今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
侵入者は人とは限らない クマが家の中に侵入
福井県小浜市の住宅で6月14日、家の中にクマが入ってくる様子が撮影された。
段ボールを踏み越えて迫るのはツキノワグマ。体長1メートルほどの大人だという。
住宅には鋭い爪の跡が残っているが、出くわした住人にケガはなかった。
小浜市で27日までに寄せられた目撃情報は25件で、昨年度の総数をすでに超えている。
クマの目撃は全国各地で相次いでいる。9日、石川県津幡町で木の上に登るクマの姿が確認された。
25日には北海道当別町のゴルフ場で目撃され、撮影者は「ヴィラ(宿泊施設)の横に出てきています」と説明している。
この時期に注意が呼びかけられているのが、子グマの存在。5月から7月は繁殖シーズンで、子連れで市街地に現れるケースがある。
5月、親子とみられる4頭のクマが、札幌市の住宅近くで撮影された。
「子グマを見かけたら、近くには必ず親グマがいる」と考え、身を守ることが重要だ。
(イット! 6月28日放送より)
<6/29(水) 6:09配信 FNNプライムオンラインより>
家の中に侵入してくるのは泥棒などの侵入者だけではありません。
クマが突然家の中に入ってくることも・・・。
都会に住んでいる限り、そのような可能性はゼロに近いですが(動物園や誰かが飼っているペットが逃げ出してくることはあるでしょう)、田舎や自然が近いところに住んでいる場合は、突然の侵入者に驚くこともあり得ます。
対策として防犯カメラを設置していても、クマに対しての効果は薄いでしょう。
防犯カメラに映ったクマを離れた場所から確認し、人間が注意することはできますが、防犯カメラの存在はクマにとって侵入を思い留まる抑止にはなり得ないからです。
それでは防犯センサーの場合はどうでしょうか?
センサーがクマを検知し、防犯ベルやスピーカーが鳴動したり、ライトが点灯することによって、クマが驚き、その場から追い出すことができるかもしれません。
しかし、逃げる方向がもと来た場所なら成功ですが、逆に建物側に追い込むことになってしまう可能性もあります。
鳥や猫などの小動物を検知しにくくする機能を持つセンサーもありますが、むしろクマなどの大型動物は検知した方がよいので、なかなか両方を満たすことは難しくなります。
人間による森林伐採等によって、野生動物の生息エリアはどんどん減っていますし、その傾向はこれからも続くでしょう。
そうなると、今まで住んでいたところから移動することは当然ですし、その移動先で人間と遭遇してしまうことは彼らの責任とは言えません。
現状、クマが人間や飼っているペットを食料と見なして襲ってくる可能性はかなり低いでしょうが、食糧事情の悪化によって飢餓状態のクマが民家を襲うという事件が発生しても不思議ではありません。
今後、人間と動物が遭遇する機会が増え、思いもよらない被害が発生することも考えられます。
仮に人間を襲ってしまった動物がいても、それらを「悪」と考えて排除するのではなく、人間と動物が共存できる社会をどのように作るかが今後の課題ではないでしょうか。
投稿者: 総合防犯設備士 (2022年7月15日 09:00)