今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
付属池田小事件から10年 学校対策は
2001年に起こった、「大阪教育大付属池田小乱入殺傷事件」から6月8日で10年を迎えました。
毎日新聞が独自に行ったアンケートでは、興味深い結果が出ています。
"全国の公立小学校の約93%が防犯ブザーなど不審者の侵入に備えた通報システムを整備していることが、大阪教育大付属池田小乱入殺傷事件(01年6月8日)の発生10年を機に毎日新聞が実施した全国アンケートで分かった。
また、暴漢に対抗する器具のうち「さすまた」(刺股)だけでも約90%が常備。防犯の専門家が「ポスト池田小」(付属池田小事件後)と呼ぶこの10年で、小学校の防御力が急激にアップしたことを裏付けた。
アンケートは5月、都道府県教委に実施し、東日本大震災に伴う庁舎移転で資料を取り出せなかった福島県を除く46都道府県が回答。データは09年9月から今年5月時点のもので、小学校数は計2万1695校だった。
このうち32.3%に当たる7013校が防犯カメラ(監視カメラ)を設置。文部科学省が初めて調査した04年3月から2.6倍以上に増えていた。
他の防犯機器では、侵入者を感知するセンサーが9045校(41.6%)、インターホンが1万1958校(55.1%)だった。
警備員は2461校(11.3%)が配置。大阪府が67.2%(686校)と突出し、東京都36.5%(479校)、兵庫県32.8%(261校)が続いた。栃木、富山、岡山、愛媛、長崎、鹿児島の6県はゼロだった。
不審者の侵入に備える防犯器具では、さすまたを1万9466校(89.7%)が常備し、催涙スプレーは5211校(24.0%)、ネット(網)は2876校(13.2%)。
文科省統計では08年時点で95%の小学校が何らかの器具を備えていた。
一方、付属池田小など国立小73校は04年の文科省調査時点で通報システム設置を、07年調査時点で警備員配置を完了している。
同省は付属池田小事件をきっかけに各種防犯システム・器具の状況を調べるなどして整備を推奨。各自治体も学校の安全確保に力を入れたことが、急速な整備につながっているとみられる。"
【毎日新聞 6月5日より抜粋】
毎日新聞のアンケートによると、約93%の小学校が何らかの防犯対策を行っているという、非常に興味深い結果が浮き彫りとなりました。
学校荒らしという手口がありますが、金目のものがないはずの学校で、一体何が盗まれているのでしょうか。
教室や職員室などに置いてある現金やパソコン、楽器の他に、体操着や上履きが盗まれるという事件も過去には発生しています。
現金以外は転売して換金する事もできますし、仮にパソコンが盗まれてしまうと、中に入っている個人情報などが外部に流出し、社会的な問題へ発展してしまう可能性もあり、非常に危険です。
門は開かれており、無施錠の窓やドアもあることから、ドロボウにとっては狙い目の場所であるといえるかもしれません。
また、学校荒しなど「財物犯」と侵入者による児童生徒等に対する「身体犯」とに分かれますが、近年「身体犯」が増えており、凶悪な犯罪が与える影響が大きいため、早急な対策が必要です。
【学校で起こった乱入事件】
・平成11年 京都市立日野小学校 小学2年生が不審者に校庭内で包丁で殺害される。
・平成13年 大阪教育大学付属池田小学校に包丁を持って侵入した男が1.2年生の教室に乱入し、児童8人死亡、教師を含む15人が重軽傷となる。
・平成15年 宇治市立宇治小学校 給食中の小学校1年生の教室に男が侵入し、児童2名が傷害。
・平成17年 寝屋川市中央小学校 17歳の少年が教員1人を殺害、教員2人に傷害を与える。
投稿者: スタッフ (2011年6月 9日 11:45)