今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
「降格に立腹」「保険金目当て」「大きな煙が見たかった」・・・放火の目的
現在のような不況で先行きが不透明な状況の中で、急増する犯罪が「放火」です。
むしゃくしゃして・・・といったストレスからの犯行。
借金があり保険金を狙っての犯行。
こんなに「放火」が身近な犯罪として発生していることを知ってください。
●リビング新聞社放火:社員起訴--大津地検 /滋賀
滋賀リビング新聞社(大津市におの浜3)の事務所が焼けた事件で、大津地検は29日、同市大江4、同社社員男(50)を非現住建造物等放火の罪で大津地裁に起訴した。
被告は職場で降格したことなどに立腹し、今月7日午後11時50分ごろ、事務所の床にコピー用紙を敷き詰めた後、着火したろうそくを立てて床や壁など28平方メートルを焼損させた、とされる。
(3月30日 毎日新聞より引用)
●寺を全焼、保険金詐欺図る=容疑で元住職再逮捕-埼玉県警
埼玉県東秩父村の寺が全焼した放火事件で、埼玉県警小川署は28日、寺に掛けていた保険金をだまし取ろうとしたなどとして、詐欺などの疑いで同県小川町小川、元聖岩寺住職の男(53)を再逮捕した。同署によると、容疑を否認しているという。
昨年11月5日、当時住職を務めていた聖岩寺の本堂や自宅、乗用車などを放火し全焼させ、代車分費用約23万円を詐取したほか、約3億円の火災保険をだまし取ろうとした疑い。
容疑者は火災前日、本堂や自宅などを対象に約3億円の火災保険に加入していたという。寺所蔵の文化財は火災前に運び出していた。
(3月28日時事通信より引用)
他にも「京都市右京区で2月、乗用車とバイクが燃えた不審火で、右京署などは30日までに、建造物等以外放火の疑いで、住所不定、飲食店店員男(21)と右京区と左京区に住む私立高1年の男子生徒2人=いずれも(16)、右京区の無職の少年(18)を逮捕した。
2月20日午前3時20分ごろ、右京区竜安寺塔ノ下町の民家ガレージに駐車中の乗用車とバイクに放火した疑い」といった放火があります。
動機は「おもしろ半分でやった。大きな煙を見せたかった」ということです。(3月30日京都新聞より引用)
現在の犯罪を考える時、犯罪者像が以前と大きく変わってきていることを痛感しています。昨日も大麻使用で教頭が逮捕されるというショッキングな事件がありましたが、
警察官、自衛官、教師、弁護士、住職、高校生・・・そういった人が犯罪を起こしているのです。
たしかにそれはほんの一部の特例です。
殆ど多くの人は善良な尊敬すべき人です。
しかし、「どんな職業の人でも犯罪者がいる」というのは長年防犯の仕事をしている私としてはちょっとショッキングであり、奇異に感じる部分です。
その人物の背景を調べても犯罪に結びつく要因が見つけられない。
「なんのため?」「どんなメリットがある?」
失うものが非常に大きいのにも係わらず犯罪を犯すその心理が、従来の泥棒や放火犯とはかなり異なってきているように感じます。
今一般の方に知っていただきたいのは、そんな不条理な犯罪が急増している、ということです。誰が、どこで犯罪に遭遇するとも限らない、ということです。
だからこそ、防犯意識を持って、犯罪者につけいる隙を見せないことが大切です。
そして、多くの人が防犯意識を持って「犯罪が発生しにくい環境」を作る事で、犯罪者を作らない、ということができます。
投稿者: スタッフ (2010年3月31日 10:33)