犯行も多いようです。
こうした犯罪に対しては、きちんと防犯対策を行い、犯罪が起こしにくい環境を作り出すことこそ大切です。
万引き防止 防犯対策
強盗対策
投稿者: スタッフ (2009年7月27日 14:54)
神奈川 高齢者の万引き急増 生活苦や経済不安から・・・
昨日のブログで家族4人の万引き一家を取り上げましたが、神奈川県で高齢者による万引き被害が急増しているようです。
神奈川県警によりますと、
<高齢者による犯行> 2002年・・・約700人 ⇒ 2008年・・・約2200人(3倍に増加)
<神奈川県内の万引認知件数> 年間11,000〜12,000件 ⇒ 摘発・補導できるのは8,000件〜10,000件
県内最大の繁華街、横浜駅を管内に抱える戸部署は昨年、万引をした疑いで六十歳以上の男女計74を取り締まりました。
盗んだ物は総菜や刺し身などの食品ばかりで、被害額1000円以下のケースが全体の半数近くを占めていたようです。
スーパーで食品を万引した六十代の女は「年金では生活が苦しく、見つからなければいいと思い、つい盗ってしまった」と話したということです。
<5月8日1時0分配信 カナロコより>
かつては未成年者による犯行が多かったようですが、ここ数年で高齢者の摘発が急増し、全体の4分の1を占めるまでになったようです。
被害は食料品など少額のケースがほとんどで、生活苦や経済不安が背景とみられています。
これは神奈川県に限ったことではなく、全国的にも考えられる傾向でしょう。
今後、景気の悪化がより深刻になると、このような万引き被害は激増する恐れがあります。
経営者の方はその防犯対策の実施が絶対となります。
金額は少額といっても、それが積み重なると数十万円、数百万円の被害になります。
万引き被害が短期間で終わればよいのですが、一度成功した犯人は味をしめてまた犯行を行います。
別の店を探してやる場合もあるでしょうが、同じ店で何度も万引きを繰り返すケースもあるでしょう。
同じ犯人に何度も万引きされる店舗というは狙われるポイントや理由があるのでしょう。
それらを放置していれば、被害は増え続けるだけでしょう。
神奈川県警も従業員による声掛けなどの具体的な万引防止ガイドラインを作成し、防犯対策を求めています。
投稿者: スタッフ (2009年5月 9日 15:36)
万引き急増。マイバック持参がアダになるスーパーも。
先行きの見えない不況が原因でしょうか?
万引きは、警察庁の資料によると、2004年から認知件数、検挙件数、検挙人員は減少しているが、高齢者(65歳以上)の万引きの検挙人員は2万5854人で、前年に比べ794人(3.2%)増加しています。
生活苦を理由の食品などの万引きも、ここのところ増えており、連日ニュースに掲載されています。
スーパーなどの万引き増加の原因は、不況による生活苦以外に、エコ対策のため呼びかけている「マイバック」があります。
読売新聞(2009年4月3日) によると、富山県のあるスーパーの経営幹部は「万引きの件数は、前年比7〜10%増えた」と打ち明けています。
別の店員(33)は、「買い物かごに忍ばせたマイバッグにジュースなどを入れてレジを通り抜ける被害に遭った」と語っているようです。
万引きをなんとかしたい、という店側の対策は、対応した店員や警備員の怪我といったこともあるようです。
●福岡県では10日午後2時40分ごろ、無職少年(16)が南区の衣料品店で男性用下着など6点(計4351円)を万引きしたとされ、無職少女(16)は取り押さえようとした女性店員(24)をバイクで引きずり、頭部打撲の軽傷を負わせたとして逮捕された。(4月28日毎日新聞より抜粋)
●スーパーなど被害を最小限に抑えたい店側は、取り締まりを警備会社に委託するところが多い。しかし、取り締まり中に、犯人から思わぬ抵抗にあい、警備員がけがをするケースも後を絶たない。警備員が万引き犯から宮城県北部の大型ショッピングセンター。2月、閉店近い午後10時ごろ、衣類や時計など7点(合計3万4000円相当)を買い物かごにいれたまま、レジを素通りし、店外に出た中年の男に警備員が声をかけた。「まだ会計がお済みでない商品がありませんか」。男は、“かご抜け”と呼ばれる手口の常習犯として、店側が以前からマークしていた。
「ない」と否定する男に対し、警備員は「では、商品を袋にお入れしますので店内へ」と誘導したところ、男は突然走り出し、取り押さえようとした警備員ともみ合いとなった。警備員は顔を殴られたうえ手にかみつかれ、小指骨折などのけがを負ったという。男は、強盗傷害容疑で逮捕された。(4月24日産経新聞より抜粋)
また、警備員自身が窃盗という被害も発生しています。
●生活苦から自分が夜間警備をしているスーパーの食料品を盗んだとして、埼玉県警川口署は16日、さいたま市西区西遊馬、警備員男(55)と妻(55)の両容疑者を盗みの疑いで逮捕した。
逮捕容疑は、2人が16日午前0時20分〜2時ごろの間、同県川口市前川1の「ジャスコ川口前川店」で、卵や納豆、ハム、梅干しなどの食料品70点(計約1万9500円相当)を盗んだとしている。
2人は「生活が苦しかった」と供述。自分たちが食べるつもりで盗んだとみられ、最高額の商品は「ウナギのかば焼き」(1580円)だった。夫はは夜間1人で警備しており、従業員の帰宅後に妻を呼び出したという。(4月16日 毎日新聞より抜粋)
利益確保が規模しく、たかが万引きではすまない現場での戦いは今日も続いています。
投稿者: スタッフ (2009年4月30日 13:18)