今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
強盗団事件に便乗? 飲食店従業員による自作自演強盗
神奈川県警中原署は16日、川崎市中原区の「名代富士そば元住吉店」のアルバイト従業員の男(58)を窃盗容疑で逮捕した。
発表によると、男は同日午前3時半頃から午前3時40分頃までの間に、同店の券売機から現金19万9000円を盗んだ疑い。「金に困っていた」と話しているという。
同日午前5時頃、警備会社を通じて110番があったため、同署員が同店に駆けつけると、男は手足を縛られた状態で見つかり、「午前3時半頃に黒いフードの男が入ってきた。突然しびれて倒れ、縛られた」と説明した。
しかし、店外の防犯カメラに人の出入りが映っていないことから同署で話を聞いたところ、男は「うそをついた」と話し、虚偽通報だったことが判明。また、券売機の現金がなくなっていたこともわかり、同署で事情を聞いていた。
<3/17(金) 0:14配信 読売新聞オンラインより>
強盗団の事件が日本全体を揺るがしたような状況ですが、このような話題になる犯罪手口が出てくると、必ずと言ってよいほど便乗する手口や模倣犯が出てきます。
今回の店舗従業員による自作自演強盗は、まさにそれではないでしょうか。
自分の手足を縛り、嘘のストーリーを考え、場合によっては暴行された跡を自分でつけることもあるでしょう。
約20万円の現金を盗むことが目的だったようですが、手間とリスクを考えると、割りに合わない手口のように思えます。(どのくらいの金額が入っているかは知っていたでしょうから、思っていたよりも少なかったということはないでしょう)
共犯者がいれば縛られ方も自然に見えるでしょうが、1人で全てこなすとなると不自然な部分がどうしても出てきてしまいます。
警察が店外の防犯カメラを調べて犯人が映っていないことからも怪しいと感じたのか、強盗の被害者(実際は加害者)に再度事情を確認したところ、自作自演を認めたようです。
普通に考えればすぐにばれると想像できる手口ですが、お金に困っていたことから焦っての犯行だったのかもしれません。
動機は何にせよ、防犯カメラの存在が泥棒や犯罪者にとって大きな脅威になっている現実を知るべきでしょう。
カメラが設置されているのはターゲットになっている現場だけではなく、その周囲にも多数設置されています。
それら全てのカメラによる監視をかいくぐって犯行を成功させることは至難の業です。
犯罪者がこの事実を冷静に受け止めることで、成功率の低い手口は減り、犯罪自体を減らすことにつながると思うのですが、そうなっていないのは情報の発信方法や頻度に問題があるのでしょうか。
防犯啓もう活動を行っている我々のような立場の者もさらに工夫が必要でしょう。
投稿者: 総合防犯設備士 (2023年4月28日 10:41)