今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
群馬の質店 わずか十数秒で貴金属200万円以上奪われる
14日午後7時40分ごろ、群馬県太田市藤阿久町の質店「高田質店」に男2人組が侵入し、いきなりガラス製ショーケースをハンマーのような物でたたき割った。
少なくともネックレス5点、ブレスレット1点の貴金属計6点(221万円相当)をケース内から盗み、徒歩で逃走。被害品は他にもあるとみられ、太田署が確認を急ぐとともに、窃盗事件として行方を追っている。
◎防犯カメラの映像を公開 警察が情報提供を呼び掛ける
同署によると、2人は同店の手動ドアを開けると、早足に店へ侵入。1人がショーケースをたたき割り、もう1人が貴金属をつかんでリュックサックに入れて盗み、無言のままわずか十数秒で店を出た。店は営業中だったが客はおらず、店内にいた経営者の男性(43)にけがはなかった。
店の南側は県道太田境東線があり、北側は閑静な住宅街。捜査関係者によると、犯人は徒歩で逃げ、北方の住宅街に入った後、西方に向かったという。
同署によると、2人はいずれも20~40歳、身長約160センチ、中肉中背、黒い帽子をかぶり、マスクと手袋をしていた。1人は黒の長袖シャツに緑のズボンを着用し、ハンマーのような物を所持。もう一人は紺の半袖シャツ、黒のアンダーシャツ、青のジーパンを着用し、リュックサックを持っていた。県警は防犯カメラの映像を公開し、情報提供を呼び掛けている。
上毛新聞の取材に、経営者の男性は「(事件時は)パニックでほとんど覚えていない。大声を上げたが、犯人は無言だった。行動が荒々しかった」と振り返った。
事件当時、現場近くの酒店で働いていた男性(40)は「防犯ベルの音が聞こえて外に出たら、質店から男が出て(北の)路地に入るのが見えた。心配だから早く犯人が捕まってほしい」と話した。
<7/16(木) 6:05配信上毛新聞より>
現場には防犯カメラがあり、警報ベルがあり、さらには店内に人が居る状態にも関わらず、2人組の男は侵入し、貴金属類を強奪するという事件です。
犯行時間はわずか十数秒という短時間ですので、その間に人に見られる、防犯カメラに記録が残る、警報ベルが鳴動するという泥棒自身が負うリスクは覚悟の上の犯行でしょうか。
防犯カメラ+警報システム+有人と、泥棒が最も嫌がる環境だったように思いますが、それを上回ったのが貴金属という対象物の存在です。
それらのリスクよりも数十万円、数百万円の価値がある金品を得られる可能性に賭けたのでしょう。
このような事件から、どんな防犯対策がとられている環境であっても、泥棒自身の判断によっては、盗難被害や破損被害に遭ってしまう可能性はゼロにはならないということが分かります。
我々が防犯対策を提案する際、防犯カメラがあって、警報ベルがあって、さらに人が居れば、まず泥棒などの犯罪者に狙われることはないと説明することがありますが、業種や時間帯によってはその断定は崩れてしまいます。
業種によって防犯対策も色々な工夫が必要になります。
それでは今回のような質店が被害に遭わないためにはどうすれば良いか。
ショーケースをハンマーで壊されていますが、壊されないようにショーケースを物理的に強化することで犯行時間を遅らせることができます。
また、十数秒で犯行を行っていますが、侵入者に対して視界を遮断する煙を吐き出すフォグガードのようなシステムを導入し、犯行を完遂させられないようにする対策も効果的です。
但し、高額の費用が掛かりますので、オーナー様にとっては費用対効果を考えての導入になるでしょう。
投稿者: 総合防犯設備士 (2020年7月31日 13:51)