今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
他人の自動車盗難事故 自分にも影響がある?
兵庫や大阪など8道府県で高級車を狙った自動車盗などを繰り返したとして、兵庫県警捜査3課などは9日、窃盗の疑いで、大阪府豊中市庄内西町、被告(47)=窃盗罪で公判中=を逮捕、追送検し、捜査を終結したと発表した。同課などは車上荒らしなどを含め163件の犯行を裏付け、被害総額は約4億7千万円に上るという。
同課などによると、平成31年3月~今年6月、兵庫や大阪など8道府県で自動車盗などを繰り返し、トヨタの高級車「レクサス」や「プリウス」など146台を盗んだとしている。「生活費のためにやった」と容疑を認めている。
被告は、尼崎市や神戸市西区でプリウス2台(計約160万円相当)を盗んだとして同罪で起訴されている。
ピッキングで車の外からドアを開錠後、従来型携帯電話(ガラケー)の見た目をした特殊な機器を使い、エンジンを始動させていたという。
被告は実行犯とみられ、盗んだ車はコインパーキングなどに駐車して何者かに引き渡し、車種に応じて1台当たり数万円から百数十万円程度の報酬を得ていたという。
<12/9(金) 20:08配信 産経新聞より>
自動車盗難による損害は盗まれた被害者だけでは留まらないことがあります。
車両保険に入っていれば、保険会社が被害者に保険金を支払うことになり大きな損害を被ります。
そして事故が発生した翌年以降は、被害者の自動車保険の等級が下がる可能性があります。
盗難事故が全国で多発し保険会社の収支が悪化すれば、被害者だけでなく多くの人の自動車保険の料率が上がってしまいます。
盗難被害だけでなく、放火などの火災等でも同様のことが言えますが、一見自分には関係のないような事故や事件が、場合によっては自分も不利益を被る可能性があるということです。
また、ニュースのコメント欄にもありましたが、果たして被告一人の力で150台近くの自動車を盗めるものでしょうか。
仮に盗めたとしても、自動車本体の転売や部品の解体など、盗品を現金化するまでが大変です。
それまでに怪しまれたり、犯行が発覚したりすることもあるでしょうが、それを4年以上も捕まらずにうまくこなしていたのは、共犯者、もしくは協力者がいた証拠のように思います。
この共犯者や協力者が逮捕されるというニュースがあまりなく、単発の盗難事件ばかりが報道されることが多いように思います。
自動車が盗まれないように所有者が個々に防犯対策を講じることも重要ですが、黒幕と言えるような彼らを逮捕、撲滅させることが本当の意味での犯罪防止につながるのではないでしょうか。
投稿者: 総合防犯設備士 (2023年1月20日 17:52)