施設別犯罪事情・防犯対策
コンビニエンスストア
コンビニエンスストアでの犯罪と防犯対策
コンビニ強盗事件の認知状況の推移
コンビニエンスストアの強盗被害の現状と対策
商店の侵入強盗のうち77.9%がコンビニ強盗。
コンビニ強盗は深夜に発生。
最新のデータでは、午前3時から午前4時までが25.3%と最も多く、午前2時から午前5時までで全体の67.1%を占めています。(H29警察庁データ)
深夜におけるコンビニエンスストア・スーパーマーケット対象強盗事件の
発生時間帯別認知時件数割合(H29年)
コンビニエンスストアが強盗に狙われやすい条件
・強盗に狙われやすい時間帯としては、客足が減る午前2時から5時頃。
・深夜帯に従業員が一人態勢になる店舗や、二人勤務の場合でも、一人が作業中などでレジ回りを離れている場合。
・人通りが少ない住宅街や細い路地など奥まった所にあるコンビニは要注意。
警視庁のH15年の分析結果
- 強盗発生のコンビニエンスストアは、立地場所別では、「住宅街」が全体の71.0%。次いで「商店街」が19.1%。
- 被害にあった時の従業員数は、単独(一人)が全体の56.2%。二人が40.1%。3人以上は4%に満たない。人員が手薄になっているところを狙われている。
- 被害時に複数従業員が配置されていた店舗について、レジ勤務以外の従業員は「商品整理中(35.2%)」「休憩・待機(32.4%)」「事務処理中(9.9%)」。被害者と一緒に店番中は16.9%でした。
複数の従業員がいても、店内にはいない状況を見て狙われています。 - 被害時の客の有無については、「客がいなかった(87.0%)」と、ほとんどの店舗で客がいなかった状況で被害に遭っています。
- 脅迫された状況は「カウンター越し(62.3%)」、「カウンター内に侵入された
(24.7%)」、「商品整理中(10.5%)」となっています。 - 凶器は97.5%にて使用されており、「刃物類(90.3%)」「拳銃のようなもの
(2.4%)」。その他「木刀」「スタンガン」「スプレー」「火炎瓶」など。 - 犯人の変装に関しては「帽子をかぶる(51.1%)」「サングラス」「マスク」
「タオル」などで顔を隠して犯行に及ぶことが多い。
「ヘルメット(9.6%)」もあった。 - 被害に遭った店のうち、75.3%が現金被害に遭っており、「10万~20万円(22.1%)」次いで「5万~10万円(19.8%)」「20万円以上(18.9%)」「5万円以下(8.0%)」。
強盗事件が未遂に終わった店員対応事例紹介
- 「大声を上げて近隣に犯罪発生を知らせた」
- 「レジを閉めて鍵をかけ現金を奪われないようにした」
- 「店員相互が冷静に対応し連携プレーで犯人を検挙した」
- 「複数の勤務員を配置し店員らが大声で騒いだ」
- 「非常ベルを鳴らした」
- 「店員が犯行直後に警備会社に通報した」
- 「店員が店内に入ってきた犯人に対し先制的に声をかけた」
強盗対策
- 店員は複数名配置し、特に深夜時間帯(午後10時~午前7時)単独の時間を作らない。複数名での売り場勤務を実施する。
- 全てのお客に対して必ず顔を見て挨拶(声かけ)の徹底。「犯罪を計画して下見をする時に顔を見て挨拶されたので犯行をあきらめた」という捕まった犯人の声もあり、防犯効果が高い。挨拶は店舗が明るいイメージとなり、販売促進効果にもつながります。
- 強盗を絶対に出さないといいう姿勢を明確にするべく「コンビニ強盗排除宣言」などのポスター・ステッカーを目立つところに貼る。
- 潜在的犯罪者に対し犯行を断念させるための広報として警備員の巡回など警備体制の強化。
- 防犯マニュアルの作成。人命尊重を最優先にしたマニュアルを作成し、日頃より教育と訓練を実施する。
- 防犯責任者の選定。各店舗ごとに防犯責任者を指定し、防犯設備の点検・整備、従業員への防犯指導と防犯訓練の実施、110番通報マニュアルの備え付けなどの任務を遂行する。
- 金銭管理。レジ内には必要以上の現金を置かないことを徹底する。投下式金庫などを活用するとともに、レジ内の現金は概ね3万円以下とする。
- チェーン店対抗防犯訓練コンテストなどを実施するなど、アルバイト・店員に対する実践的防犯訓練の実施。
- チェーン店本部による防犯診断と防犯指導の実施。
- 店舗の構造を考慮し、内外の死角をなくし、視認性を高める。商品棚の配置もレジからの死角ができないように配置し、高さも高くしない。ATMの設置の場合レジからの監視が可能な場所に設置する。
- レジを表通りから見えにくい場所には設置せず見通しを良くする。
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万が一、強盗に遭った場合、被害額を最小限に抑えるために途中集金を実施しレジの現金を少なくする。
- 駐車場、ATM、レジ、バックラード、店内に監視カメラを設置する。死角が発生しないように配置し、デジタルレコーダーで録画する。
- 監視カメラの点検を定期的に行う。設置場所の見直し、適切な画角かどうかなどを確認するとともに、録画されている画像が鮮明かどうか確認する。実際にカメラが設置されていても録画されていなかったケースが約1割強あった。不動作、テープなし、故障、録画装置なし、画像不鮮明など。
- 強盗対策用防犯設備を設置する。
- 緊急通報装置。腕時計型送信機やフットスイッチなどと連動し、自動通報する。
- カラーボール・カラースプレイ・強盗対策シールドなどをレジに常備する。
- 防犯訓練を実施する。
- 商品の陳列やトイレ・バックヤードの清掃などアルバイトや店員に対してきめ細かな指導を行い「きちんとした店舗オーナー」であることを感じさせる。
万引きに対する防犯対策
コンビニエンスストアにとって、万引きの被害を如何に減らすかが利益確保に直結することになります。「万引きがしやすい店舗」だと認識されるとターゲットにされてしまいます。
・「いらっしゃいませ」と顔を見ての挨拶の徹底。
・防犯カメラを適正な場所に設置し、バックカウンターにモニターTVを設置。抑止効果を狙う。
・「防犯カメラ監視中」「警察官立ち寄り店」の貼り紙を行なう。
・行動が不審な客からは目を離さない。
・万引きされやすい商品の位置を見直し、常に目が行き届きやすくする。
・狙われやすい棚などは、2時間に1回など定期的に在庫数を確認する。犯行時間の特定や防犯カメラのチェックを行ないやすくする。
・万引き対応マニュアルなどを作成し、従業員教育や意識の向上に活用する。
・アルバイトが友人の時にレジを打たないなど犯罪が発生しないように、社内ルールをきちんと守らせる。バックヤードの清掃を徹底し、きめ細かな管理をしているオーナーであることを認識させる。