今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
1年で3度も侵入被害の家 ネットに大金あるとデマ情報
5人組の男たちと高齢の住民男性の20分間にわたる攻防を、防犯カメラが捉えていました。実はこの住宅、去年6月までの1年間で、3回も侵入される被害に遭っていました。
自宅から出てきたパジャマ姿の男性。手には木刀を持っています。
住人の男性:
「(Q.何て言ってる?)何か叫んどるんだね。お前ら何やっとるんだ!とかね」
すると、5人組の男たちが一気に近づいてきました。身の危険を感じた男性は、門の扉を閉め避難します。これは民家に設置された防犯カメラが捉えた映像の様子。赤や緑のバンダナ、それにマスクなどで覆面をした男たちの姿がはっきりと映っています。
この男たちが現れたのはおよそ30分前。画面右奥から現れた5人組。通り過ぎたかと思えば、住宅のほうを指さします。さらには、帽子をかぶった男が敷地の中へ...。
住宅の裏につながる通路にもぞろぞろと。明らかに不審な行動です。そして、物音に気付いた住民の男性が玄関の明かりをつけると...。5人組は猛ダッシュで逃走。
男性:
「そこ(裏の空き地)に5人が集結して、何かぼそぼそやっとるわけやね。普通じゃないなと、ここ(塀)を乗り越えてくるなと思ったんですよ」
塀を乗り越えて男らが入って来る...。男性は直感的に判断します。それもそのはず、実は...。
男性:
「今回が初めてじゃない。前に3回くらい、1年以内に。物盗りには間違いないわね、物か金かなにか狙って来とる」
わずか1年の間に3回も被害に遭っていました。
最初は2019年6月。自宅で寝ていた男性の妻が侵入した黒ずくめの男に刃物を突きつけられ「金があるだろう」と脅されました。
男性:
「大声で『強盗だ!』って言ったら、バーッと逃げて行った」
その後も被害は続きます。去年3月の映像には、家の前に停まった黒い車から降りてくる2人組が。工具のようなものを手に敷地の中へ...。しかし、侵入に時間がかかったためか、男らは何も盗らず逃走しました。
繰り返し狙われる男性の自宅。そこにはネット社会特有の事情が隠されていました。
<2019年6月の事件で逮捕された男>
「男性が資産家という情報が出回っていた」
さらに、去年1月の事件で逮捕された男は「ネットの掲示板で男性の家に大金があると知った」と証言。「大金がある」こんなデマがインターネットの掲示板や窃盗グループの情報網で広まっていました。
今回の男性宅を物色していた5人組もまた、男性にまつわる情報を聞きつけやってきたのでしょうか。男性が表に出ると、一度は逃げ出したものの、まるで威嚇するかのように再び家の前に詰め寄ってきた男たち。扉1枚を隔てた一触即発の危険な状態に。
男性:
「それで110番とここで大きな声で言ったわけ。扉閉めてロックした」
警察に連絡する男性の声で、ようやく男らはその場を立ち去りました。
男性:
「こういった事件が現実に起きてるんだから、一般社会の市民の方々も、日常生活を警戒しながら生活してもらいたいですね。狙われるのは世界中でここだけじゃないんだから」
警察によりますと、この日の未明には、同じ名古屋市昭和区内で何者かが住宅に侵入し、現金が盗まれる被害も発生。
男性は警察に防犯カメラの映像を提出し、警察は窃盗未遂容疑なども視野に詳しく調べています。
※画像と動画の一部は住人の男性提供
<6/11(金) 17:38配信 東海テレビより>
1年で3度も侵入被害に遭ってしまった家ですが、それには驚きの理由がありました。
インターネットの掲示板に被害者宅には大金があるというデマが広まっていたということです。
その情報を本当だと思った犯罪者5人組が侵入を試みたという事件です。
記事ではデマと言われていますから特に大金を置いているようなことはないのでしょうが、本当に恐ろしい手口です。
大金があるという嘘の情報をネット上に拡散すれば、犯罪者の誰かがその情報に引っ掛かって実際に侵入、窃盗を試みるというものです。
例えば、恨みのある人、困らせてやりたいと思う人がいれば、そのような偽情報をネット上に拡散すれば、犯罪者に狙われる危険性が高まるということです。
ダークウェブと呼ばれるネットの闇市場のようなところでは、犯罪者同士が情報交換したり、個人情報が売買されたりしているようです。
このようなネット情報を基にした侵入窃盗のターゲット選定は、新たな手口として注意が必要かもしれません。
投稿者: 総合防犯設備士 (2021年6月14日 17:05)