今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
山でキノコ採集してもOK?
【質問】
先日、友人たちと近くの山に散策に行ったら、キノコが生えていました。
友人のひとりが、そのキノコを採って帰ろうとしたのですが、考えてみると山も誰かの持ち物ですよね。
私有地であったり、公有地であったり。そんな土地に生えているキノコを勝手に採って持ち帰ってしまうことは、窃盗罪とかになってしまうのではないかと不安になりました。
何か罪に問われるのでしょうか?
【回答】
これからの季節、山を散策中に食べられそうなキノコを見つけたら、持ち帰りたくなる気持ちもわかります。
しかし、その山が私有地だった場合、生えているキノコはその土地の所有者のものになります。
勝手に持ち帰ると、原則として「窃盗罪」に該当します。
「キノコの採取禁止」と看板がある場合はもちろんですが、所有者が「キノコを採らないでほしい」と考えている以上、窃盗罪にあたります。
一つだけなら大丈夫とか、気づかないだろう、と安易な気持ちで持ち帰るのは厳禁ですね。
これが私有地ではなく国有地などであっても同様です。
森林法197条では、「森林においてその産物を窃取した者は、森林窃盗とし、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する」と規定しています。
さらに、伐採や開発の制限などを課せられた保安林では、同法198条で、「保安林での森林窃盗は五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金」という厳しい罰則を定めています。
国立公園などの一定の区域では、キノコの採取自体が禁止されていますし、条例などで規制された「立ち入り禁止区域」に立ち入ること自体も犯罪です。
そもそも、勝手に持ち帰る行為は、「食べられるキノコなのか」の判別が難しく危険ともいえます。
キノコの持ち帰りについては、キノコ狩りの許可が明示されている場所や土地所有者の許可を得た場所で、キノコ狩りの知識もしっかり備えたうえで、行うようにしましょう。
アディーレ法律事務所パートナー弁護士(東京弁護士会所属)
<読売新聞(ヨミウリオンライン) 9月22日(火)9時0分配信より>
山登り、森林散策などをしている際、食べられそうなキノコを見つけたら、持って帰ってしまう人がいるかもしれません。
特にマツタケに似たキノコだったら、喜んで持って帰ってしまいます。
ただ、自然に生えているマツタケがある場所というのは、一般の人が気軽に足を踏み入れられない場所がほとんだと思いますし、普通は誰かが人工的に栽培していると考えるべきでしょう。
その場所が私有地なのか、国有地なのか、どちらにしても自分の所有地ではないことは明らかですから、むやみに持って帰ると、森林窃盗として捕まる可能性があることは知っておくことです。
そもそもキノコの専門家でない限り、食べられそうという安易な判断で持ち帰り、そして食べること自体が食中毒などを起こしてしまう危険性があるので止めるべきでしょうね。
投稿者: 総合防犯設備士 (2015年9月25日 18:28)