今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
防犯カメラと防犯システム(センサー) 特徴と効果
2日、岐阜県土岐市の釣り堀で、店内にあった現金などが盗まれる被害がありました。それ以上に深刻だったのは魚の大量死。3000匹の魚の死を前に、店長が悲しみを訴えました。
つりぼり本舗の店長:
「大事にね、5年間育ててきたやつだから、何にも言えないよ。どうしたらいいんだろうとしか言えない」
死んだ魚を前に涙を流す、土岐市のつりぼり本舗・店長(48)。2日午前9時半ごろ、営業のために店に来たところ、大量の魚が浮いていたといいます。
店長:
「そこから入ってきて、見たらもうこの状態。エアーとかは止まってた」
裏口のガラスが割られ、何者かが建物内に侵入。物置が荒らされ、募金箱の数千円と防犯カメラ映像を記録するハードディスク、それにWiFiルーターが盗まれました。しかし...。
店長:
「そちらの被害はたかが知れているので、鯉と比べたらそんなものはどうでもいいんですよ、ぶっちゃけちゃえば。これを殺された方が悔しいから、これはやっちゃいかんと思うんだよね、本当に...」
死んだのは大切に育てた鯉や金魚やチョウザメ、合わせておよそ3000匹。
防犯カメラを止めるためだったのか、電気メーターの配線が切られ、いけすの「ろ過機」などすべての設備が停止。酸素が供給できず大量死につながりました。
店長:
「命あるものなんだから、その命が大事というのを分かってもらいたい。僕としては従業員だから、従業員を殺されたのよ、だからちゃんと償ってもらいたい」
釣り堀にとって、夏休みやお盆の時期はまさに書き入れ時。今年は行動制限もなく、多くの人を迎えようとしていました。
店長:
「この大きさになってくると、安く見積もって魚代だけで500~600万円くらいかかるかな。コロナで赤字だったし、無一文になっちゃったからどうしようかなと」
店長は多治見警察署に被害届を提出。警察は窃盗事件として捜査しています。
<8/4(木) 17:36配信 東海テレビより>
侵入者は防犯カメラが設置されているのは知っていたのでしょう。
配線を切り、映像を録画できなくし、そして映像が記録されているハードディスクそのものを盗み出すという犯行です。
事後に働くシステム、侵入されてから侵入者をカメラで記録する対策では、残念ながら未然に被害を防ぐことができず、被害の拡大も防げないケースがあるということです。
建物内へ侵入される前、つまり敷地内への侵入段階で働くシステム(侵入者を威嚇・警告する)が効果的でしょう。
防犯カメラと防犯システム(センサー)、どちらも防犯対策ですが、効果や機能はそれぞれ異なります。
防犯対策の特徴と効果
- 共通・・・設置されていることを強調すれば、侵入者にその場での犯行を思い留まらせて(抑止)、別のターゲットに移させる
- 防犯カメラ・・・侵入者の映像を記録することで、犯人特定、犯行の証拠にも役立つ
- 防犯システム(センサー)・・・侵入者を検知すると警報機器がその場で鳴動(威嚇)、周囲に犯行を知らせて継続を阻止し、侵入者をその場から追い払う(撃退)
どちらの方が優れているとか、望ましいというものではなく、状況や設置先のニーズ等に応じて使い分ける必要があります。
当然ですが、どちらも併用すれば、より効果を発揮し、侵入者にとって最も犯行を行いにくい環境の一つとなることでしょう。
投稿者: 総合防犯設備士 (2022年9月22日 14:09)