今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
キャッシュカード 自宅に訪問して預かることはあるの?
千葉県松戸市の無職女性(82)からキャッシュカードをだまし取り、ATMで計40万円を引き出したとして、松戸東署は24日、詐欺と窃盗の疑いで神奈川県横須賀市の男子高校生(19)を逮捕した。
逮捕容疑は仲間と共謀し昨年11月5~6日、市職員や銀行員をかたり女性宅に電話をかけ「払い戻しがある」「古いキャッシュカードを取りに行かせる」とうそをつき、容疑者が女性宅に出向いてカード1枚を詐取した上、県内外のATM2カ所で計40万円を窃取した疑い。
同署によると、出金記録を不審に思った銀行が女性に連絡。
通報を受けた署が防犯カメラ映像などから容疑者を特定した。
同署は捜査に支障があるとして認否を明らかにしていない。
<5/25(水) 11:53配信 千葉日報オンラインより>
当ブログでも何度か取り上げている、高齢者からキャッシュカードをだまし取り現金を引き出す手口です。
しかし、市や県の職員、郵便局員、銀行員、警察官などが自宅を訪問し、キャッシュカードの提出を求めることが実際にあるのでしょうか?
こちらが訪問した銀行の窓口で手続きのために渡すことはあるかもしれませんが、それ以外の場所でキャッシュカードのみを預かって一旦銀行へ持ち帰り、本人不在のまま手続きを行うことなどまずないでしょう。
それでも詐欺師や泥棒は、今回が特別なケースだと言葉巧みに説明してキャッシュカードを出させようとし、そして本人確認のために暗証番号を聞き出そうとするのでしょう。
この事実、情報をもっと多くの人に知ってもらうための取り組みをすべきでしょう。
テレビなどで詐欺事件の報道を行う際、単に事件として報道するだけでなく、加害者のように自宅に訪問してカードを預かることはありません、とキャスターや字幕等で注意喚起すべきです。
そのことによって、もし自分が同じような体験をしたら、相手は自分をだまそうとしている、詐欺かもしれない、怪しいと感じることにつながるかもしれません。
また、怪しいとは思っても相手を言葉で納得させることが難しいと感じたら、その場での即答は避け、家族や友人など信頼できる相手に相談してから回答する決まりを作り、そのように癖づけるなどの工夫が必要です。
(お年寄りを犯罪から守る)
問題なのは相談できる相手が居ない場合です。
そういったケースも考えて、公的な福祉介護サービスがサポートする仕組みや体制を作るべきでしょう。
そのためには人材も予算も必要になります。
このようなことのために、我々が預けている大切な税金を使用してもらいたいものです。
そして、被害に遭わないためには、日頃から情報収集し、新しい情報と古い情報、正しい情報と誤った情報を判断できる力を培うための努力が必要です。
投稿者: 総合防犯設備士 (2022年6月 3日 10:45)