こんなおかしな泥棒がいる
vol.1 『歴史の中の大泥棒』
「泥縄」つまり「泥棒を捕まえて縄をなう」をはじめとして、「泥棒に追い銭」「泥棒にも三分の道理」と昔からことわざにまでなっている泥棒ですが、過去の歴史の中で有名な泥棒をリストアップしてみると・・・やはり、石川五右衛門と鼠小僧次郎吉の二大"双璧(?)"をおいて他には考えられません。
石川五右衛門
安土桃山時代に"活躍"、37歳の時に、京都三条河原で釜ゆでの刑に処せられた、と伝えられています。ご存知、五右衛門風呂の由縁ともなっています。江戸時代、浄瑠璃や歌舞伎で演じられたため有名になった五右衛門ですが、花に囲まれた朱と金色の京都・南禅寺山門で、「絶景かな、絶景かな」と見えを切る場面は特に有名です。
鼠小僧次郎吉
江戸末期の盗賊、背低く身軽、五右衛門と同じ年で獄門に処せられています。彼も五右衛門と同様、義賊として、小説・講談・戯曲などの題材となっていますが、果たして本当に「庶民の味方」だったのでしょうか。真相はというと、封建支配者たる武家屋敷へのいやがらせをはかって屋敷に忍び入ったのではなく、単に "盗難に対して用心深い町家を避け、特に厳重な金持ちの町家は避けて通った"ということ。
石川や 浜の真砂は 尽くるとも 世に盗人の種は尽きまじ 全く、五右衛門の"辞世の句"の通りではありませんか。