今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
ペーパー盗難対策 個室に防犯カメラ設置OK?
これも新型コロナウイルスの余波なのか。飲食店やコンビニなどのトイレからトイレットペーパーが盗まれたという報告が相次いでいます。
盗難防止のためなのか、ペーパーに鎖を巻きつけるなど自衛策をこうじる店もあるようです。
都内飲食店の店長も「個室トイレのペーパーホルダーからトイレットペーパーが盗まれた」と明かします。「トイレットペーパーが入手できないのに、これ以上盗まれてしまうと営業にも支障が出る。個室の中に防犯カメラを設置したい」と、怒り心頭です。
そこで「盗撮にならないように」注意した上で、個室内のペーパーホルダーだけが映るようにカメラを設置したいと考えているそうです。具体的には「お客さんが用を足す姿の撮影はしない」「トイレを使う人に向けてドアに『ペーパーホルダーを撮影・録画しています』と張り紙をして知らせる」という方法です。
また、誰が出入りしたのか把握するために、トイレのドアの外にもカメラを設置して顔が映るようにします。これなら「盗まれた後でも撮影時間から誰が盗んだのかわかる」と考えているとのこと。
盗難被害を防ぐための、トイレ使用者に告知をしたうえでの撮影。法的に問題はあるのでしょうか? 小林正啓弁護士に聞きました。
●防犯カメラを店のどこに設置しても自由。だが...。
未使用のトイレットペーパーを外して持ち去る行為は窃盗罪に該当しますし、防犯カメラを店内のどこに設置するかは、原則として施設管理権者であるオーナーの権限で決めることができます。
とはいえ、いかに防犯目的だとしても、侵害される客のプライバシーが重大である場合には、店舗内といえども、防犯カメラの設置が制限される場合がありえます。
店舗内のトイレの個室はその典型です。防犯目的とはいえ、トイレの個室に防犯カメラを設置することは、違法と考えます。
●ペーパーホルダーだけ撮影すればいいのでは?
ペーパーホルダーのみが撮影・録画されるように設置すればよい、との意見もありえます が、2つの問題があります。
1つ目は、本当にペーパーホルダーのみを撮影し、利用者を一切撮影しないようなカメラの設置が可能か?という点です。2つ目は、仮にそのような設置方法が可能であるとしても、それで防犯効果があるのか?という点です。
なぜなら、利用者を一切撮影しないということは、トイレットペーパーが盗まれても、防犯カメラに写るのはせいぜい客の手だけであり、盗んだ人を特定できないということですから。
防犯カメラの設置が、プライバシーを多少侵害しても適法とされるためには、設置目的が防犯という正当性を有するだけではなく、カメラの設置と、防犯という設置目的の間に、合理的な因果関係があることが必要です。
●トイレでのトイレットペーパー盗難を防ぐためには
カメラを設置しても、防犯という設置目的が達成できないのであれば、プライバシーを侵害してまで防犯カメラを設置する理由がありません。
店長の怒りはごもっともですが、トイレットペーパーの盗難を防止するのであれば、カメラ以外のセンサーをペーパーホルダー部分に設置して、トイレットペーパーがホルダーごと外された場合には警報が鳴るようにするなど、他の方法を検討されることをおすすめします。
<3/3(火) 11:33配信弁護士ドットコムより>
店側がトイレの個室に防犯カメラを設置するのは、やはり違法のようです。
トイレットペーパーのペーパーホルダーだけを撮影すれば良いのでは?という意見もあるようですが、例えば地震等でカメラが動いてしまい、利用者を映してしまっていたら大問題です。
防犯カメラを設置するよりも、トイレットペーパーを有料化にする、有料の自販機を設置する方が費用は掛からないかもしれません。
防犯カメラを設置するのなら、個室ではなく出入口付近とし、怪しげな人がいれば顔も含めて撮影していることをモニター等で表示し、抑止力としての効果を期待する方が良いでしょうか。
防犯カメラの設置が、防犯対策かプライバシー対策か、どちらがより重要かというのはどのような場所においても言われています。
防犯カメラの映像がネット等で流出すれば、設置した者はどのような管理、責任なのかと問われてるのはもちろんです。
それらがしっかり管理されている前提での設置は、犯罪者を捕まえるための証拠としても、そしてその場での犯罪を思い留まらせるためにも働きます。
便利な道具や機能をいかに使うか、結局は使う側の問題です。
投稿者: 総合防犯設備士 (2020年3月26日 15:41)