今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
[国際詐欺419事件」の手口
今回は、地球規模の国際的な詐欺についてご紹介しましよう。
ナイジェリア人らによるマネーロンダリング(資金洗浄)とみられる口座詐欺事件で、逮捕された日本人容疑者5人は、架空の法人名義で銀行口座を開設していました。
マネーロンダリング(資金洗浄)とは、麻薬などの犯罪行為から得た資金を、さまざまな金融機関の口座を転々とさせることで、資金の出所を分からなくする行為のことです。法律で禁止されている行為であり、2003年には「本人確認法」が施行されて、金融機関等による顧客等の本人確認、本人確認記録や取引記録の作成・保存が義務づけられました。
商取引や融資を装って国外へ送金させるのは「419事件」という国際的詐欺の典型的手口で、海外の被害者を信用させるために法人名義の口座をつくったと警察ではみています。
「419事件」とは、2004年にナイジェリアなどのアフリカ諸国で起きた国際的詐欺事件の通称です。ナイジェリア刑法419条に抵触する犯罪であることから、419事件と呼ばれています。
「419事件」http://www3.jetro.go.jp/ttppoas/419/index.html
調べでは、男(31)=同県所沢市=ら日本人5人は、アサボー・フェリックス・スティーブ容疑者(40)=同県蕨市=にパチンコ店などで声をかけられ、口座を開設しました。
口座には05年から、欧米で発生した419事件の被害金約7億円が振り込まれていました。男らは振り込まれた現金をアサボー容疑者に手渡し、金額の数%を報酬として受け取っていたとみられています。
埼玉県警が摘発した詐欺事件は、ナイジェリア人組織による世界規模の犯罪の氷山の一角とみられています。ナイジェリアでは詐欺や麻薬取引などが横行、米連邦捜査局(FBI)は80カ国以上でナイジェリア人犯罪組織の活動を確認しました。ナイジェリアでは油田開発が進んだ70年代以降に犯罪組織が急速に台頭してきました。
クレジットカード偽造や「419事件」のような手口が最も一般的です。
個々の組織は数人から数十人と小規模で、裏社会全体のボスは存在せず、ある組織が摘発されてもすぐに新たなネットワークができるそうです。国外を拠点とする組織も多く、詐欺で得た収益の行き先は不透明ですが、なんと04年に米、英、ブラジル、スイスの捜査当局が合同で摘発した「419事件」には、ナイジェリアの与党「国民民主党」の州知事候補や銀行役員などが関与していましたというから驚きです。国民が政府も何もかも信じられなくなるというのがわかります。
米司法省は5月23日、大規模な詐欺計画を取り締まる多国籍組織「Operation Global Con」によって、欧米など5カ国で565人以上の詐欺師が逮捕されたと発表しています。
詐欺手口としては、宝くじの当選を装ったり、存在しない出資金を提供するなどと偽り、送金処理に必要な手数料と称して金を振り込ませるなどの手法です。日本人被害者は、60歳前後の男性で、海外での生活経験が豊富で英語が堪能であることが特徴として挙げられます
外務省のホームページに詳細の手口が紹介されていました。
(1)金取引型
(イ)詐欺グループは、先ず、FAX、電子メール、インターネット掲示板などで極秘の金取引であることを仄めかして商談を打診します。(極秘取引のため市場価格より安いということを仄めかす。)
(ロ)詐欺グループは交渉を巧妙に進めていき、金の取引をするためにガーナへ渡航するよう求めてきます。
(ハ)被害者が出向いてくると、詐欺グループは金のサンプルを見せ、商談に応じるなら本国から資金をガーナの銀行に送金するように要求します。(銀行から現金を引き出した後、窃盗団(詐欺グループの一味の場合もある)に襲われる可能性もあります。)
(ニ)詐欺グループは現金を受け取った後、金の輸出手続を行ったように書類等で見せかけます。その後、詐欺グループからの連絡は途絶えてしまい、金も入手できません。
(2)金保管型
(イ)詐欺グループは、先ず、FAX、電子メール、インターネット掲示板などで極秘情報であることを仄めかし、ある外国人(有名な外国人名を使用)が莫大な遺産を残して死亡し、その遺産が金塊等の形でガーナの警備会社に保管されたまま凍結されており、諸手続きをすれば凍結解除できるので協力して欲しいと話を持ちかけます。
(ロ)詐欺グループは交渉を巧妙に進めていき、諸手続きをするには、弁護士手数料が必要として数万ドルの送金を要請してきます。同手数料を振り込むと、以後連絡が途絶える場合やさらに追加送金の要請がある場合があります。
(ハ)交渉が続くと詐欺グループは、最終的な手続きをするためにはガーナへ来る必要があると話し、ガーナへの渡航を要請します。
(ニ)被害者が出向いてくると、金を保管しているとする警備会社に案内し、現物らしきものを見せて信用させ、さらにいろいろな名目をつけて手数料を要求します。詐欺グループは手数料を受け取ると、以後連絡が途絶えてしまいます。
詐欺被害に遭わないための防犯対策/
特徴を覚えておき、簡単に郵送やFAX、メールされてきたものを信用しないことが重要です。ホームページでは実際の郵送されてきた文章などが紹介されていますので参考にしてください。
いずれにしても、「甘い話には注意」そんな簡単にお金になるはずがありません。
それにしても「資金洗浄」、、、「洗浄」なんて、なんてうまい表現なんでしょう。
それでも、汚れたお金はどんなにきれいに洗っても汚れたままです。やはり自分の汗で自分の力で正規の労働で稼いだお金こそ大切だと思います。
投稿者: スタッフ (2007年9月 3日 12:45)