今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
店舗広い、店員少ないドラッグストアで集団万引き
2019年10月~20年8月に岐阜県内外のドラッグストアが被害に遭った集団万引き容疑事件で、県警はこれまでにベトナム人の男10人を逮捕、送検し、捜査の終結を発表した。県警によると、被害額は約1913万円に上る。ドラッグストアでの万引きは依然として発生しており、県警は警戒を呼び掛けている。
県警捜査3課によると、このうち岐阜市や愛知県犬山市などに住む24~36歳の9人は、ドラッグストアやホームセンターで化粧品や医薬品などを万引きしたとして窃盗容疑で逮捕。もう1人の埼玉県草加市の男(26)は、盗品を買い取ってベトナムに輸出していたとして、盗品等有償譲り受けと組織犯罪処罰法違反(犯罪収益収受)容疑で逮捕した。全員が起訴された。
大半は技能実習生として来日した後に仕事を辞め、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を通じて知り合った。同課は、実行役を大きく2グループに分ける。一つは、岐阜市内の同じアパートに住む3人を中心とした「岐阜グループ」。2~4人でドラッグストアへ行き、高価な商品を中心に万引きする役と、見張り役、駐車場で待機し円滑な逃走を助ける運転役などを分担。盗品はコンビニの宅配を使って草加市の男へ送り、男がベトナムへ輸出していたという。
もう一つは愛知県犬山市などに住む4人を中心とした「愛知犬山グループ」。手口は同様だが、このグループが品物を送った先について県警は「草加市の男とは別の人物だが解明できなかった」としている。
県警が裏付けた一連の被害は、11県で計106件。岐阜65件、滋賀10件、長野8件、埼玉・山口ともに6件、群馬4件――と続くが、岐阜が突出して多い。
男らは「ドラッグストアは店舗が広い割に店員が少なく狙いやすかった」と供述しているという。同課は「岐阜はドラッグストアの店舗数が多く、男らが言う『広くて店員が少ない』という傾向も顕著だから余計に狙われたのだろう」とみている。
◇昨年県内552件 犯罪率全国ワースト1位
県警生活安全総務課によると、県内で2020年に認知されたドラッグストアでの万引きは552件。被害総額は約5294万円、1件当たりの被害は9万5904円だった。全都道府県と比較できる同年の11月末までのデータでは認知件数がワースト7位、人口10万人あたりの認知件数に換算した「犯罪率」はワースト1位だ。
岐阜市北西部の又丸には、約700メートルの間に5店舗が並ぶ「ドラッグストア街道」と呼ばれる一本道があるなど、県内にドラッグストアは多い。同課などによると、18年時点で県内のドラッグストアは450店あり、人口10万人あたりの店舗数は全国1位。担当者は「店舗が多い分、万引きも多い。防犯訓練もしているが効果は残念ながら限定的。陳列する商品数を少なくしたり、店員を増やしたりする必要がある。今年は、各ドラッグストアチェーンの本社とも連携して対策を強化し、被害を減らしたい」と話している。
<2/3(水) 12:30配信毎日新聞より>
郊外で店舗が広く、そして従業員が少ないドラッグストアなどは泥棒にとっては格好のターゲットになるようです。
複数名で犯行を行えば、見張り役、実行役、運搬役など役割分担することで犯行の発覚を遅らせ、逃走しやくするなり、逮捕される可能性が軽減されます。
店舗内を従業員や警備員で監視、巡回するという防犯対策がありますが、常に四六時中監視することはできません。
特に従業員にとっては監視や巡回以外の業務、商品の補充や接客などが本来の仕事であり、そちらが忙しくなると監視などが疎かになってしまうのは仕方がありません。
また、警備員を常駐させるにしても複数名というのは人件費としてはかなり負担となります。
何よりも商品を盗まれないように見張る、監視する、巡回するという業務は損失を防ぐ可能性はあるにしても、利益を生み出す行為、業務ではないのが辛いところです。
方法を工夫し、頑張ることでより大きな利益や売上につながるのであればモチベーションになりますが、損失を減らすための業務というのはなかなか難しいものでしょう。
防犯対策は費用として割り切るのであれば、全て防犯カメラや万引き防止器などのシステム導入に変えてしまい、人件費を減らすということも考え方の一つです。
人の目による監視には限度がありますし、常に従業員が万引きを警戒している店内というのは決して雰囲気の良いところではないように思います。
投稿者: 総合防犯設備士 (2021年2月 5日 15:52)