今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
アメリカの小売業界を悩ませる返品詐欺
・アメリカ国内1000店以上のウォルマート(Walmart)で返品詐欺をしたとして、警察はアリゾナ州ユマで23歳の男を逮捕した。
・当局によると、この返品詐欺によるウォルマートの被害総額は約130万ドル(約1億4300万円)。
・アメリカでは、不正な返品によって小売業界が被る損失は、最大で年間170億ドル(約1兆9000億円)にのぼる。
23歳の男が、ウォルマートでの返品詐欺の容疑で逮捕された。これによる同社の被害総額は、130万ドルにのぼると見られる。
アリゾナ州ユマで逮捕された容疑者の男。
パソコンを返品しようとする若い男を目撃した店員が通報した。
当局によると、容疑者は返品前にパソコンから部品を抜き取ったと見られている。
アメリカ国内1000店以上のウォルマートで、過去18カ月にわたって同様の返品詐欺を繰り返していたという。
ウォルマートの代理人は同社の被害総額を明らかにしなかったが、返品詐欺の犯人を取り押さえるべく、ここ数カ月、警察と協力してきたと述べた。
「こうした犯罪行為を特定し、未然に防ぐため、社内プロセスを強化してきた」同社は言う。「従業員とユマ警察の迅速な対応のおかげで逮捕に至った。感謝している」
容疑者は2件の詐欺、2件の窃盗、2件の器物損壊の罪に問われていると、CBSの系列局KSWTは報じている。
返品詐欺は小売業界にとって深刻な問題だ。アメリカでは、こうした不正な返品によって業界が被る損失は、最大で年間170億ドルにのぼる。
こうした脅威に対し、家電量販大手のベスト・バイ(Best Buy)やホームセンター大手のホーム・デポ(Home Depot)、ビクトリアズ・シークレットやその他多くの小売業者は、顧客の返品回数を目立たないよう記録し、返品ポリシーの悪用が疑われる顧客には対応策を講じる場合もある。
アマゾンは2018年5月、一部の顧客を同社のウェブサイトから締め出したとして、人々の反感を買った。締め出されたユーザーの中には、返品が多すぎると判断された顧客もいた。
<6/23(土) 8:10配信 BUSINESS INSIDER JAPANより>
アメリカでは商品を購入して返品することが一般的に行われているようです。
高級なドレス等を購入し、商品のタグをつけたまま1回着て、イベントが終わったら返品する。
特殊なケースかと思いきや、映画やドラマの一シーンで普通に描かれることがあります。
日本ではあまりなじみのない返品詐欺ですが、今後日本でも広がる可能性があります。
今回逮捕された男の犯行は、パソコンを注文し、部品を抜き取って返品したということですから、器物損壊や窃盗罪に問われるのは当然ですが、先に挙げたような服のタグをつけたまま数回使用し、その後、返品されたら、購入者としては何も損ねていない、盗んでいないと主張するでしょう。
店側にすれば商品は新品ではなくなりますし、再度販売するためにクリーニングや梱包・包装等もやり直す必要がありますから利益を得るどころか大きな損害です。
このように詐欺とそうではないケースの見極めが難しいときの対策は非常に難しいように思います。
この対策をすれば万全であるというものが存在しない以上、被害を最小限に留める対策に切り替えていくしかありません。
投稿者: 総合防犯設備士 (2018年8月 3日 16:12)