こんなおかしな泥棒がいる
vol.45 『イギリス−空き家の季節』
暖かくなって外出の機会が多くなると、本格的(?)な空き巣のシーズン到来である。
英国は、ことのほか泥棒が多い。泥棒の被害に遭うと当然警察に屈けるが、余程凶悪なものか、特異な手口でない限り、真剣に捜査はしてくれない。
英国は、保険制度が発達していて、盗難保険に入るのが当然になっているので、警察も市民も被害回復に熱心ではない。このため、市民は自衛に力を入れざるを得ない。
各自がいろいろ知恵を絞リ、カギをいくつも付けたり、隣同士で注意し合っている。また留守だということを悟られないように、電灯をつけっ放しにしたり、旅行に行くときは、タクシーを自宅まで呼ばない、など気を付けている。
しかし、時にはこんな事もある。
寒い冬のある日のこと、家族全員が旅行に出掛けた間に大雪が降った。2、3日過ぎても雪の上に足跡が無いことから、その家が留守だと分かり空き巣に入られてしまったのである。
シャーロック・ホームズ顔負けの泥捧には、さすがの自衛手段も通じなかったようである。