今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
10年前に放火された寂光院の今
このGWに大原に行ってきました。
三千院、実光院、宝泉院、勝林院、来迎院。
いずれも、平安時代、鎌倉時代の国宝、重要文化財の仏像があり、
阿弥陀如来像、薬師如来像などをまじかで見学できます。
GW中でしたが、恐れていたほどの人でもなく
全開されたふすまの先の竹やぶ、新緑の庭を眺めながらゆっくりと抹茶をいただき、国宝を鑑賞でき・・・と「日本に京都があって良かった」と実感しました。
とはいっても、防犯に携わっている人間は、天井や庭の侵入検知センサーや防犯カメラも気になって、きょろきょろと確認してしまいました。
多くがTAKEX製品でちょっと安堵しました。
「仏像盗難」が多発しているため、どこも本堂などに、防犯カメラが設置されており、仏像に近づいた時点で警報ができるようになっているのか赤外線センサー、パッシブセンサーによる侵入警戒システムと連動させていました。
庭にも赤外線センサーがはりめぐらされていました。
そして最後に10年前の5月に放火された寂光院に行きました。
10年前の放火・・・衝撃的でした。
●2000年5月9日 未明、寂光院本堂から出火し全焼。全焼した本堂には人は住んでおらず、また西側の縁側からプラスチック製容器の燃えかすと灯油が検出されたことから、京都府警は放火と断定した。
本堂に安置されていた重要文化財の木造地蔵菩薩立像(鎌倉時代初期の作とされている)も焼損した。なお、この被災した木像は劣化を防ぐために3年がかりで樹脂を塗られ、収蔵庫に保管された上で、重要文化財指定も継続されている。
京都府警捜査1課と下鴨署の特別捜査班が、周辺住民や民宿の宿泊客、寺の関係者らへの聞き込み調査を続けて不審者約160人を抽出するものの、具体的な犯人像や犯行目的を絞りきれず、未明の山中の火災だったこともあり、有力な情報を得られないまま、公訴時効を迎えるに至った。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
本堂は再建され、まだ真新しい色の木造でした。中の仏像も新しいもので、それまで国宝や重要文化財の非常に古い仏像を見てきた後でしたので、その鮮明な色などに少々違和感を覚えました。
焼け爛れた鎌倉時代の地蔵菩薩立像は、別の場所でガラス越しに展示されていました。
真っ黒の炭になって、縦に亀裂が走っていて、それでも凛として立っていらっしゃいました。見た瞬間に衝撃が走りました。
「放火」という人間の罪を背負って、その愚かさを周知させるために残った・・という気がしました。
「もし何かあったら取り返しがつかない」
とよく説明しますが、この映像を見たら本当にそう感じることでしょう。
やはり「予防」が絶対に必要であることを実感しました。
少しでも防犯啓蒙を続けていきたいと思います。
寺の防犯対策
投稿者: スタッフ (2010年5月 6日 10:27)