こんなおかしな泥棒がいる
vol.59 『盗んだもの返すから10円おくれ』
昔はけっこう間の抜けた泥棒がいたものです。 それは第一に家の造りに原因があるのですが、昔の家は出入口がいくつもあって、窓も開けっぱなしの家がほどんどでした。縁側からも入れたし、天窓も無防備。汲取り口 から失礼するドロボーもよくいました。
ところが現代ではトレイも水洗式になり、家の造りも随分頑丈になりました。そのために現在の泥棒は、窓ガラスを叩き割ったり、玄関のドアをバールでこじ開けたり、相当手荒な手口をするようになってきたのです。
ところで、もしあなたが毎日乗っている自転車を盗まれたとして、でも「10円くれたら返してやる」と言われたら、どうしますか? 「10円でいいのならあげるから返して欲しい」 きっとほとんどの人は、そう思うでしょう。でも実はこの話、昭和初期の頃のことで10円といえども当時のお金に換算すると、およそ"100万円!"
そんな無茶な話を通してしまうのがその当時の泥棒。
「100万円くれないなら自転車も返さないよ」とは、やっぱり今と比べると、子供っぽいですね。
しかしそれが現代になると、自転車の代わりに子供を誘拐して身代金何千万を要求することになってしまうのです。
時代の移り変わりとともに泥棒もずいぶんと悪くなってしまいました。
"自転車を返すから10円おくれ"こんなことすらもう昔話になってしまうかもしれませんね