今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
たばこ1200箱盗んだ疑いで逮捕 愛知の立てこもり騒ぎの男
"愛知県春日井市のたばこ店から、たばこ1200箱(約36万円相当)などを盗んだとして、岐阜県警は20日、無職A(38)ら4容疑者を窃盗容疑で逮捕した、と発表した。A容疑者は「知らない」と容疑を否認しているという。
岐阜羽島署によると、4人は3月15日、たばこ店の入り口のガラスを破って侵入し、たばことレジ1台を盗んだ疑いがある。4人は愛知・岐阜両県でたばこ店を狙った窃盗グループのメンバーとみられ、見張り役と実行役に分かれて盗みをしていたという。被害額は230万円以上にのぼるという。
A容疑者については、岐阜県警が20日午前10時半ごろ、自宅に捜査に訪れたところ、同居女性にナイフを突きつけて立てこもったとして、愛知県警が約3時間後、監禁容疑で現行犯逮捕した。県警は同容疑について、女性が「逃げようと思えば逃げることができた」などと話したため、同容疑者を釈放した。"
【10月20日 朝日新聞より抜粋】
20日に発生した白昼の立てこもり事件。発生から約4時間後に女性は解放されましたが、事件のきっかけは窃盗容疑の為の家宅捜索でした。
同居女性を人質に立てこもり、「この女を殺して俺も死ぬ」などと叫んでいたようですが、その後の説得により投降し逮捕となりましたが、いったん釈放されていたようです。
たばこに関してはこの10月から大幅に値上がりし、盗まれる被害が相次いでいます。
最近では同じ愛知県で、会社員の男性宅からたばこ980箱と現金1,000万円が盗まれる事件がありました。
小売店で、本格的な防犯対策を行っているところは少ないでしょう。
この容疑者を含む窃盗グループは、そういった対策の手薄な店舗を探して犯行に及んでいたのではないでしょうか。
入口のシャッターが閉まっていても、通常のものであれば簡単にこじ開けられてしまいます。
下記の対策を目安に、できる事から始めていきましょう。
【店舗全般の防犯対策】
* 店舗ごとに防犯管理者を選定し、「防犯マニュアル」を作成、防犯訓練を実施します。
どんな犯罪が発生する可能性があるのかをあらかじめ想定し、万が一発生した時の対応に関して店舗内に徹底します。また、アルバイトなどが多い場合には辞めたアルバイトが合鍵の場所などを知っている、といったことがないようセキュリティ対策内容に関して変更します。
* 侵入検知威嚇撃退システムを設置する。
店舗には必ず侵入検知センサーを設置し、侵入者が侵入しようとした瞬間に「威嚇用警報ベル」「サイレン」を鳴らして威嚇するということが最も大切です。泥棒は人目につくのを避けますので「音、光」で周囲に自分の侵入を知られることを大変嫌がります。
* 「フォグガード」などで霧により犯行を継続させない。
宝飾店などを狙う窃盗団の手口は年々荒く、車ごと建物に突っ込んでの侵入し、数分で犯行を終了という手口が増えています。そこで、侵入を侵入検知センサーが検知すると霧により視界を奪い、犯行を継続させないということが現在のところ最も被害を最小に押さえる効果があると言えます。
* 店舗建物外観から「防犯対策をしている」ことを示し、対象から外させる。
泥棒に対しては何重にも対策を立てることが重要です。そして対策が十分であることを「見せる防犯」として建物外観で気づかせること。「セキュリティ・キーパー」はぜひ設置していただきたいものの一つです。
* 防犯カメラを設置し死角をなくすとともに自動録画する。
万引きや異物混入、放火、いたずら、車上荒らし対策として、売り場の状況を集中的に把握するとともに死角をなくし、犯罪の発生しにくい環境を作ります。映像は自動録画し、問題発生時には確認することができます。
* 強盗対策に非常押しボタン自動通報システム
腕時計型の無線タイプのものを使用したり、マネークリップとしてお札のクリップに発信機能のあるもの、マットを踏んだときに異常信号を送信するものなどを選び、異常発生を離れた場所の管理者等に知らせます。
* 金庫センサーで金庫盗難対策
何十キロであろうとも過信せず、必ず金庫はボルトで固定します。又、金庫そのものを盗まれるのを検知する金庫センサーを設置し、金庫を持ち去ろうとするとベルやサイレンで威嚇撃退します。金庫のある部屋は侵入検知センサーを設置し、音・光・霧による威嚇撃退をします。
* 格子を過信しない。
格子が付いていると安心される方が多いのですが、格子は外から外すことができます。
今後格子を取り付ける場合には、防犯配慮商品として開発された格子で、特殊なビスなどで取り付けらるタイプのものをお勧めします。
今付いている格子に対しては、ビス頭をつぶすなどして簡単に取り外せないようにすることが大切です。「侵入に時間がかかるようにする」ことにより、泥棒は途中で諦めてしまいます。
投稿者: スタッフ (2010年10月21日 11:38)