施設別犯罪事情・防犯対策
一戸建て住宅
住宅への侵入発生は約45.2%。最も多い!
「泥棒」・・・正式には「侵入窃盗」と言いますが、どんな場所を狙っているとお思いですか?夜間無人になる店舗・事務所? 貴金属店?
そういった場所ばかりを狙う窃盗団もありますが、最も多いのが、「住宅」なんです。
侵入窃盗発生場所認知件数
一戸建て住宅が33.0%(前年36.4%)、マンションが12.2%(前年13.0%)で合計すると45.2%(前年49.4%)が住宅が対象なんですよね。
平成2年住宅の侵入窃盗比率が低くなっているのは、コロナ禍でテレワークが進み、在宅する時間が増えたことが原因だと推測されます。
一般事務所は11.1%(前年7.9%)、商店は6.5%(前年6.5%)ということですから、住宅の防犯対策が必須であることがお分かりだと思います。
現代の一戸建て住宅のにおける犯罪
一戸建て住宅における侵入手段/侵入口
一戸建て住宅への侵入窃盗で最も多いのが、「無施錠」、鍵が掛かっていなかった場所からの侵入です。
「いまだに鍵をかけない家があるの?」と思われるかもしれませんが、トイレや風呂場の窓を換気のために開けている家は非常に多いのです。二階や三階のベランダの窓を夏場開けて就寝する、といった方も多いようです。
また、「ちょっとごみ出しに行く数分だから・・」「植木に水をやる間だけ」鍵をかけないで外出していませんか?その間に近所の人とばったり会って、挨拶だけのつもりが気が付いたら立ち話をしていた・・・なんて経験ありませんか?
侵入者はほんの数分でも見逃しません。
プロの窃盗犯は家族構成、家族の毎日の行動(出かける時間・帰宅時間など)を下見の時に確認し、毎回ごみ出しの日に数分立ち話をするのを事前に確認した上で、その数分を狙って侵入し犯行を終了した事例もあるので安心はできません。
●「格子があるので安心して施錠しない」。格子は簡単に外すこともできるので安心ではありません。
●「網ガラス」・・これもガラスが割れにくいのかと思いきや防犯上はまったく無意味。火災で熱で割れても破片が脱落せず延焼を防ぐ効果があるだけですので注意してください。
地方によっては、「鍵をかけると留守だと気付かれるのでかけない」というお年寄りもまだまだ多いようですが、泥棒は防犯意識の低い地域に移動して犯行を重ねていますので注意が必要です。
次に多いのが「ガラス破り」です。
窓や扉のガラスを割り、そこから手や針金などを突っ込んで錠前を開ける手口です。
「焼き破り」「切り破り」「こじ破り」「3点破り」などいろいろな割り方別に手口があります。大きな音で気付くのではないかと思われますが、熟練した泥棒によるとほとんど音を立てずに割られてしまいます。
又、家人が留守中を狙って犯行を行う場合が多いため、誰にも気付かれずに犯行が行われます。
警視庁が行った「空き巣狙い」被疑者への調査によると、犯罪者の心理は次の通り。
- 留守かどうか
- 入りやすく逃げやすいか
- 隣近所からの見通しはどうか(人目につかないか)
捕まえた泥棒から警察が聞いた「泥棒がその家を狙った理由」
- 泥棒しやすく逃げやすい。
- 怪しまれにくく、捕まりにくい。
- 防犯意識が薄く、警備システムなどがついていないため入りやすい。
- 人通りが少なく、人目につきにくい。
- 建物に死角があり、表から犯行が見えない。
- 足場があるなど侵入しやすい。
- 近所つきあいがなく、居住者相互の面識がないため発見されにくい。
- 金目のものがある。
- 塀や植木などで隠れる場所があり、表からの見通しが悪い。
- 2階のバルコニーや窓へあがる足場がある。(雨どい、カーポート、塀)
- 見通しの悪い位置に勝手口がある。
- 夜間、家のまわりに暗がりができる。街灯が少ない。
- ピッキングしやすい鍵が玄関についている。
- 面格子のない小窓がある。
- 窓にクレセント錠だけで鍵がついておらす、窓破りが容易そう。
狙われやすい場所
- トイレ、風呂場、勝手口など(戸締まりがされていないことが多い)
- 木の格子、ステンレス製の飾り格子のある窓(格子があると安心と勘違い)
- ガラスを使ってある玄関、勝手口、窓(ガラスを割って鍵は簡単に開けられる)
- ベランダ側の窓(夏なんか開けっぱなしになっている)
- 網入り(線入り)のガラス(割れにくいと勘違い)
- ドアや窓の戸締まりが1箇所のところ(開けるのに時間がかからない)
侵入窃盗の防犯対策
・補助錠を取り付ける 1つのドアに錠が2つ以上ついていると、侵入に時間を要するため、泥棒は嫌がります。
・玄関や勝手口の錠前を破壊行為に強いものに交換する。CP部品
・センサー付き人感ライトを設置する。人の動きを感知してライトが一定時間点灯するセンサー付き人感ライトを、死角になる場所に設置すると効果的です。
・カメラ付きインターホンを設置する。訪問者を屋内から確認することができ、見知らぬ人が訪ねてきてもドア越しに対応できるので有効です。
・オートロックシステムを設置する。居住者に限定した出入り制限ができるオートロックシステムが防犯効果を高めます。
・ブロック塀などをやめ、周囲から視認できる見通しのよいフェンスを設置する。
・庭先に防犯砂利を敷き、歩くと音が出るようにする。
・戸締りは確実に行う。短時間でも施錠する。
・庭木は剪定して見通しを良くする。犯人の姿が隠れる死角をなくす。
・窓に防犯フィルムを貼り、割るのに時間がかかるようにする。
・防犯性能の高い建物部品(CP部品)を使用する。防犯ガラスに交換すると破壊するのに時間が掛かり侵入を困難にする。また、強度の高いシャッター、面格子を取り付けるのも有効。
CP部品とは、平成14年11月に警察庁等関係省庁と民間団体が結成した「官民合同会議」において工具等を使用した試験を実施し、一定の防犯性能があると認定された建物部品(ドア・ガラス・サッシ・錠・シャッター・ウィンドウフィルム等)です。
・窓を開けるとブザーやサイレン音が鳴るホームセキュリティを設置する。
「地域の目」で街を守りましょう
普段からあいさつ、声掛けを励行するなど、ご近所付合いを大事にして地域全体で防犯意識を高めましょう。自分の住んでいる街のことを知り、「地域の目」で犯罪の起きにくい街にしましょう。
・公園の整備。雑草を抜きごみを放置しない。
・街灯
・落書きを放置しない。
・街路樹や花壇の世話を住民で行う。
・ゴミ収集日の徹底と周辺の清掃