今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
窃盗の検挙率が高い都道府県ランキング 2位は熊本県、1位は?
金銭や物品を盗む「窃盗」は、刑法235条で「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」に処せられる罪です。
2020年における窃盗の認知件数は41万7291件で、1日に1000件以上起こっている計算となりますが、このうち検挙に至っているのは半数に満たない17万687件です。 【ランキング20位~1位を見る】
そこで今回は、警察庁の「令和3年警察白書 統計資料」をもとに、「窃盗の検挙率が高い都道府県ランキング」をお送りします。
さっそく、ランキング上位の都道府県を見ていきましょう。
(出典:警察庁「令和3年警察白書 統計資料」)
●第2位:熊本県(72.8%)
第2位は熊本県でした。2020年の検挙率は72.8%です。
同年(2020年)の全国平均の検挙率は40.9%となっており、熊本県の値はそれを31.9ポイント上回っています。
熊本県を管轄する熊本県警は、県内に全部で23の警察署を有します。
同県警はSNSでユニークな発信をすることもあり、最近では「シン・ウルトラマン」にかけて「シン・巡査 目府伊羅酢」のオリジナル名刺をTwitterで投稿し話題となりました。
マスコットキャラクターの「ゆっぴー」も、熊をモチーフにしたかわいらしくも凛々しい外見で活躍しています。
●第1位:山形県(85.1%)
第1位は山形県でした。2020年の検挙率は85.1%です。
窃盗の認知件数1959件のうち1668件が検挙にいたっています。
今回のランキングのトップ5を見ると、東日本エリアに属する都道府県は山形県だけという結果になっています。
山形県を管轄する山形県警は、県内に14の警察署を有しています。
近年はYouTubeでの発信も行っており、より県民に身近な存在となりつつあります。
山形県の動物・カモシカをモチーフにした「カモンくん」がマスコットキャラクターです。
配信 ねとらぼより>
検挙率が低いイメージ?
第3位以下の順位ですが、第3位:鳥取県(72.7%)、第4位:島根県(70%)、第5位:長崎県(69.8%)、第6位:秋田県(69.5%)、第7位:石川県(68.7%)、第8位:福井県(68.3%)、第9位:佐賀県(65.7%)、第10位:山口県(63.1%)と続きます。
人口の多い都道府県ではなく、比較的人口の少ない都道府県が上位に来ている印象です。
人口の多い都会の方が警察署や警察官の数も多く、何となく窃盗の検挙率が高いイメージがあったのですが、逆でした。
また、田舎の方が犯罪発生件数が少ない為、平和なところが多く、犯罪への免疫がないので窃盗などの犯罪が成功しやすいように思っていたのですが、間違いのようです。
このニュースを広めることによって、犯罪者が田舎を狙おうとする考えをなくすとことにつながるかもしれません。
一方、検挙率が低い都道府県は、今後、泥棒などの犯罪者に新たに狙われる危険性が増えたと言えます。
ただ、「窃盗」は、手口が非常に多く、他人の物を盗むという行為全体を含めている側面もあるようです。
万引き、置き引き、スリ、車上荒らし、空き巣(侵入盗)、ひったくり、自動車盗、自転車盗など、手口によっても検挙されやすい犯罪と、そうではない犯罪があるようです。
また、1人で複数回の犯罪を犯す常習犯や、複数人での窃盗グループで数十件という犯行を繰り返す場合もありますので、認知件数と検挙件数の計算が難しいこともありそうです。
それぞれの手口によって防犯対策や予防方法、捜査方法なども異なりますから、一概に何かをすれば検挙率が良くなるとも言えないでしょう。
ただ、検挙率が低いというの不名誉な記録、イメージですから、そこから脱却を図るための努力、取り組みを行うことは必要だと思います。
投稿者: 総合防犯設備士 (2022年7月22日 10:59)