今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
窓を手で揺らし鍵を緩める「揺らし盗」に注意
公民館の窓を揺らして鍵を緩め、エアコンのコインタイマーを揺らして現金を盗み......。
福岡県警は19日までに、同県小郡市井上の清掃員の男(49)を、建造物侵入と窃盗の疑いで逮捕、久留米区検に送致し、捜査を終えた。
小郡署によると、容疑者は昨年12月30日午後10時半ごろ、小郡市の公民館に侵入し、エアコンのコインタイマーから現金400円を盗んだ疑いがある。
「食費とパチンコ代が欲しかった」と容疑を認め、このほかにも同様の手口で県内や佐賀県内の12市町の公民館に侵入し、120件の窃盗(被害額計約11万円)を繰り返していたという。
被害に遭った公民館は二重ロックをしておらず、窓を手で揺すると、鍵を緩められたという。また、コインタイマーを手で揺すると、隙間が生じ、そこから硬貨を盗み、ある公民館では計9千円を盗まれた。
窓やコインタイマーを破損せずに犯行に及ぶ「揺らし盗」に対し、署は防犯対策を呼びかけ、公民館側も二重ロックの徹底や、コインタイマーの硬貨の厳重管理に取り組むようになったという。
<4/20(水) 15:30配信 朝日新聞デジタルより>
手で揺らすと鍵が緩む窓というものがどのような種類の窓か分かりませんが、同様の窓があるところで、防犯対策がとられていない場合は注意が必要です。
確かに窓を破壊して侵入するより、揺らして鍵を緩めて開けて侵入する方が現場で侵入された形跡が分かりにくくなります。
犯行後、窓を閉めて逃走すれば、翌日被害者が鍵の開いているのに気づいたとしても、閉め忘れと勘違いしてくれる可能性があります。
窓ガラスが割れていれば明らかに侵入されたことが分かりますので、犯行発覚を遅らせる効果が期待できます。
ただ、揺らして鍵が緩む窓ではなかった場合、時間を掛けて揺らしても効果がないことがあるでしょうし、緩むまで何度も揺らして時間が掛かることもあるでしょうから、結局は犯行時間が長くなります。
犯行の短時間化を重視する犯罪者は用いない手口かもしれませんが、侵入先が明らかに無人で、犯行に時間を掛ける余裕のある現場だと用いられる可能性があります。
自宅や勤務先の窓の種類というものをじっくり考える機会は少ないでしょうから、これを機に一度点検し、もし容易に侵入できそうな構造だと分かったら、二重ロックや窓の入れ替え、防犯センサーや防犯カメラの設置を検討してみてはいかがでしょうか。
投稿者: 総合防犯設備士 (2022年4月21日 11:29)