今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
雪が解けて犯行発覚 鋼材980トン盗難
札幌市は24日、市が管理する同市北区新琴似町の資材置き場から、工事用のH形鋼材980トン(約2000万円相当)が盗まれたと発表しました。
市は23日に札幌北署に被害を報告し、同署は窃盗事件とみて調べています。
市によると、鋼材は1本高さ60センチ、幅20センチ、長さ5~12メートルの大きさでした。
道路工事に使うため、現場で平積みにされていましたが、雪が解けた後の今月20日午後、巡回した市職員が盗難に気付きました。
最後に鋼材が確認されたのは昨年8月でした。
同署は、何者かが重機などを使って盗んだ可能性もあるとみて、詳しく調べています。
資材置き場はフェンスに囲まれて施錠されており、鍵は壊されていませんでした。
<読売新聞5月24日(金)15時27分配信より>
現場に平積みにされていた鋼材の上に雪が積もり、人の目からは消えていた間に、盗まれてしまったという事件です。
しかも、雪が解ける今まで犯行が発覚しなかったということですから驚きです。
盗んだ泥棒も、「今頃、盗まれたことが分かったのか?」と陰で笑っているかもしれません。
最後に鋼材の存在を確認できたのが昨年8月ということですから、実に7ヶ月以上も放置されていたことになります。
雪の中に隠れていたということですから、それが防犯対策にも役立つ、隠れ蓑になっていると考えたのかもしれませんが、その状態を犯罪者に知られては、何の意味もありません。
2000万円という非常に高価な材料です。
重量を考えると、簡単に盗むことができないとは言え、7ヶ月以上も放置するというのは危険でしょう。
定期的に巡回していれば盗まれることはなかったとは断言できませんが、何らかの防犯対策は必要でしょう。
2000万円ですから、泥棒側としても盗むことに成功すれば大きな利益となります。
もしかすると「雪」という存在が犯罪者にとっての隠れ蓑になってしまった可能性もあります。
一般住宅における「塀」というものも、一般的には、外敵の侵入を防ぐ役目があるかのように思われていますが、侵入後、中の状態が分からない、侵入さえしてしまえば泥棒の犯行を隠す役目にもなる場合があります。
犯罪者が逆用することもあるのです。
全ての犯罪者、場面、状況で常に有用な100%完璧な対策というものはありません。
状況や情勢は常に変化しますから、その都度臨機応変に対応する柔軟さが必要です。
この対策はこのタイプの犯罪に効くとは限らないのです。
投稿者: 総合防犯設備士 (2013年5月27日 16:51)