今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
トラクター盗難首都圏7県で6割減少 犯人逮捕と農家の防犯意識アップが奏功
2022年1~5月に東京都を除く首都圏7県でトラクターなどの盗難が、前年同期より63%減ったことが分かった。
被害が目立っていた茨城、栃木、群馬で特に減少した。各県警は盗難グループの逮捕や農家の防犯意識の高まりが背景にあると見る。
さらに被害の減少に向けて注意を呼びかける。
茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨の各県警本部(東京は警視庁)に取材した。警視庁はデータがないと回答した。
茨城、栃木、千葉はフォークリフトなども含んだ件数。
農機の盗難は、農作業で使い始める春先に起こりやすい。21年の被害件数は7県で計143件。うち6割の90件が1~5月に発生した。
ただ、今年同期での被害件数は茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉での計33件にとどまった。
昨年、7県での年間被害台数の88%を占めた茨城、栃木、群馬での減少が目立った。茨城の被害(22年1~5月)は16件で、前年同期比6割減だった。
栃木は5件で同8割、群馬は8件で同5割、それぞれ減った。
「畑に放置」は御法度
群馬県警は被害減少の要因に盗難グループの逮捕を挙げる。昨年8月に群馬県警が、トラクターを盗んだスリランカ国籍の男を逮捕した。
このことをきっかけに群馬、栃木、茨城、山形、静岡の各県警による合同共同捜査班が今年3月までに、同国人盗難グループ19人を逮捕した。
グループは19年3月ごろから昨年10月ごろにかけて11県で、計67台のトラクターなどを盗み、被害総額は1億3128万円に上った。
栃木県警は、農家の防犯意識の高まりも指摘する。同県警生活安全企画課は公式ユーチューブチャンネル「ルリちゃんねる」でトラクター盗難への警戒を呼びかける動画を昨年春に公開。再生回数が伸びている。
同課は、自動車のハンドルやタイヤを固定する盗難防止用品「ハンドルロック」「タイヤロック」の活用も勧める。
「盗まれないと思うのが一番危険。狙う人はいる。盗まれにくい環境で保管してほしい」と話す。
北関東の3県警は、農機の盗難対策として「畑に置きっ放しは危険」と口をそろえ、倉庫などに置くことを呼びかける。
<6/21(火) 16:00配信 日本農業新聞より>
東京を除く首都圏7県において、トラクター盗難が前年より約6割減っているという記事です。
その要因としては、窃盗グループの逮捕と各農家の防犯意識の高まりがあると見られています。
警察と被害者(このケースでは農家)、どちらか一方ではなく、双方の努力(対策)によって効果が出ている良い事例ではないでしょうか。
治安の悪い地域で、仮に個々に防犯システム設置などの対策を行ったとして、犯罪発生件数、犯罪被害に遭う確率を劇的に下げることは難しいと思います。
犯罪多発地域において防犯対策していることで、逆に目立ってしまい、この家にはお金がある、と犯罪者がターゲットに選ぶということも考えられます。
犯罪自体が発生しにくい、起こっても逮捕されやすい(そう思わせること)、そのような環境を作り上げることは非常に重要です。
それは単に警察任せにするのではなく、ボランティアや自治体で、見回りや声掛けなどを協力して行い、地域でのコミュニケーションを活性させることで、犯罪者を排除すること(不審者、部外者は行動しにくくなる)につながります。
身近な犯罪は窃盗だけではありません。
誘拐、放火、暴行、傷害、強制わいせつ、恐喝、騒音など様々な犯罪がありますが、防犯意識の高い住民の多い地域では、いずれの犯罪も犯しにくくなることは想像できると思います。
侵入防止4原則とは?
- 子供に防犯ブザーを持たせ、不審者や犯罪者に遭遇したら使用させることで、周囲に「音」で知らせることができます。敷地内の侵入者をセンサーで感知したら「音」で威嚇します。
- 防犯カメラという機械の「目」で24時間監視することで、犯罪者の足取りをつかむことができ、自由に行動できなくなり、抑制することにつながります。
- 侵入者にライトを照らすことで、「光」によって心理的なプレッシャーを与えます。
- ワンドアツーロック、壊しにくい扉や窓にすることで、「時間」が掛かるのは面倒と思わせ、その場での犯行を諦めさせ、別の犯行対象に移す効果があります。
投稿者: 総合防犯設備士 (2022年8月10日 11:07)