今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
ホームセンターに車ごと突込みATM窃盗未遂。
一攫千金を狙うハイリスク・ハイリターンな犯罪といえば、銀行強盗やATM破壊。
ハードルが高いかわりに、成功したら大金が手に入ります。
ここ1ヶ月でATMの盗難被害が全国で相次いでいます。
3月25日と同様の手口で4月3日には同じく大阪市西淀川区でATM窃盗未遂がありました。
ATM(現金自動預払機)コーナーのガラスがショベルカーで壊され、ATMに接触した状態で放置されているのを、警備会社からの通報で駆けつけた西淀川署員が発見。ATM本体は盗まれておらず、現金被害はありませんでした。
ショベルカーは兵庫県猪名川町の工事現場から盗まれたものということです。
1日午前4時55分ごろには、和歌山市小豆島(あずしま)のホームセンター「パワーコメリ和歌山インター店」で警報装置が作動し、警備会社から110番通報がありました。
和歌山東署員が駆けつけたところ、店舗西側のガラス扉が破壊され、入り口近くのATM(現金自動受払機)が倒されていました。
店舗関係者によると、店舗内の防犯カメラには、出入り口に車が突っ込むような様子が映っていたということです。
こちらもATM内の現金は盗まれていませんでした。
( 4月2日 毎日新聞、4月3日 産経新聞より引用)
いずれもATMの盗難には失敗しています。
多分犯行時間を計っており5分経過したため途中でも逃走したのではないかと思います。
宝石貴金属店やATMを狙う窃盗犯というのはグループで、「窃盗団」として組織化されています。
そして誰が何を行うのか分業化も進んでいます。
ATM盗難の場合、事前にその犯行で使用する自動車やトラック、シャベルカーを盗みます。
そして目的の建物を破壊したり、車ごと突っ込んだりして短時間にATMごと持ち去ろうとするのです。
多分その中の一人がストップウオッチを持って時間がきたら犯行を終了しているのだと思います。
「短時間化」が進んでいるのです。
盗んだ車と破壊され中の現金を盗まれたATMがその後近くの空き地などから発見されることが多いです。
その時にはすでに何も残ってはいません。
残念ながら警備会社や警察の駆けつけもなかなか間に合わず、犯人逮捕にはいたらないことが多いようです。
防犯カメラなどの映像を元に、犯人像に行き着けばいいのですが、闇サイトなどで集まった人間や不法滞在外国人なども多く、なかなか犯人特定が難しいのと、実行犯を捕まえても「とかげのしっぽ切り」と同じで、どんどん新しい実行犯が出てくるのです。
おまけに窃盗団の仲間同士もお互いの本名や所在などを知らないことも多く、一人を捕まえてもつるべ式に・・とはいかないようです。
こうした窃盗団は凶器を持っていることも多く、犯行途中で偶然居合わせると生命にまで危害が及ぶ可能性があり注意が必要です。
東京では工事を装って銀行出張所に侵入し、現金自動預払機(ATM)をガスバーナーで焼き切って現金を盗もうとしたとした男(65)が逮捕されています
男は作業服姿で、出張所前の路上にカラーコーン3本を置き、出張所の中に「工事中」と書かれた看板を立てた。さらに犯行を隠すために、ほかのATMとの間にブルーシートをかけて犯行をしていました。
非常通報装置が作動して警備員が駆けつけたことからレンタカーで逃走したが、警備員がナンバーを目撃しており逮捕されています。
この犯行は単独犯。工事中の看板をかけるなど凝った犯行ですが、レンタカーで現場に向かうなどプロの手口とは思えません。一攫千金を狙って、ATMを破壊するニュースを見て真似をしたのでしょうか?
投稿者: スタッフ (2009年4月 3日 17:07)