今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
埼玉 飲食店連続窃盗 半径5キロ以内8件被害
埼玉県川越市の周辺で、飲食店ばかり少なくとも8軒で現金などが盗まれる事件が相次ぎました。
午前4時ごろ、川越市的場の寿司チェーン店で、裏口のドアがバールのようなもので壊され、店の中にあった金庫が盗まれているのが見つかりました。
金庫に現金は入っていませんでした。
また、同じ頃、およそ4キロほど離れた市内のファミリーレストランでも店の窓ガラスが割られ、通用口のドアがこじ開けられているのが見つかりました。
このほかにも、隣接するふじみ野市の寿司店で現金9000円が盗まれたほか、狭山市内の飲食店でも同じような手口で物色された跡があり、半径5キロほどの範囲で少なくともあわせて8件の被害が見つかったということです。
警察は、連続窃盗事件の可能性があるとみて捜査しています。
<TBS系(JNN)6月24日(日)18時48分配信より>
早朝に半径5キロ以内で8件の侵入窃盗事件が発生しました。
飲食店ばかりが狙われていますが、
ある寿司店での盗難の被害は現金9000円ということですから、犯人としても手間が掛かった割には成果がなかったと、がっくりきていることでしょう。
これだけで家に帰る訳にはいかないと、別の飲食店への犯行を企んだという可能性も考えられます。
1店で大きな成果(多額の現金や高額商品)を得ることができれば、それに満足するのが普通でしょう。
そこでまた別のところへと欲張ると身の破滅を引き寄せます。
ベテランの単独犯ほど、細く長く犯行を行えるようにと考えます。
欲張らずその日の成果に満足して、また別の日、別の場所での犯行に期待するのでしょう。
そう考えると今回の泥棒は焦り過ぎのような気がします。
飲食店8件ですから、いずれも何らかの警備システムが設置されているでしょう。(設置されていないところの方が珍しいと思われます)
防犯カメラにも映像が記録されているでしょうから、相応のリスクがあります。
普通はそんな危険性は犯しません。
まずターゲットなる場所を選びます。
事前に下見を行い、綿密に計画を立てます。
防犯カメラがあるかどうか、セキュリティシステムが設置されているか、警備員が常住しているか、扉や窓はこじ開けにくいか、人通りが激しいか、従業員は常時何人以上いるか、無人の時間帯はあるか、もうかっていそうか、現金は金庫に保管かなど(想像になりますが、定期的に金融機関に預けているかどうかは分かりそうです)
どこが弱く、どこが強いかを判断します。
そして最も弱い、つまり侵入しやすい先を選ぶのです。
この泥棒に選ばれるという不名誉で、危険な状況に陥ると、高確率で何らかの被害を被ってしまいます。
扉・窓・鍵・壁・へい・シャッターなどが破壊される。
室内が荒らされ、汚され、盗まれなくても物が壊される。
現金や宝石・貴金属類、テレビやパソコンなど換金できそうな金品が盗まれる。
仮に窃盗被害が未遂に終わっても、何かが壊されるという被害は100%に近い確率で発生すると考えてもよいでしょう。
そうならないために、ターゲットに選ばれないように行なうのが事前の防犯対策です。
投稿者: 総合防犯設備士 (2012年6月25日 11:45)