今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
今狙われる「コメ」 京都 農家の倉庫から新米120キロ盗難
京都府京丹後市の倉庫から、新米のコシヒカリ120キロが盗まれ、警察が地元の農家などに警戒を呼びかけています。
警察によりますと、10日午後、京都府京丹後市久美浜町の80代の農家の男性から「米を盗まれた」と近くの交番に申告がありました。
男性は倉庫に一つ30キロの米袋を整列して保管していましたが、列に欠けている部分があり。数えてみると4袋が不足していたということです。
盗まれたのは、新米のコシヒカリで120キロ、時価およそ3万6000円相当で、今月6日から10日の間に被害にあったとみられていて、警察は窃盗事件として捜査を進めるとともに、付近の農家らに警戒を呼びかけています。
<9/12(木) 18:31配信 読売テレビニュースより>
徐々に落ち着いてきたものの、令和の米騒動の真っただ中ですが、農家の倉庫から新米120キロが盗まれました。
今、日本で何が不足しているか? 何がほしいか? 多くの人が「米」と答えるでしょう。
誰もが知っている情報ですから犯罪者がそこに目をつけないはずがありません。
今なら高値で売買できるのは確実ですから、これから収穫を終えた新米が狙われることも容易に想像できます。
日々様々なニュースが流れます。
米が不足している、薬が不足している、金が高騰している、ネギが同業者に盗まれた、ゴルフ道具泥棒など。
人々が求めるものは、イコール犯罪者が求めるものになりやすいと言えます。
そこで取り上げられたものは、その後犯罪者に狙われる可能性が高いと考えても良いかもしれません。
それだけ需要が高まっているのですから、窃盗などの手段を問わず、入手できれば大きな利益が見込めます。
ニュースやSNSで自分の生活や仕事に関係する内容が話題になった時は、盗難被害の増加もあり得ると考えて日々チェックし、そして対策を講じましょう。
投稿者: 総合防犯設備士 (2024年10月 2日 09:18)
ニセ警官から電話「捜査のために金塊を購入して玄関に置いて」 約1700万円相当盗まれる
名古屋市中村区で、不審な電話の指示に従って自宅の玄関に置いた約1700万円相当の金塊が盗まれました。
警察によりますと、7月、中村区の70代の女性のもとに警察官を名乗る男から「詐欺グループの所持品にあなたの通帳があった」などと電話があり、その後、捜査のためお金を金塊にかえるよう指示され、女性は金塊を購入しました。
そして、7月20日、家のカギをかけず、玄関に金塊を置くよう指示され、居間で警察官を名乗る男と電話をしている間に、金塊1300グラム時価約1770万円相当を盗まれたということです。
警察が窃盗事件として調べています。
<8/15(木) 19:29配信 メ〜テレ(名古屋テレビ)より>
自分が被害者の年齢近くになれば分かるかもしれませんが、今の段階ではだまされたにしてもひどい内容です。
警察を名乗る男から捜査のためにお金を金塊にかえるように指示があり(まず金塊を購入することが簡単ではないはず)、また、それを家のカギをかけずに玄関へ置くように指示され、電話をしている間に盗まれたという事件です。
被害者はどこかで不審に感じることはなかったのでしょうか。
犯罪者の巧みな話術にだまされてしまったのか、または不安定な状態や弱っているところを突かれてしまったのかもしれません。
家族や友人、近所の人、自治体や公共機関のサービスなどに「相談する」という手段は存在しなかったのでしょうか。
もし、家族や近しい人に高齢者の方がいる場合、少しでも不審に感じたら、何らかの行動に移す前に声を掛ける、連絡する、相談することを繰り返し伝えるべきでしょう。
また、相談が難しいのなら、せめて報告することで被害に遭ってしまった場合、早く気付くことで対処がしやすくなり、傷が浅くて済むこともあります。
投稿者: 総合防犯設備士 (2024年9月 3日 17:28)
群馬で2件目 養鶏会社で銅線窃盗 停電でニワトリ多数死ぬ
5日午前9時35分ごろ、群馬県渋川市北橘町の養鶏会社で、銅線約22メートル(時価約15万円相当)が盗まれているのを会社関係者が発見し、110番した。7月30日以降、市内の養鶏会社を狙った銅線盗は2件目で、渋川署が関連を調べている。
同署によると、4日夕~5日朝、鶏舎の主電源と非常用電源の配線がそれぞれ切断され、非常用電源の銅線が盗まれていたという。これにより鶏舎の空調設備が止まり、飼育されていた数十万羽のうち相当数が死んだとみられる。
同市北橘町赤城山の養鶏会社も30日未明、銅線約170メートル(時価約500万円相当)を盗まれる被害に遭い、飼育するニワトリが暑さにより多数死んだ。
<8/5(月) 18:38配信 毎日新聞より>
養鶏会社から銅線が盗まれ、それにより停電が発生し空調設備が止まり、飼育されていたニワトリが多数死んだというものです。
群馬県では2件目の発生ということで、他の都道府県でも同様の手口により被害が発生する可能性があります。
今の時期は冷房が必須です。人間でも冷房が止まれば一晩で命が失われるほどの暑さです。
養鶏場に限らず、生物を飼育している施設では停電時の対策をしているかが重要になります。
このように銅線という主目的が盗まれる損害に留まらず、停電によって二次的、三次的な損害が発生することが分かります。
盗難対策だけでなく、停電復旧までのバッテリー備え付けや自家発電等の対策が必要です。
投稿者: 総合防犯設備士 (2024年8月 8日 14:21)
兵庫県たつの市 侵入先を手当たり次第探し、玄関と無施錠の会社員宅に侵入
民家に侵入し現金を盗んだとして、兵庫県警たつの署は13日、住居侵入と窃盗の疑いで住所不詳、建設機械回送業の男(60)を逮捕した。
逮捕容疑は7日午後8時ごろから8日午後7時半ごろまでの間、兵庫県たつの市龍野町の男性会社役員(49)宅に侵入し、財布から現金7万6千円を盗んだ疑い。容疑を認めており「無施錠のところを探していた」と供述している。
同署によると、玄関と勝手口が無施錠で、男性の就寝中にどちらかから侵入した疑いがある。
付近の防犯カメラから男が浮上した。8日午前1時半ごろにコンビニに車を止めてから歩いて戻ってくるまで約3時間かかっており、同署は手当たり次第に侵入先を探していたとみている。
<6/14(金) 8:50配信 神戸新聞NEXTより>
最近は就寝中の侵入盗難被害が珍しくありません。
以前は人が居る建物を泥棒は避ける傾向にあると言われていました。
例えば外出で家を留守にする場合、部屋の電気をつけたままにし、人が居ることをアピールすれば、それだけで泥棒は別のターゲットを探すと考えられていました。
しかし、最近の事例をみると、例え建物内に人が居たとしても、深夜や早朝の就寝時を狙って侵入される事例が増えてきました。
また、就寝時以外でも食事中に一つの部屋に集まっている隙に、別の部屋に侵入するような大胆な手口も出てきました。
その場合建物内で泥棒と鉢合わせする可能性も増えており、泥棒側もそれを踏まえての犯行だとすると、何らかの凶器を所持していることも考えられ、住人にとっては危険な状況になりつつあると言えます。
対策としては、防犯カメラを設置し、建物の外側・内側・敷地内を24時間監視することで、不審者の記録、そしてターゲットになりにくくなります。
また、ホームセキュリティを設置し、無人時はセンサーと威嚇機器で警戒することで、犯行の抑止力になります。
有人時は在宅警備で1階部分は警戒、2階部分はセンサー解除など、侵入者に対して直接的に働きかける対策も有効です。
投稿者: 総合防犯設備士 (2024年6月14日 15:39)
金の高騰 展示会での出品には注意
■GW中の"黄金展"警備を強化
ゴールデンウィークに開催されている黄金展。警備が強化されています。
金の龍に金のサッカーボール、金のお鈴(りん)まで、すべてが金で輝いています。今、開催されている「三越の大黄金展」。
来場者
「とにかく一十百千万と数えるのが大変。高価なものを見ると、うわ~すごいな」
ずらりと並ぶ金製品のなかで今回、注目を集めているのが「金の茶碗」です。実は「金の茶碗」。今月11日、東京・日本橋高島屋での大黄金展でおよそ1000万円の純金茶碗が盗まれる窃盗事件が発生。この時、盗まれたものと"同じ型"の黄金茶碗が展示されているのです。
実は、札幌三越の大黄金展では、過去に黄金が盗まれたことも。盗まれたのは「お鈴」。当時、およそ530万円。東京での窃盗事件も受けて、会場では警備員や防犯カメラを増やすなどの対策が取られています。
<4/29(月) 18:23配信 テレビ朝日系(ANN)より>
金の高騰に伴い、展示会に出品される金関連商品の盗難が心配されています。
展示会という不特定多数の人が集まる特殊な状況を考えると、警備員による「人の目」の監視だけでは不充分ですし、同様に防犯カメラによる「機械の目」の監視だけでも不充分でしょう。
最低でも両方ともに必要で、さらには頑丈な展示ケースへの保管したり、個別の展示品を検知するセンサーを設置するなど、通常の警備体制よりも厳しくしなければなりません。
また、展示会場の営業終了後は展示品をどうするかも重要です。
無人の会場に翌日までそのまま置いておくのもどうかと思いますし、警備員が24時間監視するのか、または別の場所に移動するのかなど様々なケースを想定しなければなりません。
金は銀やプラチナなどの他の金属と比べると、細工や加工のしやすい金属として知られています。
盗んだ後に溶かして別の形に加工されてしまえば、それが盗まれた物だと証明することは難しいように思います。
それだけにダイヤモンドなどの希少石よりも狙われる可能性が高いかもしれません。
投稿者: 総合防犯設備士 (2024年5月 2日 14:50)
「猛毒のヘビが逃げたので周りを見させてください」泥棒に執行猶予判決
去年4月、仙台市内の住宅に「猛毒のヘビが逃げた」などとうそをついて住宅に上がりこみ現金を盗んだなどとして、窃盗などの罪に問われている男の裁判で14日、仙台地方裁判所は懲役3年、執行猶予5年の有罪判決を言い渡しました。
判決を受けたのは、仙台市泉区の無職の被告(28)です。
起訴状などによりますと、被告は去年4月、「飼われていた猛毒のヘビが逃げたので周りを見させてください」などとうそをついて仙台市内の住宅に上がりこみ現金355万円や記念硬貨21枚を盗んだなどとして、窃盗や住居侵入などの罪に問われていました。
仙台地裁で開かれた判決公判で、東尾和幸裁判官は「言葉巧みにだます巧妙な手口で身勝手な犯行」だったなどとして、被告に懲役3年、執行猶予5年の有罪判決を言い渡しました。
<tbc東北放送 3/14(木) 11:19配信より>
この事件は去年11月の当ブログで取り上げたので覚えていました。
家の中でゴキブリを見つけたら? もしヘビだったら?
そしてこの判決のニュースを見て最初に思ったことは「なぜ執行猶予がつくのか?」というものでした。
ニュースのコメントを見ると、執行猶予がつくことへの疑問を呈すコメントがあふれていたので、同じように感じた人が多いことを実感しました。
執行猶予をつけるかどうかは、ある程度の基準があるのでしょう。
初犯だから、被告が反省しているから、家庭の事情とか、それらをくんだ上での判決だと思いますが、犯罪の抑止にはならない量刑だという意見が多いのも事実です。
厳しすぎる量刑は、犯罪の抑止力にはならないという意見もあります。
また、万が一、冤罪を生んだ時の影響を考えると、厳しすぎる量刑に問題があることも分かります。
ただ、世界で導入している国が少ない「死刑」という厳しい刑を導入している日本で、一方、窃盗、強盗、不法侵入、詐欺、恐喝などの犯罪に対しては量刑が軽いという状況はアンバランスな感じがします。
連続殺人犯には死刑という厳しい量刑を、それ以外の犯罪者には軽い量刑を、これだと殺人事件は減っていくかもしれませんが、他の犯罪は増えていく可能性が高いように思います。
複数の法律の改正が必要等で大変なのかもしれませんが、民意を尊重して変えていくべきだと思います。
投稿者: 総合防犯設備士 (2024年4月 5日 09:19)
服役中も年金は受給できる 生活苦による高齢者の犯罪増加
ある日、お腹を空かせたAさんは、いつも通っているスーパーでおにぎりを盗んでしまおうか、そんな考えがふと頭をよぎったそうです。
「知り合いに万引きで捕まって刑務所に1年半、服役をした人がいます。そんな話を聞くと、絶対にしてはいけないことだとわかるのに、衝動的にいつか本当にやってしまうのでは、と自分のことが怖くてたまらないです」
令和4年版 犯罪白書によると、全体の犯罪件数は引き続き戦後最少を更新しているものの、犯罪における高齢者率は増加を続けています。 65歳以上の高齢入所受刑者の人数は、令和3年は2,233人で、平成14年と比べると約2倍に。男性・女性ともに窃盗が最多で、特に女性高齢者の窃盗割合は87.5%となっています。
Aさんが万引きをしようと思ってしまうものは、たいていが食料品で、高額な食料というよりは、日常的に口にするものばかり。しかも、半額や割引となっているものがほとんど。
「電気代・ガス代も値上がり、食料品も値上がり。これまでと変わらず暮らしているだけなのに生活が苦しくなっています。同じ生活ができないのなら、安いものを買うしかない。こんな毎日の繰り返しで、いつ終わりが見えるのか......」
物価高という生活苦もさることながら、1人で暮らしていくという不安や寂しさも相まって、このような行為が頭をよぎる、とAさんは話します。
上記データからも、特に女性の高齢単身世帯においてこの傾向は顕著に表われています。
Aさんには、まずは生活の立て直しから始めてもらうことを提案しました。 平成27年4月から、生活困窮者への支援制度が始まりました。Aさんも、お住まいの自治体での生活相談窓口を活用し、生活の立て直しを図ることにしました。
「どうにかしなければいけないと思っているけど、どこになにを相談したらいいかわからない」という方は多いでしょう。
困ったときは下記のような自立相談支援機関での相談や、お住まいの各自治体の福祉事務所での生活相談をきっかけにしていただけたらと思います。
<12/18(月) 11:32配信 THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン)より一部抜粋>
服役中は、支援給付金や生活保護費などは支給停止になるようですが、年金は受刑者の口座に振り込まれるようです。
刑務所で衣食住の心配はありませんから、単純に考えると服役中の生活費はほぼ0円で済みます。
服役中に支給された年金は貯金しているのと同じで、出所後は自由に使えることになります。
このように考えると、万引き等の軽犯罪を犯して短期間服役し、出所後、使わなかった年金で生活を楽にしようと考える年金受給者が出てきても不思議ではありません。
年金が足りなくなれば罪を犯して服役、そして出所を繰り返すということも考えられます。
近い将来、自分が高齢者になり、家族や友人もいなくて年金だけを頼りに一人で暮らし、その年金が足りない状況に陥ったなら、上記のような考えから罪を犯してしまう可能性は否定できません。
誰にどう思われたとしても自分が生きていくためには必要だ、仕方がないと考えてしまう可能性が高いような気がします。
昨年、松坂慶子さんが主演した、孤独な高齢者が生活苦などからムショ活に真剣に取り組むドラマが放送されました。
コメディチックなシーンもありましたが、身につまされる内容が多かったと感じました。
刑務所に入るために利用される被害者にとっては大きな迷惑ですが、罪を犯すかどうかの判断が、個人の理性や罪の意識に委ねられるような状況は非常に危ういものです。
このような人たちをこれ以上増やさないためにも法令の整備などが求められます。
年金を受給できる年まで一生懸命働いて税金を納めるのは、このような状況から守られることも目的の一つでしょう。
それが出来ないのであれば国として破綻しています。
投稿者: 総合防犯設備士 (2024年3月 1日 13:23)