今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
ゴルフクラブ窃盗団。被害総額1億5000万円か−愛知
ゴルフ用品販売店ばかりを狙った侵入窃盗犯が愛知県で逮捕されました。
●ゴルフ用品販売店に侵入し、ゴルフクラブを盗んだとして、愛知県警捜査3課は12日までに、建造物侵入と窃盗の疑いで、自称自営業男A(34)=住所不定=ら3人を逮捕した。同課によると、A容疑者は「知らない」と容疑を否認、2人は認めているという。
県内では昨年2月以降、ゴルフクラブが盗まれる事件が約160件発生。被害総額は約1億5000万円(約3800本分)に上るとみられ、同課は手口が似ていることから関連を調べている。
容疑者らの逮捕容疑は4月30日午前4時ごろ、同県安城市内の販売店に侵入しゴルフクラブ41本(計86万円相当)を盗むなどした疑い。
同容疑者らは販売店に車で乗り付け、目出し帽姿で入り口のガラスをバールで割って侵入。警備員が到着するまでに現場から立ち去っていた。盗品は転売していたという。
一方、同課は12日までに、窃盗などの容疑で、無職B男(27)=同県江南市山王町=ら3人を逮捕した。同課の調べに対し、いずれも容疑を認め「愛知、岐阜、三重、静岡でゴルフクラブなどの窃盗を約100件やった」と供述。A容疑者らとは別グループとみて、同課が裏付け捜査を進めている。
(11月12日時事通信より引用)
2つの窃盗団で260件のゴルフクラブ販売店が侵入窃盗被害に遭っていたことになります。
ゴルフクラブは換金されています。
警備会社へ通報が入って、警備員が駆けつける時間を予め想定し、その時間までに犯行を終えるということを繰り返していたのだと思われます。
最近の窃盗団はストップウォッチを持ち、5分以内に犯行を終えるという泥棒も非常に多いのです。
警察での逮捕者への調査によると犯行にかける時間で29%が5分以内、40%が5〜10分以内という結果が出ています。
一般の人が考える以上に短時間で犯行を終了しているのです。
そうした短時間で犯行を終える泥棒というのは、組織化して分業化して犯行に及ぶことが多いのが特徴です。
侵入をあきらめる時間も、2分以内が17.1%、2〜5分以内が51.4%と、約7割の泥棒が5分以上侵入行為にかかるのを嫌がるのです。何故なら顔を見られる可能性が高くなるからです。
こうした泥棒の心理を考えると、侵入してから人が駆けつける・・といったことよりも、まずその場で犯行に気が付いたということを知らしめ、音・光といった泥棒の嫌がるもので威嚇撃退することが大切であることがわかります。又、侵入行為を継続させないため「霧による視界を遮る方法」も短時間で終了する泥棒に対して効果があります。
またもう一歩進んで、プロである泥棒は完全犯罪を狙いますから、捕まる可能性が高くなるのを避ける傾向にあります。こうした心理をついて、防犯システムが完備していることを建物外観の時点で知らしめることと、どんな防犯対策を実施しているのかをわからなくすることが重要です。
投稿者: スタッフ (2009年11月13日 09:40)