こんなおかしな泥棒がいる
vol.43 『大富豪の悲劇』
フランス南部二ース近郊のリビエラに住む大富豪、アントニー・タヌーリ氏の大邸宅から、約65億円相当のマチス、モディリアニ、ドガの名画が盗まれた。
タヌーリ氏は、脱税による3年間の刑務所生活を終え、昨年出所したばかり。それで、フランス当局への未納金「約62億円」を大切な名画を売って支払おうと思っていた。しかし、その矢先に名画という名画が盗まれてしまい、当てにしていた「税金」をすっかり持ち去られてしまった。
名画は名画でも、こちらは命の次に大切な名画。 この事件を境にこの大富豪、今まで経験したことのない貧困生活が始まった。
タヌーリ氏は、「どれも世界的に有名な作品。特にマチスの絵は6ヵ月もニューヨークで展示されていた。犯人も簡単には転売できないはず。」と名画が戻ってくると信じていたらしいが、それほどの高価な名画なら、なぜセキュリティシステムをつけていなかったのか......そちらの方が気になる。
きちんとセキュリティシステムを付けていれば、大切なもの必ず守ってくれるのに。